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☆本#374 理不尽かどうか「アリスが語らないことは All the beautiful lies」ピーター・スワンソン著を読んで
大学の卒業式が間近なハリーのもとに、4年前に父と結婚した後妻のアリスから連絡があり、その父が死んだという。
彼が急いで帰省する現在と、ティーンのころのアリスの話が交互に続く。
ハリーは実は、美しい義母に性的に惹かれていた。そして、10代のアリスは男性を惹きつけ、その一人がアリスの母親と結婚したアリスより30歳ほど年上のジェイクだった。アリスのアル中だった母親がある日酔っ払って亡くなった後、二人は密かに付き合い、幸せなひと時を過ごす。が、アリスの友人の死の真相への誤解から結局別れる。
現在で、アリスはハリーに、父親が浮気していたことを話す。けど、その女性とは違うひとが葬式にきて、本当は彼女が浮気相手だったことをハリーは知る。
が、彼女は何者かに殺されてしまう。
読み進むと途中から犯人はわかり、父親の死についても真相はわかるけど、最後に思いがけない展開を迎える。
読み終わったとき、アリスはいわゆるファムファタル(運命の女)でその存在がある男を狂わすけど、最後の展開はちょっとフェアじゃない気がした。が、ちょっと普通と違う感性というか感情というか、それを踏まえると結末はしょうがないような、やはり理不尽なような。
彼女の特徴的考えは、死にそうな人が側にいて、自分しか助ける人がいなくても助ける気を持たない、とか。他の人と比較すると常識に関して基準が違う。彼女の本意は明白なようで、そうでもないような。とはいえ、ちょっともやっとする結末だった。
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