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【本解説】きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」

今回は田内学氏のきみのお金は誰のためを解説していきます。

本書ではお金の本質についてや私たちが暮らしている社会がどのような仕組みで成り立っているのかを小説を通して解説されています。本書に書かれているお金の本質や社会の仕組みを知らないままただ毎日お金を稼ぐために働いているとあなたはお金の奴隷になってしまいます。

結論

そこでこのnoteでは本書で書かれていることの中から『お金では何も解決できないこと』や『お金を貯めても意味がない理由』の2つについて紹介していきます。

お金では何も解決できないこと

まずはお金で解決できる問題はないについてです。お金で解決できる問題は1つもない。このように聞くと『そんなはずはない。確かにお金で解決できない問題もあるけど、お金で解決できるものも多い』と思う方も多いと思います。

確かに家のトイレが壊れたらお金を払って業者を呼ぶことで修理してもらうことができます。またお腹が空いたとき吉野家でお金を払えば牛丼を食べることができます。このようにお金で解決できる問題はは多くあります。しかし本書ではどんな問題もお金で解決することはできないいます。

それはお金で問題を解決できるのはお金が使える時だけだからです。お金を受け取ってくれる人がいてその人が働いてくれるからこそ問題を解決することができるのです。

例えばあなたがスタバやドトールでコーヒーを頼むとき、当然お金を払ってコーヒーを注文するわけですがお金がコーヒーを生み出しているわけではありません。そのお金を受け取ってコーヒーを作ってくれる店員さんがいるからこそあなたはコーヒーを飲むことができます。スタバやドトールで働いてる人たちは自分たちでコーヒー豆を作れるわけではありません。そこでコーヒー豆を作ってくれる人にお金を払ってコーヒー豆を仕入れています。

このように私たちは自分では美味しいコーヒーを入れることができない。自分たちではコーヒー豆を作ることができないといった自分たちでは解決できない問題をお金を払って他人にパスしているのです。もちろんお店とコーヒー豆を作ってくれる人の間にはもっといろんな会社や人が絡んでいますが、どれだけその間が増えても理屈は同じです。

お金が問題を解決しているのではなく、そのお金を受け取って働いてくれる人がいるからこそ問題を解決することができるのです。ですがお金に全く力がないわけではありません。

本書ではお金には選ぶ力があると書かれています。コーヒー豆も多くのお金を支払えばより良い品質の高いコーヒー豆を作ってくれる人から仕入れることができます。またコーヒーを飲む側も高いお金を払えば腕のいい人にコーヒーを作ってもらうことができます。このようにお金には選ぶ力があります。

しかしお金が力を持つのは選べる時だけです。もし美味しいコーヒーを作ろうと思ってもコーヒー豆を 作れる人がいなければコーヒーを作ることはできません。これと同じように国が教育に力を入れようと思っても学校の先生がいなければ何もすることができません。このようにお金だけあっても何もできないのです。

ですがお金の力を過信しすぎてしまったが故に失敗してしまった国があります。それがジンバブエです。皆さんも社会の教科書で子供が大量の札束を手押し車に乗せている写真を見たことがあると思います。あれだけの札束があっても生活に必要なものはろくに買えず貧しい生活を送っていたそうです。

ジンバブエでは2003年以降にハイパーインフレが起きました。ハイパーインフレは紙幣の大量発行が原因であると言われていますが本質的な原因はそこではありません。生産力不足をお金で補えると勘違いしてお金を大量に刷ったことがの原因です。

繰り返しにはなりますが、お金は問題を解決してくれません。お金を受け取って働いてくれる人がいるからこそ問題を解決することができます。その生産力がなければいくらお金を増やしたところで私たちの生活は豊かにならないのです。

だからこそ生産力をお金で補えると勘違いしたジンバブエはハイパーインフレを引き起こしてしまい、札束が大量にあっても生活は貧しいままだったのです。

お金を貯めても意味がない理由

続いて2つ目はお金を貯めることに意味はないということについて。今後は今よりも貰える年金が減ってしまいます。平均寿命が伸びリタイヤ後の生活が長くなってしまうので貯金をしておかなければいけ ません。このような理由から将来に備えてお金を貯めているという方も多くいると思います。

ですが本書ではみんなでお金を貯めても将来の備えにはならないといいます。皆さんはお正月におせちを食べるでしょうか。もしかしたら最近では正月におせを食べる人は減ってきているかもしれませんが昔は正月におせを食べることが当たり前でした。その理由はおせちは保存食だからです。

最近ではお正月でも営業しているコンビニやスーパーがありますし、以前はお正月はみんなが休んでいる期間でした。そのためお正月には食べ物を買いに行くことができなかったことから保存食であるおせを食べていました。正月のような誰も働いていない時にお金を持っていても意味がありません。

これは極論ですが、少子化が進んでいき全員が老人になって働ける人がいなくなれば正月にお金を持っていても意味がありません。もちろん全員が老人になって働けなくなるというのは現実的にはありえない話ですが、少子化が進んでいるということは当然生産力も下がっているということです。

例えば100人の村があり毎日1人パンを2つ消費しているとします。ですが災害があり半分のパン工場が壊れてしまい生産できるパンの数が半分になってしまいました。それによりパンの値段が高騰してしまい住民は生活が苦しくなりお金の援助を求めるようになります。もちろんそこで政府はお金を配ることができます。

ですがそれでは問題を解決することはできません。それはなぜなのか、パン工場が半分になってしまい生産性が落ちてしまったという問題を解決しない限り生産できるパンの数は変わらないからです。パンの生産数が変わらなければいくらお金を持っていても、みんながさらに高い金額を払ってパンを買うよう になるだけで生活が苦しいという問題は解消されません。もちろん個人的な視点に立つと周りよりもお金を持っていることで買えるパンの数は増えるのでお金を貯めることに意味はあります。

しかし社会全体で考えるとお金を貯めることは問題の解決には繋がらないです。お金を貯めるよりも壊れたパン工場を直す、パンを作れる人を増やすといったことの方がみんながパンを安定して手に入れることができるようになるため問題解決に繋がります。

年金の問題も同じように考えることができると本書では書かれています。若者が老人に仕送りする金額が増えれば老人はパンを買えるようになるかもしれませんが若者は買うことができません。逆に老人への仕送りをを少なくすれば若者はパンを買うことができますが老人はパンを買うことができません。そこで老後に備えてお金を貯めておくことで若者からの仕送りが少なくても生活できると考えるかもしれませんが、結局生産できるパンが少なければパンの値段が高騰してしまい生活が苦しくなってしまいます。

このように年金問題を解決するために本当に大切なのはみんながお金をためで備えることではなく、少子化を解消したり1人あたりの生産性を上げることです。もちろん生産性以外にも将来の備えに大切なものがあります。

教育制度や医療制度・インフラと呼ばれる社会基盤など昔の人たちが蓄積してくれた結果、今を豊かにしてくれるものがたくさんあります。だからこそ将来を豊かにするためにもこういった制度や社会基盤をこれからも蓄積していく必要があるのです。

これまでの話から年金問題や生産性・社会基盤と聞くと個人としてできることはあまりないんじゃないかと思われるかもしれませんが、本書に書かれていることは個人としてのお金というよりももっと広い社会全体の視点で書かれています。

ですが個人に全く関係がないというわけではありません。本書に書かれている内容を元にどの政治家に投票すればより良い社会を作れるのか、またお金を使う時にはその背後にはどんな人がいてあなたはどんな人にお金を払いたいと思うのか、さらに投資をする時にはどの企業に投資をすれば私たちの将来が豊かになるのかを考えることができると思います。

そして1人だけの力では社会を動かすことはできないかもしれませんが、みんなが社会全体の視点を持って動くことでより良い社会を作ることができると思います。

まとめ

今回の内容についてまとめです。
1、問題を解決してくれるのはお金ではなく、働いてくれている人
2、将来の備えになるのはお金ではなく、生産性や制度・社会基盤

このnoteではきみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」の超重要なポイントのみに絞って解説してきました。まだまだ紹介できていない部分が多いです。おすすめの本ですのでぜひ読んでみてください。リンクを下記に貼っておきます。

今回の知識が何か少しでもあなたの人生の役に立てれば幸いです。
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