懐古
窮屈な意味を紡いだ君との架け橋、陰鬱な蝶々が舞う六月の午後、磔にされた感情ががんじがらめになって、担う意味すら、似合わなくなって、無くしたものばかり探し回るような八月中旬、地球の表面も、じりじりとして熱くなって、君の脱げた靴が、砂浜に転がって、そのまま海に走り抜けていく様を眺めては、降り注ぐ幸運に感謝をし、憎しみばかりを買い取るリサイクルショップ、凝固剤にで固まった真っ当な世界、あらゆる目論見を対象にした攻撃の雨、統制されるだけの日々に現れた結末の硬度、偶像や偶然に連なる閉塞感を超えて、数多に備わる答えを体系化していく明晰な深夜や、酩酊する今の秘話、胆汁あふれた見すぼらしい夜を封緘して、君に送り届けるまでの差異に詰まる腐敗した恒常性や、境界線などを用いては、君をその場に幽閉するための、彼女の躊躇い傷、運動的な廃屋で眠る、文明から外れた野良犬、運命とは、永遠の洪水に飲まれるようなものだ、と、想念に乱反射する素粒子や、雲海で移動する象形文字や、薬指を切り取り、君にあげるまでの虚偽、ミメシスや、風景に瀕する価値のようなものの哀れさや、有閑階級から乖離していく情景から、新たな商品が生まれ、干渉していく意識が、やがて君の意味すら罪に変えて、君を拘束したりするし、つたない意思は、異物感を抱え込んでは、今に意識は、混濁していく。
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