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よりkindであることを選ぶ 映画「Wonderワンダー君は太陽」を観て

両親の遺伝子の影響で、普通とは違う容姿で生まれたオーギー。10歳にして27回も整形しているけど、その容姿でひとに怖がられて友達がいない。ずっと自宅学習。母親もつきっきりで論文を書き終わっていない。
ある日、ついに学校に行くことになる。

てっきり彼のみにフォーカスした感動ものかと思ったら、ちゃんと周りの視点や気持ちも描かれていて、悲劇の主人公に浸りそうなオーギーに、世界は彼だけのために回ってない、と姉が指摘したり、いじめっ子の親が「ああ、あの親だからか…」というようなシーンもあって、多面的に面白かった。

4歳の誕生日に弟が欲しいという姉のヴィア。生まれた弟は大好きだけど、両親は彼中心にまわっていて疎外感を感じる。そんな時、祖母だけが、彼には天使がいっぱいついてるけど、あなたには私がいる、あなたは私の宝物、と言ってくれる。心の支えだったその祖母もいない。次に何でも話せた親友もなぜか休み明けに距離を取っている。

この姉がそんな環境でぐれることなく、親友に詰め寄ることもなく、ただ察して素直に状況を受け入れていておとな。

オーギーのクラスメイトのジャックは、校長に彼と仲良くするよう言われるも、接するうちに賢いオーギーといるのが楽しくなって、元のグループとは離れるようになる。それが面白くないいじめっ子リーダーのジュリアンと話していたとき、つい彼らに合わせてオーギーの悪口を言ってしまう。オーギーが聞いているとも知らず。

子どものとき、そういう嘘をつくことはあるかも。子どもの世界にも忖度は必要だったりするし。

けど、それがばれてオーギーに避けられる。親友の言葉に深く傷ついたオーギーの気分を浮上させたのはヴィアだった。身内の忌憚なき言葉は時に琴線に触れる。

また一人ぼっちになったオーギーに、オーギーをばい菌呼ばわりする友達に辟易したサマーが近づく。子どもの悪口は大人のより悪意はないと思うけど、直球なのでその分傷つく。サマーは学校シーンの最初の頃、格言を読むよう言われた子で、その格言は、If you have a choice between being right and being kind, choose kind. 彼女はこれを実行している。

思うに、人は正しくあろうとすると、むしろ自体が悪化する可能性もある。どちらも自分が正しいと思っているのでたちが悪い。特に戦争...。

学校シーンで、子どもの世界も、結構大変なことを思い出した。

オーギーとジャックは、オンラインゲームで仲直り。ジュリアンが停学中に、ジュリアンの仲間もオーギーと友達になる。彼らもジュリアンがやりすぎだってことには気付いていた。
ジャックが気付いたことのひとつは、どんな容姿も「見慣れる」ということ。確かに、容姿だけでなく、特徴ある声も聞き慣れる。

母親役はジュリア・ロバーツ。青筋立てた力の入った演技をしている。犬の存在もいい味だしてた。

いじめっ子ジュリアンの行動がひどくなって学校にばれ、三者面談するとき、母親が自分がしたと嘘をついたり、寄付金とか学校に知り合いがいるとか軽く脅したり、挙句に息子もいじめられてるとか、ちっとも子どもの悪事を認めない。挙句に、こんな学校を去るという。子どもは焦って学校にいたいといい、校長に悪事を認めて謝る。
最後の終業式のシーンにこの子がいたので、そこはちょっとほっとした。いじめっ子がそうなる原因は、周りの影響力がきっと大。。。。

ベストセラーの原作本があるようで、ちょっと気になる。

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