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「制作フロー」から考える、Web制作会社のビジネスモデル。M-HANDのロジックも全部公開。

1. はじめに

Web制作会社には共通するジレンマがあります。
会社として成長すればするほど依頼案件の難易度が高くなり、人を増やせば増やすほど社内ルールが複雑化していきます。

また現代は、IT関連の技術革新がすさまじい勢いで進み、トレンドが変わるスピードは速く、高度なセキュリティ対策も求められる時代です。年々やるべきことが増え、ハイレベルな対応が必要な時代に、臨機応変にあたることができない会社は取り残されてしまいます。

とはいえ、人的リソースは限られています。
働き方改革やリモートワークの増加などにより労働時間は短縮化。また近年のWeb業界では人材の流動性が高まっている反面、1社1社の状況に目を向けると定着率は低下傾向にあり、平均在職年数も下がり気味です。
Web制作業界全体が同じような状況ではないかと思います。

このような社会環境のなかで会社を成長させるために、Web制作会社としてビジネスモデルを理解し「改善するべきこと」「変えてはいけないこと」を見極めることが重要だと考えます。

では、Web制作会社のビジネスモデルになるものは何か?
この問いに私は、「制作フロー」と「利益構造」だと答えます。
今回はこのうちの「制作フロー」にフォーカスして紹介します。

2. 体系的な「制作フロー」が重要な理由

Web制作会社において「制作フロー」が重要な理由は、以下2点を実現するためです。

1、品質(クオリティ)維持
2、生産性の向上

まず、1つめの「品質維持」のために「制作フロー」が必要な理由について。
Web制作では基本的に、ディレクター、デザイナー、エンジニアの分業で1つのサイトを作りますが、必ずしも全員がトップクリエイターであるとは限りません。

社内には2年目のディレクターもいれば、10年目のディレクターもいて、それぞれが会社の看板を背負っています。組織としては、誰が制作に関わったとしても同じ品質を保たなければならないので、再現性の高い「制作フロー」を用意しておく必要があります。
レストランでいうと、「レシピ」みたいなもんです。

逆にトップクリエイターだけの組織であれば、すべて一任できるので、「制作フロー」やルールなんて必要ないともいえます。

次に、2つめの「生産性の向上」のために「制作フロー」が必要な理由について。
社内に、コンセンサスのとれた「制作フロー」があれば、生産性は向上します。決められた「制作フロー」があれば、社員同士の無駄なコミュニケーションや答え合わせが防げ、毎回、誰かに何かを確認する必要がなくなります。

また、決まった「制作フロー」があることで、前後の業務の動きが明確になり、チームとして取り組みやすくなります。WEB制作では個の力、クリエイティブが非常に重要です。ただ、それを生かすも殺すも、「制作フロー」次第。正しい手順で、最終的にチーム一体となって作り上げる仕組みがないといけません。体系的な「制作フロー」がなければ、効率が悪化して品質が低下することも考えられます。

また、これとは別に、さまざまな理由によってクライアントからクレームを受けた場合の、制作スタッフに対するメンタルケアも非常に重要な経営課題です。これについてはまた別の機会にお話しすることにします。

3. 「制作フロー」をブラッシュアップするための3つの視点

具体的に「制作フロー」を磨くためのエムハンドで大切にしてる3つの視点について紹介します。

視点1:改善を繰り返す仕組み
Web業界は日進月歩です。日々新しい技術が増え、はやりすたりがあり、年々ケアしなければならないことが増え続けます。となると、当然、常に「制作フロー」を磨き続けるという姿勢や仕組みが必要になります。社内に、「制作フロー」自体の改善を繰り返す意識を根づかせるため、現場の意見を吸い上げ、それを改善して「制作フロー」組み込む仕組みが大事です。

視点2:インプットとアウトプットの管理 
連続性のある業務では必ず、前段階で作成されたインプット(要望やコンセプト)を基に業務が実施され、アウトプットが作成されます。たとえば、ディレクターがインプットしたことが、デザイナーのアウトプットにつながります。この2つの要素が「制作フロー」のなかで整理されていれば、どんな案件でも方向性が大きく狂う可能性は低くなります。

視点3:クリエイティブを補完する仕組み 
プロセスレビューを徹底すれば、上長や他部門から指摘を受けることができます。プロセスレビューとは、簡単にいうとチェック機能ですが、Web制作の現場ではクリエイティブ面のブラッシュアップも機能させるべきです。第三者の目線が入ることで、品質の下振れを防ぎ、クリエイティブ面での上振れを行う。「制作フロー」の要所要所で、プロセスレビューの機会を設けておく必要があります。

以上の3つの視点で、既存の「制作フロー」をブラッシュアップしていただければと思います。

4. エムハンドの「制作フロー」を紹介

最後に、エムハンドの制作フローについて紹介します。

○予算工数管理

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弊社はシステムで、勤怠管理、業務管理、請求管理を連動させて管理しています。制作者は、たとえば8時間勤務したら、どの案件のどんな作業をしたかを登録。登録した案件と請求書が紐づいているので、その案件の制作予算に対して適正な工数でできているかをチェックしながら業務を進めています。

○スケジュール管理

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弊社ではデザイナー、エンジニアのスケジュールを一覧でリアルタイムに管理しています。30名近いディレクターが社内で決められたルールに則り、各担当案件に必要な人物をアサインできる仕組みを設けていて、各ディレクターの責任で案件に対するスケジュール管理を行っています。これにより、スケジュール会議の開催や、誰かの承認を得たうえで日程を決めるといった無駄なコミュニケーションを省いています。

○案件管理シート

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1案件につき1ファイルずつ、業務情報をまとめた資料を作成しています。サーバ情報やサイトマップ、コンセプト、チェック項目など、ディレクターからデザイナー、エンジニアに業務が流れていくなかで、このシートにすべての情報が集約されていきます。基本的に前工程のアプトプットを引き継いで、次の制作者が正しくインプットを行い、業務にあたれるような仕組みになっています。

○クリエイティブ管理

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Web制作においてクリエイティブは一番大切な部分ですが、ルール化すればするほどクリエイティブな要素がそがれがちです。そのため弊社では、「制作フロー」のなかにクリエイティブを協議するルールを設けています。通称「クオリティ会議」です。ルール化されたフローのなかで、クリエイティブを補完する仕組みとなっています。

○品質管理

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制作フローに含まれる品質を管理するためのチェック体制を整えています。弊社では200を超える項目を、デザイン、仮アップ、本アップなどの作業工程ごとに、セルフチェックだけではなく、クオリティコントロール選任のスタッフでチェックしています。以前まで、各部署内で第三者チェックをしていましたが、どうしてもチェックの精度にバラつきがあるため、品質管理の選任のスタッフを配置しました。

以上のような体制で、生産性を向上させ、制作物の品質をキープしています。ぜひ弊社の例も参考にしてみてください。




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