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☆本#68 つい一気読みしてしまった「この先には、何がある?」群ようこ著を読んで

著者が物書きの仕事始めてから2018年ごろまでのことが書かれたエッセイ本。

この先

すでに読んで知ってることもあったけどそうでないこともあり、面白くて読みやすくて一気に読んでしまった。それはいつものことか。

共感できない話もたまにあるけど、著者の本を読みたくなるのは、いつも正直で赤裸々だからだろうか。著者に降りかかる不思議な出来事も面白かったりもするけど。

基本的に物欲のある人ではないと思うので、そこも共感する。たぶん興味のあることにはそれなりの投資、というか消費をしているようだけど。そういえば、別の本で断捨離的なことについて書かれていた時、そうとうのモノ持ちという印象を持った。どうやら何か壊れた時、それを棄てないまま新しいものを買っていた的なことが原因だったようだけど。

長者番付常連だったのに、母弟の家のために貯金残高が数十円となった年があり、書き続けるしかなかったようだけど、このまま長く書き続けて欲しいな、と思う。

お金のあるひとというと、例えばスティーブ・ジョブズとかさくらももことか、病気になって亡くなったひとが思い浮かぶ。フォーブズの資産家ランキングでトップにいるひとたちは、例えばオマハの賢者 ウォーレン・バフェットは先月90歳になったようなので、お金と病気の相関関係はなさそうだけど、お金は入ってきて、それなりに出ていく流れがあるほうがバランスが取れているような。そういえば、資産家って募金とか、そういう会社を設立してるひとが多いし。

この本を読んでいて、亡くなった作家を久々思い出した。今略歴見直したら芥川賞候補に数回なっていたことを知った。これは、審査員数名の好みの文章じゃなかったに違いない。個人的見解ではあるけど、審査員に限らず、読者ってそれぞれの基準と好みがあるのではと思う。好みはともかく、基準がそれぞれ違っていて厳しそうな気がする。

それと、新潮社の親方とのエピソードもちょっと印象的。ここ数年で親方の存在を知ったんだけど、笑い方が豪快でついつられてしまう。笑いにパワーがある人だ。事実婚の相手を「とおちゃん」というのはてっきり「父ちゃん」と思ってたけどもしかして名前からだったのか!?という気がしてきた。

著者が覚悟していた通り、徐々に連載は減ってきて、新人作家が増え、出版界も変わり、編集者も減ってきた(営業希望のほうが多いとか)ようだけど、この10年ぐらいに書かれた小説の世界観は好きだし、しばらく読んでない時期もあったけど根本的なところは変わってないなと思うので、それをそのまま維持してほしいな。と、一読者として思った。



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