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☆本#326 意外な展開 「パリのアパルトマン」ギョーム・ミュッソ著を読んで

アパルトマンというと、アパートを想起するかもしれないけど、ここは二人の主人公、アラフォーの、元刑事のイギリス人女性と劇作家のアメリカ人男性が出会う場所であり、元所有者で急死した画家が家族で住んでいた3階建ての家。
この主人公らは、クリスマスをここで過ごそうとネット予約したところ、運悪くダブルブッキングされたことで出会うも、二人の間に恋が生まれる気配はゼロ。結局いろいろあって、個別に急死した画家が残した絵を探し、割とスムーズに見つけ出す。
互いに互いを利用しつつ。
ここまでが中盤、それから、死んだと思われた子供が実は生きていたのでは、という仮説が浮上し、ふたりはアメリカに渡る。女性の方はシングルだけど子供を持つためクリニックに行かなければならないのに。
それでほんとうに予想外の真相にたどり着く。

この本の裏表紙に書かれた要約によると、未発見の遺作3作を探すことが主な印象を受けるけど、最終的には子供を探す展開になる。見つかった場所がちょっと突っ込みどころではあるけど。あと、彼には必要だったかもしれないけど、彼女の方はどうなのかとか。
早い展開、思いがけない真相、それぞれの思惑と過去、いろいろ濃い内容だった。

そういえば、日本人が出てきたり、意外なトピックでアラーキーが出てきたり、ウォン・カーウェイの映画の挿入歌の注釈があったり、アジアに関することがちょくちょく出てきた。違う本では、村上春樹の引用もあったし。

元刑事の女性がなぜ刑事を辞めることになったのか、の話の本もあるようなので、それも読んでみたい。


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