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年輪

象形文字に絡まる月夜、にやけるチシャ猫や、幽体離脱を繰り返し、実体の保管場所をひけらかす人々、有閑階級として、名だたるものを破壊し、ハウリングする絶望や、あらゆる瞬間の末路や、嚮導する本質、怠惰な化粧を施し、傲岸不遜な状態を隠す彼女、度重なる苦しみをカタルシスに至らせるための戦争や、荘厳な結末に注がれる熱い鉄、軋む夏や、区役所に住まう亡霊、陸地を埋め尽くす悪意や、焦燥感が加速して、ぼんやりとした情景が孕む子供や、課せられた罪により、憎しみを加速させて行く子供たち、外観を砕くキツツキたちの群れや、約束を突き破る千枚通し、倒置法に騙された君の屈辱、切実なお買い物の最中、ナショナリズムにより、加速して行くファシズムや、収容される数多の要因、インカ帝国のタトゥーを施し、自己顕示欲を摩耗させるための婚姻や、正しい恐れ方を知らずに、ただただ、戸惑う先々でまどろみ、服用する原理や、あらゆる憎しみを通過する電車や、構築されるメロディーに寄りかかる君や、散々な毎日に名前を付けて、対価を追い求めては、走り去る物語や、集るハエや、詩人なんていう、やわな名乗りを放棄して、さらなる高みを目指す単なる鳥になりたいのである、と、小さい体を小刻みに震わす君や、深層心理に入り込む単細胞生物や、ビブラートにより、羽化する虫たちの荘厳さや、差額が云々と、付きまとう幼稚な連中や、あらゆる動機を崩壊させるための、厭世観を撒き散らすカラスの群れや、被害者意識ばかりを用いては、もたらされた憎しみの虜になる奴らから離れ、そのままに、突き進む美しさだけで、今を、生きながらえて行く。

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