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引っ掻く

一喜一憂している暇も無いからと、引きずる身体、痩せ細った原因に水を与える因果、初期衝動だけで動くオモチャたる私は、蝉蛻を繰り返し、終わらぬ生を数億年続けて来たし、虐げられても尚、従う事は無く、儚げに散って行った愛していたであろう面影が囀る夕暮れに、ひっそりと佇む過去の自分のような靄を、ぼんやりと眺めては、懈怠しても尚、おざなりな感情を携え、鮮明なものほど、見え難くもなってしまうのよ、と、告げる彼女の償いのようなものを傘にして、雨を避け、損得勘定だけで、続けて来た愛が終わるまでの情緒を詩に変換し、感傷的なものに適合するだけの、自己犠牲的なものを迎撃し、現前で果てるものを、パイ生地で包み、オーブンで焼いて食べるまでの原理、複雑に乖離して行く行方、下腹部に溜まる夢のようなものの派生、物事の懸隔で生まれる終焉、生い茂る思い出の滑走路、分断されるだけの世界を蛇行する犬、時間を飛び越える波や波動、氾濫する川で暴れる魚たち、中性子星が放つガンマ線や、地下鉄で眠る悲劇的な少女、心無い君たちの稼ぎ、対価を求めて、ひた走る人々の整合性、くたびれた翅を擡げては、狂騒に果てる精神性や、情報により、強制的に入り込む背徳や、犠牲的な面影が迫り、制限ばかりを加え、嘔吐を繰り返しては、利己的な夢を孕み、悪意をねつ造しては、絶えず支配的になっては、敵愾心を蓄え、過ちばかりを蓄えては、怠惰なままに、翻して来たものや、もたらされたものにより、もつれていくだけの今、源泉徴収の中を泳ぐ微生物や、無計画なままに、進行して来る兵士たちの、狂った朝。

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