失敗をいかにコントロールするか〜エスカレーターの乗り方を身に着ける子供からの気づき

最近、noteでDMM.com, DMM GAMES CTOの松本勇気さんの始めた「ソフトウェアと経営」マガジンを読んでいるのだが、6月5日に投稿された「1-4 失敗をコントロールする」を見て、幼稚園年長組の息子が2歳の時にブログに書いたエントリ「エスカレーターの乗り方を身に着ける...のではなく転びそうならリカバる。人生も同じ。」に通じるところがあるかなと思い、以下に再掲。

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先日、以前の会社の同僚と家族で食事をする機会があり、お互いに息子同士の歩き始めの話をしているなかで「うちは歩き始めが遅かった」「うちもうちも」「だけど、いったん歩き出したら転んだりはしなかったね」「そうそう、よちよち歩くってのはなかった。歩き出したらすぐに走り出した」「お互いに慎重な性格だから、自分の中で自信が着くまでは、歩き出さなかったんだろうね」なんて話をしていました(追記:ちなみに現在幼稚園年少組の娘は、はいはいというものを結局しないまま歩き出しました)。

我が家の息子の話で言うと、つかまり立ちの期間というのはほぼゼロで、ある日、IKEAに行った際にカートを押しながら買い物をしていたら、そのカートにつかまって一緒に歩くというのがすごく気に入ったようで、一日カート歩き遊びをしていたら、そのうち、カートから手を離して勝手に歩き出した次第。1歳7か月の時の出来事なので、世の中の標準よりスタートは相当遅れたものの、足取りが安定したタイミングで考えれば、やや遅れ程度かと観察しています。

そんな息子がエスカレーターに乗るのは、歩き始めから割とすぐにコツを掴んでいました。私が小学校の時に隣に住んでいた女の子はエスカレーターに(タイミングが掴めず、怖くて)乗れない、なんてのも目にしていたので、エスカレーターに乗るのは難易度が高いのかと思いきや、息子に関して言えば、最初から上りは全く問題なし、下りは(先がよく見えないからなのか)恐怖感があるようです。

で、そのエスカレーターの乗り方を(父としては特に何も教えないで、ただただ手を引いて一緒にエスカレーターに乗ってみただけなのですが)身に着ける過程が面白かったです。

前述のように、エスカレーターの乗り方を特に教えてはいないし、その頃は言葉もできていなかったのですが、もし、言葉を使って教えるとすれば、「足元のプレートと並行にエスカレーターのステップが次に出てきそうなタイミングで片足を一歩前に出して、さりとて、黄色い線は踏まないようにして、足の位置を決めた後、もう一方の足を前に出し、ステップの上で両足を揃える」といった一連のプロセスを教えることになりそうな気がします(跳び箱の飛び方とか、でんぐり返しの回り方なんかも、そんな感じで教えるのではないでしょうか?)。

一方で、息子を見ていると、エスカレーターの乗り方を試行錯誤しながら学習しているのではなく、まず足を出してみて、うまくいかなかった場合にどうリカバリーすればいいのかを実は試行錯誤している、ということに気がつきました(少なくとも父にはそう見えた)。

改めて考えてみると、エスカレーターに乗るのは、ちゃんと両目を開けて状況を把握なんかしていなくても、例えば目をつぶってでも乗ろうと思えば(恐怖心はあるものの)、おそらく9割くらいはうまくいきそうな気がします。足の置き所が悪くて転んでしまう、というのは本当に限られたごくごく一部の場所(ステップの手前ギリギリとか)に足を置いてしまうようなケースで、それ以外は適当に歩を進めれば乗れてしまう。一方で、その「ごくごく一部の場所」に足を置いてしまった場合は(これ自体はそこそこある)、確かに不安定になってしまうので、足を前に進めてそのステップに乗ろうと頑張るか、足を後ろに戻して次のステップに乗るか、どちらかを見極め(自分の中で即座に決めて)素早く行動すれば、転ぶことなくエスカレーターに乗れてしまう、といったような行動パターンが遺伝子に刷り込まれている(かの)ようです。

これって、人生でも正しいやり方を学んでから前に進む、というやり方だけでなく、まずは何でもやってみて、とはいえダメならすぐに体勢を立て直してリカバる、というやり方もあるということなのかと、ただただ感心して父は見守っていたのでした。

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