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学生時代に経験した変なバイト "ゆるキャラになった話"

僕は大学時代、あまり一つのバイトが長続きしませんでした。
人間関係が嫌だったとかではなく、すぐ飽きてしまったり、遊びを優先したくなってしまったなど…。
ドラッグストア、レンタルビデオ屋、カフェ、ラーメン屋、雑貨屋など、色んなバイトを半年程度で辞めしまう始末。
典型的なダメな大学生でした。常に金欠であったわけです。

とはいえ、彼女とデートをするためのお金、友達と飲みに行くお金、大学生活を謳歌するためにはどうしてもお金は必要です。

こりゃいかん!と思った僕は、
続かないなら短期集中で稼げる出来るバイトはないか?と思い至ります。

そんな時に見つけたのが『日雇いバイト』です。
僕の場合は、派遣会社に登録をして、その派遣会社から案件が掲載されたメールが日に何度が届き、そこから自分で気になった案件を受注するといった流れでした。

なんだかゲームのクエストみたいで楽しそう!

決まったシフトは組まなくて良くて、毎回違う仕事をするため飽きることはなく、しかも時給も当時では比較的高い1,100円であったため、丸一日働けばそれなりに稼げるので、凄く魅力的に感じました。

登録後、早速送られてきた案件一覧の中から、仕事を受けることにしました。


はじめての案件

派遣会社からの案件名は「ご当地イベントの運営業務・補助」でした。
他県のご当地イベントが名古屋・栄であるとのことで、面白そうだし、終わったあとに飲みに行けるし良いか、と軽い気持ちで選びました。

派遣会社から案内のあった集合時間・集合場所に行くと、そこには自分と同世代ぐらいの男女が6名ほどいました。

これは日雇い・派遣あるあるかもしれませんが、
同じ派遣会社とはいえ顔見知りでもなんでもないので、
「コイツも同じ派遣か?」と様子見をする時間があります。
特に会話することもなく、なんとなく近くにいるという奇妙な光景。
いうならば、ポケモンGOをしている人たちのような感じです。

時間になると、依頼側の責任者が適当に声をかけてきます。
「〇〇会社の派遣スタッフの皆さんですか?よろしくお願いします。本日ですが、皆さんには〇〇県のゆるキャラの着ぐるみに入ってもらいます」

聞いていた話と違う

「?????」
ご当地イベントの運営業務と聞いていた僕含め派遣のメンバーは、
皆きょとんとした表情となりました。
ちゃんと聞くところによると、運営等は依頼元がやるため、派遣スタッフにはローテーションでご当地キャラの着ぐるみに入ってほしいとのことです。

想像していた内容と違いすぎて、僕はもう一度派遣会社からのメールを見返しました。
そこには「ご当地イベントの運営業務・補助」としか書いておらず、よくよく考えればざっくり過ぎる。
運営業務・補助といえば、たしかにそうだが、着ぐるみに入るならそうやって書いてもいいのでは…?と思ってしまいます。

この派遣会社で案件を受けていくと分かるのですが、案件内容がざっくりとし過ぎて、実際行くと想像と違うというのが多々ありました。
また別の機会に話したいと思いますが、派遣に良く入ると、よく現場で見る人達というのが出来てきます。そういった人たちと案件の情報交換をし、良い条件の仕事を見つけていくことを覚えました。

4体のゆるキャラ

仮設テントが設営されており、そこに入ると4体のゆるキャラがいました。

派遣メンバーは6人。(男性が4人、女性が2人)
4人はゆるキャラ、2人あぶれるわけですが、残りの2人は依頼元の指示に従い、本当に運営業務・補助をするようです

派遣メンバーはお互いに顔を見合わせ、「どうします?」と困惑した状況。
正直やりたくないというのが、派遣メンバーの顔から読み取れました。

その時の僕というと、
なんだこれ!めちゃくちゃ面白そう!と胸躍ってました。
なかなか着ぐるみに入る機会なんてないですし、なんなら一度は着ぐるみに入るバイトをしてみたかったからです。

エヴァのシンジくんの「エヴァに乗ります」のように
「ぼく、着ぐるみ入ります」と最初に口を開きました。
周りの派遣メンバーはマジ?といった表情ですが、仕事であるためやるしかなく、次第に男性メンバーを中心に手が上がり、男性3人と女性1人が着ぐるみに入ることになります。

ゆるキャラは覆面レスラーと同じ

いざ着ぐるみに入ると、これはこれ。
覆面レスラーが実は大人しく、マスクを被ると気合いが入るあれと同じです。
着ぐるみを身にまとった僕は、完全にゆるキャラでした。
※ちなみにゆるキャラゆるキャラと言ってますが、昔のことなのとご当地過ぎてキャラが印象になさ過ぎて名前を憶えていません…

他3人もゆるキャラの着ぐるみに入ると、案外まんざらでもなさそうで、ゆるキャラは基本的に言葉を発してはいけないため、身振り手振りで来客者に愛想を振りまきます。

ゆるキャラには優しくしよう

ゆるキャラで愛想を振るまく僕のもとに、1組のカップルが近寄ります。
年齢としては同年代、大学生ぐらいのカップル。

「わー!かわいい!」と彼女のほうがニコニコと手を振ってきます。

僕も手を振り返しますが、彼氏のほうはニヤニヤしながら、
「お給料どのぐらいなんですか?」と聞いてきます。
自分も当時大学生でしたが、いかにも大学生的なコメントで鳥肌が立ったのを覚えています。

彼女のほうも笑っているだけで、特に制する様子もないです。
ファックサインを向けたいところではありますが、
このゆるキャラには指がない(強いていうなら親指のみ)ため、
心の中だけ留め、とりあえず愛想を振りまきます。

なんだかんだカップルは僕が入ったゆるキャラと写真を撮ると、
満足げに立ち去っていきました。やれやれだぜ。

その後もゆるキャラになる

僕はその後、もう1度ゆるキャラになったことがあります。
その時は、名古屋市のとある区のゆるキャラで、
小学校で土日にやるイベントに参加するといったものです。

小学生ということもあって、めちゃくちゃ乱暴されたり、
「本当は人間なんでしょ?」と言われたり…。
また夏場だったので、着ぐるみの中は灼熱地獄。
何度も意識が飛びかけました。

楽なバイトではない

前述の通り、夏場は本当に地獄です。
あと着ぐるみって色んな人が入ってますし、
あんなの洗えるわけでもないので、それなりに臭いです。
歩きにくい、視界は見えにくいというのもあって結構疲れます。

一度は入ってみたい!と興味があれば本当に一度ぐらいは良いですが、
僕は何度も入る気にはなれませんでした…。

ただし、ゆるキャラに入ったエピソードは、色んなところで話しています。
こんな経験は滅多にないから、こすりにこすらにゃ…と銭ゲバ根性です。
会社の飲み会、合コンなどなど…。至るところで話しているので、
もはや給料以上の元は取れているといっても過言じゃないです。

以上が僕が経験した変なバイトの話でした。
ですが、正直これは序の口で、もっと変なバイトを派遣会社を通してやっているので、それはまたの機会にお話ししたいと思います。

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