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寝返り

二人仲良く歩き続けることこそ、いちばんの奇跡である、と、語った君も消え去って、敷衍する春は、普遍性を謳うばかりで夢うつつだし、後ろめたい感情を引きずりながら、行き過ぎる春は猛毒、尊く積み重ねられた生命、運ばれる先は裁断機、あらがうほどに食い込む鎖、それでも未だ空腹だ、と、促す君の裂けた口、濁りのない春風を浴びて、荘厳な価値を知って、カタトニーやタナトスを打ち倒した先に待つ姫、詩的な買い食いを終えた帰り道、たそがれる君の永遠性の陰影、その夏に幽閉された、君の白いドレス、ラストシーンに鎮座するウサギ、憎しみが沁み入る電車の中でのカタストロフ、老人と海を読みながら、長い間に溺死した感情が、やがて、心の中で幽霊にならないように、と、お焚き上げする祈祷師である私のひいおばあちゃん、懐かしい煙の後、旋律から敷衍する甘い音符、服用している真理により、その強度は違うのです、と、コンビニ店員の海馬に挟まった栞を抜き差ししながら、萎びた意思にカフェインをぶち込んで、被害妄想に苦しむ精神的な優劣、牧草地でハミングする歌声が響き渡り、辛辣なデザインが出迎える天国、境目ばかりを生み出して、全人類を敵にまわして、見すぼらしい価値を守るために、まだまだ甘い汁をたくさん吸いたい、と、促す偏執狂、分断された甘い道を通り越して、あらがうほどに食い込む過ちすら愛するの、だ。

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