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映画「ラブレター」を観て

これまでも見る機会はあったと思うけど、邦画はイマイチ興味がなかったので観たことがなかった。ふと観る気になって観てみたら意外と良かった。賞を受賞してるのもすんなり納得。

2人の女性が主人公で、どちらも中山美穂が演じている。1人は恋人を2年前に亡くし、もう1人は彼と同姓同名で実は中学の時3年間も彼の同級生。

前者にはもう恋人のような相手がいる。けど、まだ乗り越えていない。たった2年しか経ってないし。いろいろあって、恋人が中学の時、どうやら同姓同名女子を好きだったのではと思い嫉妬し、一緒にいた彼の母親と涙する。彼は自分に一目惚れと言ってたけど、実は中学の時の同級生と似てるからではと疑う。

このシーンが印象深くなってしまうのは、その前に挿入される中学時代の彼と彼女のやりとりが過不足なく描かれているからだろう。

松田聖子の歌「青い珊瑚礁」が出てくるエピソードがあって、時代感を出したいだけじゃないとしたら、意味がどこにつながるだろうと映画コメントをいくつか読んだら、実は彼は松田聖子が好き(周りには嫌いといってた)ではという意見に一番しっくりきた。当時の松田聖子はショートカットでそれもタイプだとしたら、要は彼にとって彼女は見た目も髪型もタイプだったのだ。中学の時好きだった子はセミロング。

しかし、歌詞の「南の風」が、逆に北を思い描いているなら、違う想像もできる。「ラブレター」の意味からも。こっちのほうが正しい気がしてきた。

いずれにせよ、前者はついに吹っ切ることができ、おそらく現在の恋人と結婚するだろう。後者は、父親と違って回復したので、人の死についてのトラウマを乗り超えたのではと思う。

途中、タイトルはどう繋がるのかと思っていたら、最後にわかった。

いろいろ伏線があり、人の交差があり、それぞれエピソードやドラマがある。鑑賞後感がよい作品。





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