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サンフランシスコ→シカゴ引っ越し日記

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2021年の夏、サンフランシスコからシカゴへ引っ越しました。一瞬で過ぎ去る気持ちの備忘録です。
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#育児

冬の足音が聞こえてくる

冬の足音が聞こえてくる

ガソリン補給を促すランプが点灯し、スタンドへ立ち寄った。羽織りカーディガンの隙間から冷たい風が入ってくる。

忙しなく行き交う車をぼんやり見つめながら、身を縮めて給油の終了を待つ。携帯のお天気アプリには一桁の最低気温が並び、いよいよ本格的に訪れそうな冬の気配に構えた。

近頃、息子が描く絵の木々は、赤や黄色の葉っぱで彩られている。年中温暖なカリフォルニアで生まれた彼にとって、今年は初めて四季を濃く

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寂しさは温もりをもらった証

寂しさは温もりをもらった証

未練は、街よりも人に強く残るらしい。

マリナ油森ちゃんが宿泊しているエリアまで会いに来てくれた。一度日にちを決めたが、うちの次男がかるく風邪を引いてしまい、断念した約束。おかげさまでリベンジできてうれしい。

待ち合わせ場所のスタバはホテルから歩いて行ける。外はあいかわらずの快晴。日陰のテーブルに身を置く。最近どうしてる?を皮切りに、いまの書くスタンスやnoteまわりで思うことなど、つらつらと話

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遅れてきた感傷とレモンの木

遅れてきた感傷とレモンの木

物事に対して現実味を感じづらい。そう気付いたのはいつぐらいだっけ。

あんたってみかんに似ているよね、とうちのお兄ちゃんは言った。みかんは柑橘のほうではなく「あたしンち」という漫画に出てくる女の子のキャラクターのこと。

いつも空想に耽っていて、ふわふわした思考の持ち主。注意力が散漫。うっかりが多い。鍵や財布、パスポートを失くしたエピソードに事欠かない私をよく知っている兄上ならではの見解だ。

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