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一生に一度は映画館でジブリを 感想レポート

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何故『千と千尋の神隠し』は愛され続けるのか?【千と千尋の神隠し編 5の巻】

↑前回

◆其の弐 物語の総括をしてみる

改めて、素晴らしい作品だなと思いました。今まで『千と千尋の神隠し』は何十回も観てきていますが、変化の著しい幼児期・児童期から青年期・成人期にかけて観ると、感じ方や発見が成長に合わせて増えていくため、非常に作り込まれた作品だと思います。

自己中心的で我の強い性格をしている私ですから、幼少期はおどおどする千尋に共感できませんでしたが、色んなことを知って成長

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人生に一度は映画館でジブリを【千と千尋の神隠し編 4の巻】

↑前回

○電車

ここのシーンがどことなく『銀河鉄道の夜』に似ているなと思います。行きっぱなしであるところ、乗客が幽霊っぽいところ、途中のネオン(三角標っぽい)、など… ですからこの電車のシーンは”死”を意識してしまいます。

※追記:窯爺の「昔は帰りの列車があった」という発言は、「昔は死を身近に感じていた。お盆でお墓に行ったり、家に仏壇があったけど、最近はない。」という意味なのではないかと思い

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一生に一度は映画館でジブリを【千と千尋の神隠し編 3の巻】

↑前回

○白竜

千尋がハク様と白竜の関係性を第六感で感づくシーン。

…とは関係ない背景の話をします。海、美しすぎませんか?雨が降っただけの浅い海なので海の底が透けて見えるのですが、不気味なほど穏やかなのです。海の静かさが白竜のうねるような動きを引き(惹き)立てています。

そして白竜が窓から飛び出すシーン、ダイナミックですよね。0.5倍速で観て尾でカメラを叩くようなカットの真相を知りたい。

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一生に一度は映画館でジブリを【千と千尋の神隠し編 2の巻】

前回 https://note.com/michoko_chibi/n/n5239225199ca

○大好き窯爺

ボイラー室での出来事は、単に「千尋が油屋の洗礼を受けた」と取れると思いますが、めちゃくちゃ考えてしまった。社会を表してるな~と。ススワタリが社会の有象無象で、己の都合の良し悪しが判断基準。善意を利用する一方で自己責任論を押し付ける誰でもない誰かみたいな。増えても減っても分からない存

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一生に一度は映画館でジブリを【千と千尋の神隠し編 1の巻】

2001年生まれのみっこ。同い年の『千と千尋の神隠し』を劇場で観られるなんて、夢にも思っていませんでした。

物心ついたときから側にあるジブリ作品ですが、劇場で観られた作品は指で数えられる程度。ポニョ、アリエッティ、風立ちぬ、かぐや姫、くらい。

中でも『千と千尋の神隠し』は最も好きなジブリ作品で、背景、音楽、SE、作画、ストーリー展開、物語の舞台設定など、全てにおいて素晴らしい作品だと思っていて

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