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音楽の価値を考えた。

実家の裏の空き地にネコが寝に来るのを、毎日チェックすることが趣味になりつつあるホリイケです。

といいつつも、そのネコちゃんは週に一回くらいしか来てくれないんですけど(笑)

ひたすら待たされ続けています。

さて私は無類のヒップホップ(国内メイン)好きなのですが、最近とあるラッパーがとんでもない方法でファーストアルバムをリリースしたことが私の中で話題になりました。

Who’s Qiezi Mabo

そのアーティストの名は、Qiezi Mabo 。

チェズマボと読みます。彼(ら?)は覆面アーティストでその素性はほぼ明かされていない謎の人物です。

InstagramのBioにも「Qiezi Mabo is you. But you are not Qiezi Mabo.」とあることから、”Qiezi Maboは概念”である説を提唱している人もいます。

https://youtu.be/yT36p3aK1AU

上記のWho’s Qiezi Maboという動画を見ても「変態の集まり」だの「正体は誰でも良い」だのと言われる始末で、結局よく分かりません。今は私も、チェズマボは概念である説が1番しっくりきています。

そんなチェズマボが最初にアルバムのリリースを示唆したのは2019年の夏頃。Instagramの投稿でした。

そこから色々あり延期に延期が重なり、2020年4月にファーストアルバムを5月にリリースすることが発表されました。

これには全私が大歓喜!!!!!!

以前からYoutubeに上がっているチェズマボのライブ映像で大好きになった曲があり、これが音源で聞ける日が来るんだ!と自粛疲れのストレスも吹っ飛んだのを覚えています!笑

と喜んだのもつかの間。

その後解禁された情報で私は奈落の底に突き落とされます。

まさかのオークション形式

なんとオークション形式での販売。

なん...だと...

前代未聞のオークションは5月5日〜13日(水)までの間に9回実施され、各回の終了時の入札金額の上位9名だけが商品を購入できる仕組みとなっている。また、トップ落札者には各回で異なる特典もプレゼントされる予定だ。入札が殺到する予感!

入手できるのはまさかの81人のみ...

リスナーは試されている...のか...?

さらに追い打ちをかけるように

※現時点でCDの販売、サブスクリプションでの公開予定はありません。

オワタ。これはオワタ。。。

私は世界一貯金できない女。初任給もまだなので最高で2万円が限度です。

とはいえ日本語ラップはまだまだニッチな界隈。

通常、この界隈でアルバムは2千5百円から3千円くらいが相場です。

さらにTwitterでエゴサしてもチェズマボについてツイートしてる人は少なかったこともあり、もしかしたら高くても1万円くらいでいけるのではないか。スーパーポジティブ女の私はそんな期待をしながら、オークション初日を迎えました。

しかし...

初日から最低6万6千円超えのアルバム

オワタ。これはオワタ。。。(パート2)

これにはもう言葉も出ません。リスナーみんなブルジョアかよ。

その後8日間も変動はあったものの4万円を下回ることはありませんでした。

最低額の平均だけ取っても約5万円。

単純計算で少なくとも5万×9人×9日=405万円のお金がチェズマボに入ったことになります。

これはスゴい。

405万円を相場の3000円で販売しても1350人に売らなければ到達しない額です。

今週の週間アルバムランキングを見ても3位のヒゲダンですら4千枚。

(オリコンランキングより)

それに今はサブスクなどの浸透もあり、今回のような形でなければ405万円という額を9日間で出すことは難しいのではないかと思います。(サブスクは1再生1~2円が相場)

賛否両論あったものの短期間でこれだけ稼いじゃったらチェズマボの勝ちですね笑

音楽の価値を考えさせられたリスナーたち

結局落札はできずに指をくわえたままの私ですが、なんだかんだいってこの企画を楽しんで見ることができました。

だってジョークみたいな存在のラッパーがジョークみたいなことをして、アルバムの値段をお前らの価値観でつけて良いよって言ってるんですもん。

もちろん私含め、このオークションに参加した人たちは本気でチェズマボの音楽を聞きたがっている勢です。

音楽を聞きたい気持ちの強さとプレミア度を加味して、自分が出せる限度額を決め入札します。

またチェズマボは、音楽は価値あるものなのでお金が無い人は手にする権利がないということと、お金があれば手にすることができることの価値をもう一度考えろと言っています。

いや難しすぎ!!!

でも実際のところ、お金が無い人には音楽を手にする権利がないということにはおおむね賛成です。

アーティストに対するリスペクトがないんですもん。作品はタダでできるもんじゃない。いまだに違法の音楽ダウンロードアプリを使っている人を見ると複雑な気持ちになります。場合によってはムシズが走ります。

だいたいそういうやつらは貧困層じゃない。月額980円が払えないような生活環境ではない。

と、言ってもチェズマボは「なぜオークション形式にしたのか」という問に「ウケるから」と軽々しく答えています。

たしかにウケた。たしかにウケたんだけれども私にはお金がないので権利を得ることができませんでした。くっそう。

悔しいです。

ただこうやって、好きなアーティストにお金が入ることはとても喜ばしいことなのでオークションにしてくれて有り難うって感じです。

そして音楽とお金について考える機会をくれて有り難うといった感じです。

悔しいですけどね。笑


最後に彼らの作品を貼っておきます。是非。

STARBEACHLOVE

あの紙ヒコーキくもり空わってのカバー

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