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☆本#225 「浮遊霊ブラジル」「とにかくうちに帰ります」津村記久子著を読んで

どちらも短編集。前者も後者も表題作がよかった。

前者の表題作は、町内会で海外旅行に行こうとしていた高齢者が行く前に心不全で亡くなり、遺恨が残ったため成仏できず、なんとかひとまず遺恨を解消しようと行く予定だったアイルランドへ行く話。
なんだけど、途中から彼が憑依した青年の新たな一歩が描かれていて、ある意味切り替わって主人公が薄れていって、最後成仏し、読後感がよかった。

後者の表題作は、語り手が変わり複数の思惑が交差する、とある緊急事態の日の出来事が描かれているけど、著者の世界観が出ていて、どいつも基本的にはいいやつだし、優しい気持ちになる、感じ。

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