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【恋文】渡せないラブレター その9

今日、久々に貴方の声を聞けました。
私の好きな低いしゃがれ声。

漏らすことなくイヤホンで
しっかりと耳に届けました。

誰とも被らない貴方だけの声が好き。

「貴方」だと知らせるサインの如く、
街中で聞こえたら、
すぐ気付いてしまう自信があります。

改めて、貴方の声が好きです。
耳小骨まで貴方に惚れています。

電話が終わった後、新しい気付きがありました。

”始まれば、終わりが来る”

先週の今日、
「終わる」ことが義務だと思いました。

だから、好きでも離れようと
離れなければいけないと思いました。

でも、貴方としか築けない
新しいカタチを見出してわかったのです。

「好き」は、守り方を変えればいいだけだ、と。

終わりがいずれくるなら、
自分から終わらせる必要はないのだ、と。

大好きな牛丼だって、そうでしょう?
「食べちゃいけない」とも
「出禁」になったわけでもないのに

毎日食べたら体によくない”だろう”から、
明日から「行っちゃいけない」って
とても理不尽だと思うのです。

好きなら飽きるまで食べたいし、
飽きてもたまに食べたいし、
この世から牛丼というものが消滅するまで
好きなものは好きだと思うのです。

今の私たちのカタチは、
この牛丼愛に似ている気がします。
なんてね。

期間限定は、世間体。

平凡な日常も時に訪れてほしい非日常も
全部積み上げて、ピラミッドを作ってみたい。

土台が脆いとすぐ崩れますからね。
急いで完成するよりも、
時間をかけて壊れないもの。

そんな辺鄙な夢を抱ける
今日に出会えたのも、貴方のおかげ。

貴方の誠実さと真っ直ぐさが、
いつも私を変えてくれるのです。

今日も幸福感に包まれて、貴方を想います。

風邪が風にのって、
どこかへ飛んでいきますように。

右利き

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