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【読書感想】絶対忘れない勉強法/堀田 秀吾

「絶対忘れない勉強法」こちらの本、読みました。

本書の著者である堀田 秀吾さんの本は今回で3冊目となります。
過去2冊の読書感想をリンクしておきます。

今回は勉強法の本です。
これまで読んだ堀田さんの本と同様、「世界中の科学的研究から導き出された」内容なので納得感がありました。


本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

勉強しても「頭に入らない」「忘れてしまう」「集中できない」「やる気がでない」「すぐ飽きてしまう」だから「勉強はどうも苦手だなあ……」そう思っていませんか?
実はそれ、勉強のやり方が間違っているからなんです。
本書では、脳科学、心理学、教育学、言語学など、世界中の科学的研究から導き出された、知らないと損する門外不出の44の方法を一挙ご紹介します。最強のインプット法&アウトプット法がわかります。

こんな感じの本です。

記事の冒頭でも書きましたが、「世界中の科学的研究から導き出された」内容なので納得感がありました。

著者情報

本書の著者である「堀田 秀吾」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。

いくつか引用と感想

学校では、勉強は教えてくれるけれど、勉強法は教えてくれません

学校では、勉強は教えてくれるけれど、勉強法は教えてくれません。
学校で正しい勉強法を教えてくれれば、みんなもっと勉強が好きになっただろうし、勉強で悩むこともなくなるんじゃないか、と個人的には思っています。先生も教えやすいし、学生も勉強がやりやすくなる。落ちこぼれだって生まれないかもしれません。みんなが幸せになるんじゃないかな。
ただ、今現在のところ、絶対的に正しいといえる勉強法はきちんと確立されていないんですね。勉強法を教えてくれる本はあるし、そういうスクールもあると聞きます。けれども、それが本当に科学的に正しいのか、となると、ちょっと怪しい。
そこで、私は、記憶術や適切な学習スケジュール、モチベーションの高め方など、勉強に関する世界中の科学論文のリサーチをスタートしました。心理学、脳科学、教育学、言語学など、勉強に関わる幅広い分野を網羅したつもりです。

「はじめに」から引用してみました。

学校では、勉強は教えてくれるけれど、勉強法は教えてくれません。

これは「たしかになぁ」と思いました。

私は勉強法の本を読むようになったのは社会人になってからです。
学生の頃より、社会人になってからの方が勉強が楽しい気がします。
その要因の1つに「勉強法を知る前か後か」というのはあるかなと。

学生の頃(勉強法を知る前)は、詰め込み型の勉強といいますか、ひたすら時間を費やして勉強していた気がします。
ひたすら時間を費やすスタンスだったので、楽しいというよりかは、なんというか義務的な感じでした。

社会人になって勉強法を知ってからは、比較的楽しく効率的に勉強できている気がします。
様々な勉強法を試行錯誤しながらではありますが、自分に合った勉強法を見つけていく過程も楽しいなと思っています。

そして引用にもあるように、本書は「勉強に関する世界中の科学論文のリサーチ」したうえで書かれいます。
なので納得感のある内容が多いです。

「誰かに教えるつもり」で学ぶとインプット力とアウトプット力が抜群に上がる

せっかく覚えても、覚えたことが頭の中で整理できていなくて、ごちゃごちゃのままでは、記憶に定着しません。
あなたには、自分が学んだことを誰かに教えようとして、うまく説明できなかったことはありませんか?「人に教える」という行為は、しっかりと内容を理解してインプットした情報を整理していないとできません。
実は、「後で人に教える」という意識を持って勉強すると、それだけで学習効果が上がります。
(中略)
「教える」というのは、自分の持つ知識や技術を学ぶ側に一方的に伝える作業に見えるかもしれませんが、学ぶことと教えることは表裏一体です。私は学生時代の塾の講師のアルバイトも含めると30年以上も「教える」仕事に携わっていますが、教えることは学ぶことだと常に痛感しています。
教えるためには、内容をしっかりと理解する必要がある。学ぶ側からの質問でも新たに学ばされることも少なくない。また、教える行為そのものに、頭の中を整理して、自らの理解を深める効果があると感じます。

引用の(中略)部分では、研究データの詳細が書かれています。
そこを引用すると長くなってしまうため、割愛しています。
詳しく知りたい人は本書を読んで頂ければと。

一応ネットで調べてみたところ、同じような内容がヒットしたのでリンクしておきます。
(というか、リンク先も著者による記事のようです)

「誰かに教えるつもりで学ぶ」というのは、もう少し広く捉えて「アウトプットする前提で学ぶ」でも効果が期待できるかなと思っています。

そのことに関して、以前書いた記事で引用しています(以下リンク)。

【読書感想】「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 - 21位:インプットしたら必ずアウトプットする

上記の記事ではアウトプットの方法として、「問題を解く/テストを受ける/人に教える/発表する、など。」が挙げられています。

実際に誰かに教える前提で勉強するのが一番効果がありそうですが、「問題を解く/テストを受ける」あたりも一定の効果がありそうです。

「誰かに教える」は効果がある反面、誰かを巻き込む必要があります。
一方、「問題を解く/テストを受ける」は自己完結なので手軽で良いかなと。

忘れない一番の方法は脳に重要だと認識させること

「この間まで覚えていたけど、忘れちゃった」
「肝心なときに、出てこなくなる」
せっかく勉強したのに忘れてしまうのは、本当に困りますよね。
まず、「覚えられない」と、「一度は覚えたのに忘れてしまう」現象について話しましょう。
これは、「短期記憶」「長期記憶」の違いになります。
短期記憶は、脳の海馬で一時的に記憶されます。そして、その情報が大脳新皮質に送られることで長期記憶となります。
この作用は、すべての情報に共通するわけではなく、短期記憶の時点で、海馬が情報の重み、つまり重要さ加減を判断して、重みがある情報ほど、強固な記憶として大脳新皮質に送られ、長期記憶となります。
逆にいえば、海馬が重要な情報ではないと判断すると、大切な勉強の内容でも、長期記憶に定着しにくくなってしまうのです。
(中略)
記憶というのは、筋トレに似ています。
「ここは重要」と自分に言い聞かせ、「これは覚えなきゃ」と何度も繰り返すことで、筋トレで筋肉が強く太くなるように、記憶も強化されます。そして、復習するときも、脳にとって印象深いものにすることを意識すると、より忘れにくい記憶になります。

「これは重要だ」と意識しながら勉強するのは、何気に大変かなと思います。
重要な項目もたくさんありますし、重要度の見極めや判断を逐一するのも大変かなと。

なので、脳に「これは重要だ」と認識させるには復習を繰り返す。何度も反復する。
反復すれば強く意識する必要もなく、脳が勝手に「これは重要だ」と認識してくれるかなと思っています。

ちなみに、以前書いた記事でも「復習」に関して引用しています(以下リンク)。

【読書感想】「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 - 1位:繰り返し復習する

上記の記事の本はランキング形式なのですが、「繰り返し復習する」が1位でした。
それほど復習が大事、ということかなと。

自分含め、復習することの大切さを実感している人は多いかなと思います。
そこから更に、引用にあるような記憶の仕組みもついでに把握しておくと、勉強がより捗ったりするかもなと思いました。

「テスト形式」のアウトプットで短期記憶を長期記憶へ深化させる

せっかく勉強するのだから、勉強したことを絶対に忘れないようにしたい。これは、勉強している人なら誰しもが思うことですよね。
(中略)
忘れないように短期記憶から長期記憶へ移行するには、海馬に重要な情報だと感じさせることが大切です。そして、その方法論としては、資料をただ読むよりも、思い出そうと真剣に考えるテスト形式が明らかに有効であるといえるでしょう。
もちろん、テストで正解を答えるためには最低でも一度覚えなければいけないので、教科書や参考書などのテキスト、資料をあたることは必要不可欠です。
その上で、復習をするときは、テストという実戦形式も導入しましょう。
テストをすれば「自分が今どれだけ覚えられているか」ということを確認できるし、テスト結果を見て、「これはもう忘れないだろう」と確信できれば、この実験のグループBのように、以降の再学習は割愛することもできます。
無駄に使う時間がなくなれば、おのずと勉強の効率がアップしますよね。

引用の(中略)部分では、研究データの詳細が書かれています。
それを引用すると長くなってしまうため、割愛しています。
詳しく知りたい人は本書を読んで頂ければと。

ネットで調べてみたところ、同じような内容がヒットしたのでリンクしておきます。

アウトプットの件は、2つ前の引用でも触れました。
その際は「誰かに教えるつもり」で、アウトプット前提で学ぶメリットなどに関して書きました。
更に「問題を解く/テストを受ける」方法も良さそう、という感じで書きました。
で、今回の引用がまさにそれですね。

引用に「資料をただ読むよりも、思い出そうと真剣に考えるテスト形式が明らかに有効」と書いてあります。
今振り返ると、学生時代の勉強では資料(教科書)をひたすら読んだり書いたりする時間が多く、テスト形式(アウトプット)の時間が少なかったかもなと感じました。

資料をひたすら読む方法でも記憶していくことは可能かもしれません。
ですが、テスト形式を多めにした方が記憶するには効率的かなと。

学校で用意された教材のことを思い出すと、テスト形式を多くするのはなかなか難しいことかもしれません。
ですが工夫次第で、テスト形式を多くすることはできたかなと、もう少し効率的にできたかもなと、今さらながら思いました。

緊張で心臓がバクバクするのは、実力発揮準備万端のサイン

試験本番。緊張度もマックス。
ちゃんと実力を発揮できるのか、不安が押し寄せてきます。
もちろんそうならないように準備できるといいですが、本番当日に緊張や不安から心拍数が上がって心臓がバクバクしてきたら、自分では止めたくても止められません。それが焦りにつながって、パフォーマンスが下がることもあります。
そこで、そんなときの特効薬になりそうなのが、ハーバード大学のブルックスが提唱する対処法です。なんと、「私は不安だ」という気持ちを「私は興奮している」と自分に言い聞かせるだけでいいというのです。
(中略)
私たちは、緊張しているときも、興奮しているときも、心臓がドキドキします。どちらも体の反応としてはほとんど同じなのです。
体としては、ドキドキしているのはエンジンがかかっている状態ですから、大事な勝負の前でドキドキしているときには、無理に落ち着こうとするよりも、「私は興奮している」「私はワクワクしている」と自分に言い聞かせることで、脳は体が興奮ていると勘違いしてパフォーマンスがよくなるというわけです。
この研究のポイントは、「不安」を「興奮」と捉え直すことです。
脳はリラックス状態よりも興奮状態にあるほうが、ポジティブな状態です。ブルックスによれば、不安な状態からリラックスした状態に落ち着かせるよりも、不安な状態から興奮状態に移行したほうが効率的だということです。
ちなみに、不安から興奮へのポジティブ変換は、声に出さなくても、心の中で行うだけでも効果があるそうですよ。ピンチはチャンスに!

先ほどと同様、引用の(中略)部分では、研究データの詳細が書かれています。
それを引用すると長くなってしまうため、割愛しています。
詳しく知りたい人は本書を読んで頂ければと。

ネットで調べてみたところ、同じような内容がヒットしたのでリンクしておきます。

試験本番で緊張せずに、実力が100%発揮できるのが理想的ですよね。
それが理想ですが、試験当日の会場の雰囲気に呑まれたり、試験当日に限って交通機関の遅延があったり、お腹をくだしてしまったり、色々あるかなと思います。

事前の対策としては、会場までのルートを確認しておくとか、会場がどんな感じが下見するとか、試験会場の近くに前日から泊っておくとか、こちらも色々あるかなと思います。
もちろん試験の種類にもよりますが。

そういった事前対策もありつつ、どうしても緊張してしまうことはあるかなと思います。
そういう時に、「不安」を「興奮」と捉え直すのが効果的とのこと。
心の中で行うだけでも効果があるそうで、手軽なのも良いですね。

これがどれほどの効果を発揮するかは試してみないと何とも言えませんが、緊張する場に遭遇したら試してみようと思います。
ちなみにこのテクニックは試験本番の時以外にも、プレゼンの当日とかでも効果を発揮しそうですね。

「科学的」なもの対するスタンス

本編でも少し触れましたが、この本の最後に、「科学的」なものに対する私の考え方について、みなさんに少しお伝えできればと思います。
(中略)
科学的な研究から導き出された結論が、唯一絶対の正解とは限りません。科学的だと認められたものであっても、後に間違っていたと否定されることや、1つの結論に至らず、研究者たちの間で意見が割れるものも少なくありません。それどころか、後世では不正解とされることもあります。科学を信じないのも問題ですが、科学を盲信するのもよくないんですね。
研究は、常に進化しているものなのです。
私がお伝えしたいことは、「科学的な研究の成果」の使用上の注意みたいなのです。「科学的な研究の成果」がどういう性質を持っているものなのか理解していただいた上で、本書で紹介したような、現時点で「科学的に効果がある」あるいは「科学的に正しい」といえるメソッドをいろいろ試していただければ、と思っています。

「おわりに」から引用してみました。

本書の著者である堀田さんの本は、世界中の科学的研究データを基に書かれていることが多いです。
堀田さんの本の読書感想は今回で3冊目ということもあり、せっかくなので引用してみました。

引用にもあるように、科学的研究データを盲信してそうな人、全く信じてなさそうな人、どちらもたまに見かけます。
主に見かけるのはSNSとかなので、極端な例かもしれませんが。

私はどちらかというと、科学的研究データを基に書かれた本を読みがちです。
なので、科学的研究データを盲信してしまう可能性はありそうだなと思いました。

ということで引用にもあるように、本書で知ったメソッド(勉強法)を試してみるにしても、本当に効果があるか若干の疑いを残しつつ試してみる。
試したメソッドの中で自分に合ってそう、効果を感じれるものはそのまま継続。
あまり自分と合わなかったり、効果を感じられなかったらサクッと引き返す。

そういったスタンスを忘れないようにしたいなと思います。

おわりに

ということで「絶対忘れない勉強法」に関してアレコレ書いてみました。

今回の記事で引用したのは、

  • 学校では、勉強は教えてくれるけれど、勉強法は教えてくれません

  • 「誰かに教えるつもり」で学ぶとインプット力とアウトプット力が抜群に上がる

  • 忘れない一番の方法は脳に重要だと認識させること

  • 「テスト形式」のアウトプットで短期記憶を長期記憶へ深化させる

  • 緊張で心臓がバクバクするのは、実力発揮準備万端のサイン

  • 「科学的」なもの対するスタンス

の6つでした。

本書は、以前記事にしたブックガイド的な本で知りました。

【読書感想】いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本 - 絶対忘れない勉強法

勉強法の本は、著者自身の成功体験から書かれるものが多い印象です。
それに対して本書は「世界中の科学的研究」を基にして書かれており、一歩引いた目線で書かれている印象で新鮮でした。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

「勉強法」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。


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