勇者を称する言葉(葬送のフリーレン)
葬送のフリーレンのアニメを毎回楽しみにしている。もちろん本編も楽しく見ているのだが、私はヒンメルというキャラクターが好きなので回想シーンで彼が出てくるのを待っている。既に故人である彼のエピソードは常にきらっとしていて、名言含め毎回ぐっとくるものがある。
今日はこの勇者ヒンメルについて語ってみようかと思う。
アニメ22話の台詞のネタバレがありますのでご注意下さい。
死してなお物語の根幹に関わり続けるヒンメルはとても魅力的なキャラクターだ。自分のことを堂々とイケメンと言ってのけるし、銅像を作るためのポーズを何時間も悩むほどのナルシスト。一方でお人好しなところもあり、人助けをどんどん引き受けるせいで冒険の歩みが遅れていくこともしばしばあったようだ。
だけどそれが「自分の存在を覚えていてもらいたい」という理由だったことがアニメ22話で判明した。それはフリーレンに対しての「君が未来で一人ぼっちにならないようにするためかな」という台詞ともつながっているように思う。
ヒンメルはフリーレンに対して時折ロマンチストな一面を見せる。鏡蓮華の指輪を渡したシーンは特にそういった印象を持った。ひらりとマントをはためかせてフリーレンの前にひざまずいたヒンメルの姿はとても優雅で美しかった。そんなヒンメルとフリーレンの過去を見るたびに、二人の関係性をもっと知りたいと思ってしまう。
先日ヒンメルについて話す機会があって、相手の方が「ヒンメルってキザですよね」というようなことを口にした。私はキザという言葉に良いイメージを抱いていなかったので驚いた。けどその人は嬉しそうに話すのでヒンメルのことが嫌いなのではなく、むしろ好印象を抱いているのがわかった。
私が抱いていたヒンメルのイメージは上記の通り「ロマンチストでナルシスト」程度のものだったので、同じキャラクターのことを表現していても違う言葉になることが面白いと感じた。確かになるほどと思ってしまう表現ではある。けど同じヒンメル好きとしてはどうしてこういった言葉が出てきたんだろうと思った。
人は興味のあるものや人物に対してもっと詳しく知りたいと感じる。それがアニメだった場合には何度も同じ回を見直して深く考察する人もいるだろうし、台詞などを鮮明に覚えてしまうこともある。キャラクターの実態をとらえようともする。実際にイラストを描いたりと創作する人もいる。
これは作品やキャラクターに対しての愛情表現だろう。そう考えてみれば先程の「キザですよね」と発言した人も、もしかしたら私よりずっとヒンメルというキャラクターが好きなのかもしれない。愛情表現がみんなまっすぐな言葉とは限らない。恥ずかしさがあったりして茶化してしまう人もいる。
欠点から好きになっていて「ちょっと抜けている所が良い」と言ったとしても悪い意味でないこともある。そういう愛で方もありだと思っている。シュタルクなんかはその類に入るのではないだろうか。
私の場合シュタルクのことを好きになったきっかけは欠点ではなかったが、何となくそんなことを考えたりした。もしかしたらヒンメルのことを「キザだから好き」という人もいるのかもしれない。だけど人によっていろんな愛し方があって当たり前。それはそれで愛なんだろう。
アニメはどうやら一級魔法使い試験編までのようなので、今後のフリーレンとヒンメルの二人についての展開は二期を待つしかないのかもしれない。魂の眠る地(天国)にて死者との会話ができるということはヒンメルの気持ちがわかる日が来るのかもしれないと思って、今からわくわくしている。多少首が伸びるかもしれないけど、大人しくその日を待つとしよう。
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