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乳がんの妻 パニック障害の僕

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2021年2月の記事一覧

#6 新型コロナではなかったが・・・

#6 新型コロナではなかったが・・・



 僕は今回を含めて2度救急車で搬送していただいたことがあるが、毎回野次馬が出てくる。
 前回も今回も、救急車が到着する頃には症状がやや落ち着いてたりするのだが、「もう大丈夫ですから帰ってください」とも言えず、よく調べておいてもらうためにも救急車に乗る。やや朦朧としていても周囲の状況は把握できており、どこの家のオバハンが出てきたとかは覚えている。

 心は弱っていても脳はハッキリしてるので、薄れ

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#5 待機中の不安

#5 待機中の不安



 2020年2月のダイヤモンドプリンセス号のニュースを見てるときは「乗ってる人ら、たいへんやな。金持ちじゃなくて良かったわー」と、まだまだ他人事だったのだが、4月に世界中の都市でロックダウンが始まったニュースを見ていたら、子どもの頃にみた小松左京原作の映画「復活の日」を思い出した。

 世界中でウィルス感染が拡がり、あらゆる生命体が絶滅していくという小松左京が1964年に書き下ろした小説を19

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#4 手術室へ

#4 手術室へ



子どもたちが生まれてから、徐々に二人でいる時間も少なくなり、僕は仕事仲間と、妻はママ友と過ごす時間が多くなっていた。
家庭内別居というほどのものではなかったが、それぞれの時間に干渉することもなく、必要な事以外での会話も少なくなっていた。
そもそも妻と趣味嗜好が違い、僕は好きなバンドのライヴへ一人で出かけたり、妻は子供たちとジャニーズのライヴへ行ったり。

妻は大学の後輩で、付き合いはじめた20

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#3 歩いて?

#3 歩いて?



手術日の朝、妻の入院している病棟のナースセンターの前で妻を待っていた。新型コロナ感染予防のため、妻と一緒に病室には入れないのだ。

医療ドラマを見てると、手術室に向かうときはストレッチャーで運ばれていくのかと思いきや、リアルにはドクターと看護師さんに付き添われ、病室から自分で歩いてやってきた。

#2 誰の部屋?

#2 誰の部屋?



手術を受ける妻を、これから約7時間に渡って、この部屋で待っていなければならないのだが、新型コロナウィルス感染症の影響で、むやみにウロウロする事もできない。
この部屋は特別室で(後述するが、成り行きでそうなっちゃった)、非常に快適ではあるが、実は私、半年前からパニック障害が時々出るので、一人きりで閉じこもりっきりというのが少し不安であった。