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しょうゆうこと

日本の食材を買いにアジアンスーパーへ行くのは面倒だ。バスやトラムに乗って遠いところまで買い物に行くのが面倒な時、二十分以上歩いて買い物に行くのが面倒な時、でもどうしてもしょうゆが欲しい!そんな時、私は近所のオーガニックスーパーへ行きます。普通のスーパーでも小さな瓶入り赤キャップのキッコーマン醤油は買えるけど、同じキッコーマンを買うならアジアンスーパーで大きなボトルの一リットルサイズを買いたい。

なんとなく、私の中の小さなこだわり。

だから、今ちょっとだけしょうゆが欲しい!そんな時は近くのスーパーのキッコーマンではなく、オーガニックスーパーが扱っているしょうゆを買う。

雲がどんよりと低い午後、今にも雨が降り出しそうな天気。家にしょうゆがないことに気が付いた。あぁ、しょうゆ。今日はニンジンの炒め物を作ろうと思っていた。塩だけでもいいけどしょうゆがあった方が、きんぴらっぽくていいよなぁ。なんて考えだすと、口がもう砂糖醤油の甘じょっぱいのを求めて止まらなくなってしまった。

こんないつ雨が降り出すか分からないような天気の時に、遠くまで買い物には行きたくない。ちょうど薬局へ行く用事があったので、近所の薬局の隣にあるオーガニックスーパーへ寄ってしょうゆをゲットすることにした。

普段はNATURALIA(ナチュラリア)というMONOPRIX(モノプリ)系のフランス全土で展開している超メジャーなオーガニックスーパーを利用していて、そこで売っているしょうゆは何度も使ったことがある。普通のしょうゆと減塩しょうゆ、それとたまりの三種類があって、私が普段買うのはたまり。普通のしょうゆはしょっぱい気がするし、減塩しょうゆはちょっと物足りない。すると、自然と私のチョイスはたまりになる。

関西出身だけど、薄口しょうゆは使ったことがない。実家でもいつも普通のしょうゆを使っていた。まあ両親が田舎育ちで甘党だからというのがあるかもしれないけれど、薄口しょうゆはしょっぱ過ぎる。出汁を取って塩で良い加減に味を付けたら最後にサッと少量のしょうゆで風味をつける。しょうゆは風味。しょうゆで味をつけようとしない料理の仕方が私のやり方。

オーガニックスーパーのたまりは日本のたまりよりサラっとしていて、どちらかというと濃い口しょうゆに近いから、私にとっては使い勝手がいい。

薬局の隣のオーガニックスーパーはいつものNATURALIAではなくてBIOCOOP(ビオコープ)。普段見かけないブランドの商品が置いてあったりして、ちょっと新鮮な感じがする。ほんでもって案の定、しょうゆ売り場にも普段見かけないラベルのラインナップがありました。

しょうゆ、減塩しょうゆ、たまり、甘いしょうゆ、テリヤキソース、タイのソース、日本のソース、ネム用ソース・・・後半はもはやしょうゆではなくなっていますが、左右をキッチリしょうゆに挟まれて陳列されていたので、くくりとしてはしょうゆなのでしょう。

日本のソースのボトルの中にゴマが浮かんでいるのがなんとも不思議な感じがしたけれど、ネム(ベトナムの揚げ春巻き)用ソースと同類の、合わせ調味料的なものだと推測される。タイのソースに至っては、ニンニク入りでちょっと辛いとだけ書いてあって、しょうゆと同じくらい濃い色の液体の何がどうタイ風なんだかさっぱり分からない。

テリヤキソースと甘いしょうゆの違いも気になるところだが、まあ細かいことはさて置き、私はたまりを買った。もちろん。

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パスタの売り場の前を通りかかったら乾麺が売っていたのでそれも買った。

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という訳で、ニンジンの炒め物をやめて急遽、焼きそばを作ることにした。しょうゆとハチミツ、ガーリックパウダーとジンジャーパウダーを加えて乾麺で焼きそば。最後に目玉焼きを乗せれば完成。いいじゃんいいじゃん。

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家にあった干しシイタケとニンジン、それと玉ねぎ。色どりはイマイチだけど味は良し!現実の家庭料理ってこんなものよ。

前にどこかで書いたかもしれないけれど、私は料理が得意ではありません。凝ったものが食べたければレストランへ行けばいいと思っている。だから家で食べるものはたいてい即興。焼きそばに定番のキャベツがなければ入れないし、他のものがあれば入れたりする。ソースがあればソース焼きそばにするし、なければ別の味にする。

でも今日は、甘じょっぱい系の口になっていたので、しょうゆは絶対に欠かせなかった。

しょうゆうこと。

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