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コンピューターの時代に人にしか出来ない思考をするには

こんにちは。michinaru株式会社でインターンをしている若林です。

いつも記事を読んでいただきありがとうございます!

今回の記事でも新しい事業を生み出す人や組織づくりについて学んだことをシェアしていきます。

先日、自分らしいアイデアをもっと軽やかに生み出すための視点を知りたくて「思考の整理学」外山滋比古 著を読みました。

外山滋比古さんの体験をもとに生まれた独自の思考のエッセンスが書かれています。体験から生まれた文章のため、使われている言葉は力強く、思考することの楽しさを思い出させてくれる本でした。

思考の整理学_samune

本書に書かれていることをベースに、今回の記事では「コンピューターの時代に人にしか出来ない思考を生む」ための3つの視点を考察しました。

それは

1.グライダー人間ではなく、飛行機人間を目指す
2.アイデアを頭の中で放置することで発酵させる
3.第一次的現実に触れて考えることで汗の匂いのする思考をする

の3つです。

人間よりも正確に記憶し再生することのできるコンピューターが開発されたことによって、人に求められる能力は変化してきました。

一つの答えを正確に導くことはコンピューターに任せ、人間にしか出来ない思考をもっと意識し活用していかなくてはいけません。

私は今回の記事を執筆するまで、コンピューターと人間の思考は非常に似ているものとして捉えていました。人工知能(AI)という言葉によって、似たものだと考えさせられていたのかもしれません。

しかし、私たちはコンピューターとは違い忘れることが出来るし、心と体で思考する能力も持っています。

人間にしかない能力を見つめることで、私たちは無限の可能性を秘めている素晴らしい存在であることに気がつくことが出来ます。
では、記事を書いていきたいと思います。

グライダー人間ではなく、飛行機人間を目指す

グライダーは風に乗って飛ぶことが出来ますが、自らの力で飛ぶことはできません。

自分で目標を立て思考することが出来なければ、指示が与えられないと動けないグライダーのような人間になってしまいます。

思考の整理学2_

学校教育は、基本的にグライダー人間を育ててきました。与えられた問題に対して正確に答える訓練や、大量の知識を覚えることを通して、指示に対して素早く行動をする能力を鍛えていきます。

指示を正確にこなす能力はもちろん必要ですが、コンピューターが開発され、多くの作業が自動化できるようになった現代において、もっと重要になってくる能力があります。

それは、

自ら目標を立て行動をしていく力です。

例えるならば、エンジンを搭載した飛行機のような人間になる必要があります。

飛行機は風に乗りながら飛行することが出来るし、エンジンを搭載しているから風がなくても前に進むことが出来ます。

教育機関の人々が熱心に努力をし、教えるのが上手くなればなるほど、私たちは疑問を抱く機会が少なくなり、自ら思考する力を失ってしまうというジレンマが存在します。

私たちはこのジレンマに対して”自覚的”になり、教えてもらうことばかりに必死になるのではなく、自ら考える機会を作っていかなくてはいけません。

グライダー人間ではなく、飛行機人間になっていかなければコンピューターと仕事の奪い合いをするという悲しい結末になってしまいます。

「人間らしく生きていくことは、人間にしか出来ない」

本書からの引用なのですが、私たちは一度ここに立ち返らなくてはいけないと改めて感じました。

数字や機械のために仕事をしているのではありません。
多くの人が人間らしく幸せに生きていけるように仕事をしているのです。

コンピューターという強力な武器を発明した人類は、次のステップに進み、人間らしく生きていくために行動をしていけたら素敵ですよね。

アイデアを頭の中で放置することで発酵させる

人間らしく自ら思考してください!といきなり言われても、困りますよね。

最近は「アート思考」「進化思考」など様々な思考法を提案してくれる人がいますが、本書で書かれている方法もユニークだったので紹介させていただきます。

「進化思考」に関しては、2部にわたって記事を書きましたので、よろしければ読んでみてください。

では、人の特性を活かした思考法とは何なのか?

それは

「アイデアを放っておいてビールのように発酵するのを待つ」

という方法です。

「思考の整理学」著者の外山さんは素晴らしいアイデアをビールに喩えながら思考法を説明しています。

ビールを作り出すには、麦と酵素と発酵するための時間が必要です。

人の能力を活かし、素晴らしいアイデアを生み出すためにも同様のプロセスが必要になってきます。

思考の整理学3

文学研究の場合、まず、作品を読みます。
読んでいくと感心するところ、違和感を抱くところが出てくるのでこれを書き出します。

繰り返し心の打たれる部分はより重要です。

この抜き出した部分はビールでいう麦、つまり素材に当たります。

そして、これにちょっとしたアイデア、ヒントを加えます。

作品の中にはないですが、どこにあるかは決まっていません。

時には週刊誌の中にあるかもしれませんし、他人との雑談、読書、テレビ、新聞など、どこに面白いアイデアが潜んでいるは分かりません。

アルコールに変化させるきっかけとなる酵素は素材の麦と同類のものではなく、異質なところにあるように、思いがけないところからのアイデアを持ってくる必要があります。

素材とアイデアが揃ったらどうするか。

アルコールを発酵させるように、しばらくそっとしておく必要があります。

そのことについて、日々考えていけはいけません。

アイデアを”寝させる”必要があるのです。

思考の整理学4

フランスの文豪、バルサックはこうして発酵したテーマについて、面白いことをいっています。

”熟したテーマは向こうからやってくる”

具体的な方法としてはまず、生まれたアイデアを思いついた時にその場で良し悪しは判断せず大量にメモします。

メモをすることによって、忘れても大丈夫という安心感を覚えるので、そのアイデアを放っておけるようになります。

そして、ある程度時間が経ったタイミングでそのメモを読み返します。

不思議なことに、思い付いた時には革新的だと思っていたアイデアが大したことなく感じたり、凡庸だと思っていたアイデアが素晴らしく育っていることがあります。

これがアイデアの発酵です。

時間を置くことで発酵したアイデアは、一度自分の関所を通っているのだから、他の人にも響く可能性は大いにある。

素材を集める、異分野からのヒントを参考にアイデアを生み出す、しばらく放置して発酵するのを待つ。

これが、本書で提案されていた一つの思考法です。

コンピューターには出来ない、人の特徴を使った有機的な思考法ですよね。

皆様も試してみてはいかがでしょうか?

第一次的現実に触れて考えることで汗の匂いのする思考をする


私たちは、じかに接している外界である物理的世界とは別に、知的活動によって、頭の中にもう一つの現実世界を創り上げています。

初めの物理的現実を第一次的現実と呼ぶならば、後者の頭の中の現実は第二次的現実と呼べます。

スマーフォンやテレビ、さらにはVRといった技術は強力な第二次現実を出現させました。これが現代の我々の知的活動を複雑にしています。

思考の整理学5

思考の問題を考えるにあたって、この二種類の現実の違いを無視してはいけません。

従来、ものを考えるというと、第二次現実での思考を意味していました。

本を読む、ネットで調べる、知識のある人の言葉を聞く。
これらは高尚で有効な知的活動のように感じるし、今でも推奨されています。

しかし、第一次現実との関わりが曖昧であることが多いです。

本で書いてあることを実践しても、現実世界では全然違うことが起きてしまうこと、確かに多いですよね

強力な第二次現実に気軽に触れられるようになったからこそ”働くもの””感じるもの”の思考の価値を意識的に尊重していく必要があります。

知識と思考は、””見るもの”と”読むもの”の独占物ではないのです。

思考の整理学6

額に汗を流して働くのもまた独自の思考を生み出すことを見逃しては行けません。

現代のように、第二次現実が第一次現実を圧倒しているような時代においては、あえて第一次現実に着目する必要が大きいです。

本を読むだけ、といった第二次現実から生まれる思考は、抽象的になり、言葉の支持する実態が曖昧になる傾向があります。現実性はいちじるしく稀薄です。

そうならないためにも、第一次現実にもとづく思考、知的活動に注目する必要があります。

現代においては、汗のにおいのする思考がどんどん生まれてこなくては行けません。それを単なる着想、思いつきに終わらせないために、システム化を考えます。それから先は、第二次的現実にもとづく思考と同じです。

真に創造的な思考が、物理的な現実、第一次現実に根ざしたところから生まれることを私たちはもっと肝に銘じる必要があります。

まとめ〜人にしか出来ない思考をするためには〜

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

外山滋比古著「思考の整理学」をヒントに

「コンピューターの時代に人にしか出来ない思考を生む」

1.グライダー人間ではなく、飛行機人間を目指す
2.アイデアを頭の中で放置することで発酵させる
3.第一次的現実に触れて考えることで汗の匂いのする思考をする

の3つの視点を紹介しました。

人の脳はコンピューターと違って、忘れられるし、間違えることが出来ます。そして体と心で思考することも出来ます。

コンピューターのように正確で完璧じゃないからこそ、創造を生み出すことが出来るのです。

「人間らしく生きていくことは、人間にしか出来ない」

この言葉を忘れずに、なんのために思考をしているのか。を常に問い続けることが出来れば、私たちはもっと多くの人が幸せに生きやすい環境を作っていけるのかもしれません。

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