『FACTFULNESS』とハンス・ロスリングさんへの個人的な想い

早読みのクセがある。話題の本『FACTFULNESS』も、読みやすい優しい語り口なのもあって、さらっと面白く読んでしまった。でもこの読書はそれだけでは終わらなかった。なので読書感想文と言っていいかちょっとわからない。


作者のハンス・ロスリングさんはTEDでの語り口も人気とあったので、ぜひ観ておかなくてはと、時間がとれたときに検索してみて驚いた。このTEDを私は観たことがあったのだ。仕事を変えたばかりで健康系のTEDを漁っていた2013年ごろ。あの統計データのダイナミックなアニメーションに感動したはずなのに、すっかり忘れていた。本を読んでも全くそれと気づかなかった自分の鈍さにがっかりしながら、他の今見ることもできるハンス・ロリングさんのTEDのプレゼンを聴いて、本の冒頭にあった剣を飲むパフォーマンスの動画を見ることができた。そして、面白く読んだだけの本の印象が大きく変わった。

プレゼンも本も、決して上から目線でなく、優しい語り口でクイズが散りばめられているのは、本気で世界をより良くしようとしていて、それに向けて、考えられたものなんだなと思えて、プレゼンを見ながら泣けてきた。
アフリカで医者をしているだけでも、忙しくて立派で思考停止することだってできただろうに、そうではなくて「世界」まで自分の責任範囲ととらえていたんだろう。

「あなたは思い違いをしていますよ」と言って、「教えてくれてありがとう」という人なんてなかなかいない(口だけで言う人はいるかも)。どんなに統計データを示しても、「へえ、意外でした」と言って、忘れてしまって、結局考えは変えないことの方が多い。ハンス・ロスリングさんは、楽観主義者でもなく、悲観主義者でもなく、ただ変えられることを知っているを、本においても最後まで実践してくれた。

最初に観たときの小太りのおじさんが、本の帯では痩せてしまったのも悲しかったけど、本にあった息子さんの言葉に救われる。”父は未来がより良くあるように心を配り仕事にまい進していたけれど、確かに人生を楽しんでいた”とあった。今、ハンス・ロスリングさんのTEDTALKを世界中の人が観ることができて、本がベストセラーになっている。確かに、世界はより良くなれるのだと思う。

いや、違うな。これまで世界は良くなっていることが多いし、人は、この世界を良くする責任者になれるってことだ。彼が見てきたように、彼がやってきたように。

そのためには、面白がっただけで終わらないとして、私も世界を良くするために何ができるだろう?

自分の仕事と、個人的な想いはまた別のnoteに書こうと思う。

本と合わせて、ぜひハンスロスリング TEDで検索して観てほしい。

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