母の料理
「懐かしいね〜」と妹と盛り上がる話のネタの一つに、「母が作ってくれた料理」があります。
当時は何気なく食べていたものが、今となると愛おしく感じられます。
○真っ黒のラスク
小さい頃、私は妹と外でよく遊んでいました。家の駐車場でピクニックみたいにレジャーシートを敷いて。それだけで、子どもながらに特別感がありました。遊んでいる中に、袋を一つ持った母が登場。袋の中には真っ黒なパンの耳。妹たちは大喜びです。真っ黒の正体は、揚げたパンの耳に砂糖をふりかけた、母特製の簡単ラスク。
貰うとすぐに真っ黒に焦げていないところを求めて争奪戦がスタート。勝ったときには、口いっぱいに砂糖のほんのりとした甘さが広がります。この甘さが格別。
「遊んでいる私たちのことを想って、急いでおやつを作ってくれたんだろうな」 妹とこの話をするとき、私はそんな風に思うんです。でも、妹は「いつも焦げてて真っ黒だったよね〜。」と。本当にびっくりするくらい真っ黒なんですけどね。とりあえず揚げておけ!という母らしさが溢れているおやつです。
○いつも大学芋
幼なじみの友だちが遊びに来ると、母は決まって大学芋を作っていました。しかも、大量に。味はとても美味しいので、出てきたときは嬉しさいっぱい。
でも、出てくるタイミングが謎。「もう帰ります〜」という友だちの言葉をするりとかわして、大皿にのった大学芋が現れます。あれ、夕ごはん前だよね。
「おやつのレベルを超えているじゃん!」と、心の中では思うものの、笑顔の友だちを前にその言葉はしぼんでいきます。
さつまいもをたくさん頂く機会があり、自分でも大学芋に挑戦したことが何度もあるのですが、母のような味にはならず。恐るべし、母の料理。
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