見出し画像

☆本#75、76 チカーノとswan song 「サブリナとコリーナ」カリ・ファハルド=アンスタイン著、「同時通訳者が『訳せなかった』英語フレーズ」松下佳代著を読んで

チカーノとはラテンアメリカ系の人々のことで、「サブリナとコリーナ」の著者はフィリピン人、ユダヤ人、アングロの血も混じったチカーノ一族の出身。

アカデミー作品賞を獲った「ムーンライト」は黒人の低所得者層の抜け出せない世界が描いていたけど、この本でもチカーノへの人種差別、階級差をリアルに描いた短編集。

アングロサクソン以外は非アングロと呼ばれ差別される。デンバーの南部は以前はメキシコ領だったので、そのまま住んでるメキシコ人は移民ではなく正しくは先住民なのに。

デンバーというと、旅行で行った時初めて乗馬した思い出がある。行く途中、出稼ぎ労働者らを見たのが記憶に残っている。彼らは非アングロだった。


通訳者は翻訳者より、プライドが高い印象がある。でもそれは失敗を経験してメンタルが強くなった結果なのかもしれない。

この本で現役通訳27名が訳せなかった単語やフレームを紹介していて結構興味深い。難しい単語じゃなく見知ってるのがほとんど。

Swan songとは、白鳥の歌ではもちろんなく、芸術家などの最後の作品・活動のこと。swanの動詞の意味「堂々と歩く」というのは知らなかった。

中にはなんとなくわかるのもあるけど、通訳本番中はきっと気付きづらいかも。

コロナ禍で外出自粛時、前年より通訳の仕事が激減した著者は何かできないかと考え、通訳仲間に声掛けして、6月末にこの本を出版できた。

2月末に自粛を見越して家で着る服のデザインを増やして展開し、前年より売上を上げたメーカーと同じく、スピーディーに冷静にピンチをチャンスに変えている。


この記事が参加している募集

#読書感想文

191,569件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?