見出し画像

#5 待機中の不安

画像1

画像2

画像3

画像4

 2020年2月のダイヤモンドプリンセス号のニュースを見てるときは「乗ってる人ら、たいへんやな。金持ちじゃなくて良かったわー」と、まだまだ他人事だったのだが、4月に世界中の都市でロックダウンが始まったニュースを見ていたら、子どもの頃にみた小松左京原作の映画「復活の日」を思い出した。

 世界中でウィルス感染が拡がり、あらゆる生命体が絶滅していくという小松左京が1964年に書き下ろした小説を1980年に映画化したものだが、病院の患者のみならず、医局で医師、看護師が全員死んでいるシーンがフラッシュバックし、そこから息苦しくなってきた。

「こ、これはもしや、ぼくも知らぬ間に感染して肺炎を起こし、呼吸ができなくなったんちゃうか!? いや、きっとそうや! そうに違いないわ!」

 自分のあらぬ妄想がどんどん膨らんで呼吸不全となりながらも、

「これは過換気症候群や、ゆっくり呼吸して……あかん、あかんわ! 全然息がでけへん! このまま死ぬんやきっと!」

 対処法はわかっているつもりなのに、全く効果がない。というか、こういう緊急事態の時、人は落ち着いて実行できない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?