流動
あらがう先々で、現れる観念、磔にされた自らを崇める、乖離した自分、理解するよりも早く乖離してしまい、忌々しい自分を羽交締めにする利己的な自分、分裂して行く自分というものすら、引き裂く自らの鋭利な爪、今に迫る窮屈な理想や、理性すらも損なわれ、煩わしい自らにそぐう価値などを謳う奴らの仕組みに反し、監視されるだけの社会や世界を超越して、タオイズムと踊り、流れるままに、手なずけられずに、苛立ちを抑えて、抵抗し続けるほどに、増して行く快楽や、結ばれて行く無数の真実や、真意すらも、そこかしこで、加工されるわけであるし、猥雑な面影をよじ登る空腹の君や、空白の中で、空腹を絶えず抱えた餓鬼たちや、蓄積される猜疑心や、数多の憎しみを重ね、想念を引きずり、悲観するだけの、君たちの誤りや、曖昧な時代に備わるジレンマにより、新たな病を作り出し、儲ける奴ら、痩せた感情が嘯く真理のようなものや、もたらされるものだけが、真実のように語る普遍性、フロイトが語る欲動の棲家で、涅槃的なものを作り上げ、でっちあげられた快楽の最中、対象とされる愛のようなものや、恋のようなものが、年月を重ねるほどに、薄れて行き、その場で蓄積する不安や苦しみが膨張し、更なる欲を生み出す装置たるキャピタリズムが云々と、偏った思想が、捻じ曲がったものを吐き出す間に、アイロニーや対価や、原始的な欲求の矛先たる暴力装置としての国や、ないがしろにした瞬間や、主体性の破壊、はびこる悪意を収斂して、裁断される空間のひとつひとつに住まう同じような自分、隔てられる事もなく、答えに溺れているだけの、君たちの危難、分断されるだけの現実から飛び出し、過去も未来もなく、ここにあるものだけが、全てであるし、迎合されるものなんかに、耳を傾けず、ひたすらに、反する事だけが、生きている事を実感させる。