一生に一度は映画館でジブリを【千と千尋の神隠し編 1の巻】

2001年生まれのみっこ。同い年の『千と千尋の神隠し』を劇場で観られるなんて、夢にも思っていませんでした。

物心ついたときから側にあるジブリ作品ですが、劇場で観られた作品は指で数えられる程度。ポニョ、アリエッティ、風立ちぬ、かぐや姫、くらい。

中でも『千と千尋の神隠し』は最も好きなジブリ作品で、背景、音楽、SE、作画、ストーリー展開、物語の舞台設定など、全てにおいて素晴らしい作品だと思っていて、サントラ、原画集、台本、その他諸々のグッズをそろえるほど大好きです。

そんな私が劇場で初めて『千と千尋の神隠し』を鑑賞して気づいた発見や「ここがいいよね!」をすべてにおいて素人である私がつらつらと連ねていきたいと思います。

画像1

図1:高校生の時、お小遣いをはたいて買った原画集

◆其の壱 シーンで見る「ここがいいよね千と千尋!」

○冒頭

不思議なピアノの和音から始まる「あの夏へ」がかかった瞬間、一気に持っていかれた。劇場で観ると結末を知っているのにワクワクが止まりませんでした。窓を開けて入ってくる風の音が鮮明で、劇場で観る価値を感じました。

車がけもの道に進んでから、音楽が一気に展開。オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、シロフォン、管楽器へ次々とバトンタッチし、臨場感と緊張感が一気に上昇します。音楽が「世界一」とも評されたスタジオジブリの走行シーンのクオリティを助長していました。森の途中に石碑があり、千尋がそれを見つけた瞬間にトランペットの音色が入ることで、千尋と同じように石碑を追ってしまいます。(この二小節間の展開が本当に素晴らしいんです、最後に入るティンパニ(?)が展開を支配している感がたまらない…!)その直後、ころころと転がるように展開していた音楽がぎゅっと引き締まり、車がトップスピードに乗ったことでヒヤヒヤする心情を誘発しています。今思えば、後半はずっと3連符なんですね。「よし、さんれんぷにしよう!」と思いついた久石さんはやはり天才です。

…冒頭だけでこの文量はまずい。

○時計塔にて

テレビのスピーカーでは聞き取れない音声が沢山ありました。風の音や森を飛ぶ鳥の声。不安になります。そして、時計塔の中でかかる「とおり道」ですが、なんとも不思議な音楽だなあと感じました。光が見え隠れするチンダル現象ような感じ。そして、ここの背景が圧巻で、息を呑みました。原画集には「忘れられた駅舎のよう」と記載されていますが、そのさみしさをひしひしと感じるような背景です。

○誰もいない料理店~油屋

千尋の両親が一心不乱にお店の料理を食べ始めたところから音楽の展開がスピーディーになります。千尋の方を見向きもせずに食いつく異様さを表現している気がします。そして、お母さん役である沢口靖子さんがケンタッキーを食べながら収録したらしい「骨まで柔らかい謎肉」のシーン。ジブリ飯めっちゃ美味しそう…。

飽きれた千尋が向かった先にあった油屋ですが、引きで映る油屋のなんとダイナミックなこと…。(ここでもバスドラかティンパニがロールして物語を進める役割を担っているんです、打楽器神。)

○全部夢だ、みんな消えろ!でガチで消えちゃうやつ

「神さま達」という音楽がかかるのですが、沖縄っぽい。久石さんは神様や極楽浄土を表すとき沖縄音楽を多用される気がします。(『かぐや姫の物語』の「天人の音楽」という曲です。このシーンについても語っちゃう、どうせ誰も読んでないし。かぐや姫が月へ還るシーンでの音楽ですが、悲しいシーンなのに音楽が明るい、言葉を選ばずに申し上げると”能天気”なんです。この気持ち悪さが好きなんです~、エヴァでアスカが喰われるシーンとか。)

○ハク様

いやまじイケメン。え、ちょっ、距離近くない???ドキドキが止まらないぜ。浮世離れした御顔がお美しい限りですが、ガンマキリハク様も可愛くて好きです。やっぱり当時の入野自由さんの声は綺麗です。現在の入野さんの声も勿論大好きです。ハイキューの菅原孝支とか好きです。

湯婆婆が空を旋回していることに気づいた後、二人が走り出すまでの音楽もティンパニのロールで展開しています。その後の金管楽器が良いですね~金属っぽいというか、機械の冷たさを感じます。ホールでなんの責任もなくベタ吹きしてみたい。

…だいぶ長くなりそうなので、第一弾はここまで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?