510/1096 【涙と感謝】着てはもらえぬセーターを・・
吾輩は怠け者である。
しかしこの怠け者は、毎日何かを継続できる自分になりたいと夢見てしまった。夢見てしまったからには、そう夢見る己を幸せにしようと決めた。3年間・1096日の毎日投稿を自分に誓って、今日で510日。
(この毎日投稿では、まず初めに「怠け者が『毎日投稿』に挑戦する」にあたって、日々の心境の変化をレポートしています。そのあと点線の下「本日の話題」が入っているので、レポートを読みたくないお方は、点線まで飛ばしておくんなましね。)
510日目、今日わたしは燃えている。新たな目標、新たな挑戦に出会ってしまったからだ!
それがなんなのかというと、連絡を受けたときのレスポンスまでの速度を今よりも格段に早めること。とにかく、即レスを目指す!!
わたしにとってとくに強く意識してこなかったことだった。まったく未開の分野だけれど、いったいどこまでいけるだろう?!いや~この挑戦を思うだけで、ものすごく楽しい気分だ。わたしらしくないけども!(笑)
というのも、仕事上でとても大切(だとわたしが思っていた)なことについての連絡が来ないままになっていて、それがほんとうに驚きで非常に残念だったため、「ああ、これはいかんな」と思ったからだ。
これに対してすごく嫌な思いをしてフラストレーションを感じてしまい、そこから「ハッ・・・!これを機に、自分こそが逆に『即レスの人』になってみるのはどうだろう!」と思いついたのだ。
もうそこからドキドキのワクワク!いや~なんといい思いつきだろう。そして、なぜ今まで思いつかなかったの?!(笑)自分はなんと馬鹿なのだろう!
というわけで、毎日投稿に加えてますます几帳面な人になろうという挑戦が見つかってとても楽しい。自分の足りないところって、楽しむためにあるんだね!さてさて、今日の分も大切に書きましょう!
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ウウウ・・グスン・・・演歌を聴いて泣いている。わたしはたまに気が向いて、演歌や昭和の名曲たちを聴く。イタリアに来たばかりのころは、演歌を聴くたびに日本を思って泣いていた。
日本は飛行機に乗ればパッとたどり着くところだというのに、そのころのわたしにとってフライトで海外に飛ぶということが今よりも遥かに大きなことだったため、祖国日本が遠い遠い幻の国のように思えていたのだった。
もはやおいそれと帰ることはできない、愛しの我が祖国日本・・・・それはちょうど、ビルマにいる水島上等兵にとっての大日本帝国。戦争が終わったことを知らずにグアム島のジャングルに潜伏している最中の横井庄一陸軍軍曹にとっての大日本帝国だったのである。(違)
当時のわたしは、日本を思うと心がセンチメンタル・ジャーニーに飛び立ってしまい、黄金の国ジパング、という言い回しを思い出しただけでメソメソと泣いている有り様だった。
当時からよく聴いているのは、鳥羽一郎兄貴の『兄弟船』、千昌夫大先生の『北国の春』『味噌汁の詩』、八代亜紀の『舟歌』など。
これらを殿堂入りとして、他にも都はるみ大先生の『北の宿から』、高倉健大親分の『唐獅子牡丹』、吉幾三大将の『雪国』、テレサ・テン全般や小林幸子女王の『おもいで酒』、山本譲二の『みちのくひとり旅』、ちあきなおみの『喝采』、『黄昏のビギン』、尾崎紀世彦先輩の『また会う日まで』...だめだ、ここには書ききれないけれど、それらの曲を聴いては郷愁に浸っている。
涙を誘う歌詞やメロディー、そこに漂う哀愁と日本の心・・・それらに酔って涙を浮かべ、「よっ!大将!」「幸子!よくやった!」などと言って、ひとりで拍手なんかしちゃっていた。
しかし・・・最近は演歌を聞いていると、ツッコミが止められない。酔って聴いていたいのに、歌詞への激しいツッコミが浮かんでしまうのだ。
ディスるつもりは少しもなく、今も心から愛する歌たちなのだけれど・・!
たとえばテレサ・テンの『愛人』を聴いていても、
あなたが 好きだから それでいいのよ
たとえ一緒に街を 歩けなくても・・・
ちちち、ちょっと待ったあー!
汝よ、聞きなさい・・・あなたさまは、そのお相手の男性と、一緒に街を歩けなくてもよいのでございますか??ほんとうにそれは、あなたの望んでいることなのでございましょうか?!そんなの、実はちっとも嬉しくなどないような気がいたします・・なんだかあなたさまがとても可哀想な気が・・ご自分を偽っちゃ、いけません・・どうか大切にしてあげてください・・
などと余計なお節介までが湧いてきてしまう。大好きな思い出の曲だというのに・・!
この部屋にいつも 帰ってくれたら
わたしは待つ身の 女でいいの
OH・・・そのお方、奥さまのところにはお帰りにならないのでございますね?!それはそれは・・・もうほぼ半同棲状態ということでございましょう・・・もうだいぶ、略奪済みのような形かと思うのですが・・・
心だけせめて 残してくれたら
わたしは見送る 女でいいの
なんと・・!!いつもその部屋に帰ってきてくださり、さらには出かけるときにあなたのところに心も残していってしまわれるというなら、それはもう、物理的にも精神的にもほぼ独り占めでございましょう!
それから、「見送る女でいい」とはこれいかに・・・!世の奥さまがたも、ご主人が毎日帰ってくるお部屋に住み、いってらっしゃーいと見送っておらると思うのです・・ですからそれは、もうほぼ奥さまの暮らしなのではないのでしょうか・・・
尽くして 泣きぬれて
そして愛されて
このまま あなたの胸で暮らしたい
あの・・誠にツッコミがしつこくてすみませぬことですが、尽くさせて、泣かせて、離婚もしてくれず街も一緒に歩いてくれず、しかしその関係を続けるだなんて、それは・・心底愛されてなどいないのではございませんでしょうか・・・?
と、いうように。素直に聞けばいいのに余計なことを思う、うるさい中年女になってしまったのだ。
都はるみの『北の宿から』を聴いていても、
あなた変わりはないですか
日毎寒さがつのります
あなた変わりはないですか・・・というと、そうですか、しばらくお見えになっていないお相手さまなのでございますね。それはそれは、お寂しいことでございましょう・・
着てはもらえぬセーターを
寒さこらえて編んでます
ウホッ・・・?あの・・・水を差すようで大変お伝えしにくいのですが、着ていただくことができないとご存知なのであれば、せっかくセーターをお編みになってもあまり意味がないのではございませんでしょうか・・・しかも寒さをこらえて・・!あなたさまは今、一体どちらにおられるのでしょう?
女ごころの未練でしょう
あなた恋しい北の宿
待った。ちょっっと待った。北の「宿」・・!あなたさまは、今旅館や民宿などのお宿に泊まっておいでなのですね?!宿で、、寒さをこらえておられる・・・!それはあれです、今すぐにでもそのお部屋のお電話からフロントにつないで、スタッフさんに「あの~寒いんですけど暖房の温度上げてもらえませんか」とおっしゃってみるのが得策かと思われるのですが・・!!
お酒ならべてただ一人
涙唄など歌います
女ごころの未練でしょう
あなた恋しい北の宿
スタッフさんが暖房を効かせてくださらないお宿にて、お酒を並べて涙歌をお歌いになり、着てもらえないとご存知のセーターを編んでおられるのでございますか・・そしてこのあと、「あなた死んでもいいですか」と心で質問し、窓ガラスを鏡代わりに寝化粧までされて・・・・
はい、少し、ほんのちょっとだけね、メンヘラ的な危うい行動ではないかと思うんでございますよね。いえとんでもない、、!よーくわかりますとも・・!それだけお辛い別れだったのでございましょう・・・そしてそういうわたくしめも、昔は同じだけ、いやそれ以上に危うかったのを思い出すと、ああ、この胸がしんしんと痛い・・・(そして切なさ極まるこの曲に、毎度のように涙が・・
こうして古い演歌を聴きながら昔の女を思うと、当時は待って、忍んで、耐えるのが固定的なイイ女の雛形だったのだということがとても切なく思えて、心からの哀れみを感じてしまう。うう、当時の女子たちよ・・・ほんとうに、辛かったのう・・
そしてまた鳥羽の兄貴の兄弟船を聴いていても、「漁業に従事する男兄弟二人が、おふくろさんに楽な暮らしをさせたくて、親父の形見の、古い型の船を使って命がけで真冬の海へ出ていく姿」が描かれていて、やはり胸が痛む。なにより危険極まりないことですし、やはり新型の船舶のご購入を検討されてみてはいかがでしょうかと思ってしまう。
しかし、わたしの父も祖父も漁師をしていたのだけれど、当時の男たちには、今ほど多くの選択肢がなかったのだ。たくさんの男たちが、年老いていく親の生活を支えるため、家業を継ぐために、宿命的に背負った職で身を粉にして働いた。
そんな貧しく厳しかった時代の人々にとっては、「黙って親の跡を継ぐなどして脇目もふらずに働かなければならなかった男」と、「それを忍んで支える女」という関係は、必要不可欠なものだったのかもしれない。そうやって多くの日本人が生き、日本を豊かにし、この世を去っていった。
時代は変わって、わたしたちはもっと多くの選択肢を持てるようになり、男女の関係についての常識も変化している。わたしは、今のわたしたちが、厳しい変革のときでありながらもとてもいい時代に生きているのだと思う。
これまでの日本を支えてきてくれた哀しい男と女の関係に、意図せず感謝が湧いてきてしまった。わたしたちの先祖よ、大変な時代を生きてくださって、ほんとうにありがとう。大変でしたね、ご苦労さまでした・・・
彼らの子孫であるわたしたちは、わたしたちの大変さを楽しく生き抜こう。より気楽に、よりおおらかに。わたしは自分の先祖に、おかげさまでこんなに楽しいよ!!と言えるようでありたいと思う。
というわけで今日は、演歌へのツッコミと、そこから新たに感じた先達への感謝でありました。真面目な記事のつもりだったのだけど、そう見えないかも?読んではもらえぬ記事になっていませんように!(笑)
それではまた、明日ねー!!
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