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「社員のワーク・エンゲージメントの高め方」 | Zoomセミナーレポート

はたらく女性の健康とキャリアをサポートするプログラム「mezame」を提供するさんぎょうい株式会社では、企業の労務人事や安全衛生にまつわるテーマをピックアップして、定期的にセミナーを開催しています。

7月期のセミナーに登壇したのは、mezameのセミナーコンテンツやキャリア面談の仕組み作りにもご尽力いただいているキャリアコンサルタントの松岡澄江さん。このnoteにも興味深いキャリアトピックを多数寄せてくれています。

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松岡澄江(まつおか・すみえ)さん
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師
ブログ「自分らしい生き方・働き方を考える」

テーマは、今じわじわと注目を浴びているキャリアのキーワード「ワーク・エンゲージメント」についてでした。

ポスト・コロナの時代、人事や労働安全衛生担当の方だけではなく、すべての働く人にとってプラスになる概念だと思いますので、当日の様子をレポートしたいと思います。

▼▼松岡さんによる「ワーク・エンゲージメント」の記事はこちら

そもそも、「ワーク・エンゲージメント」とは?

いろいろな言い方がありますが、わかりやすく表現すると「働きがいややりがいを持って働いている状態」のこと。

1. 活力 …仕事から活力を得ていきいきとしている
2. 熱意 …仕事に誇りとやりがいを感じている
3. 没頭 …仕事に熱心に取り組んでいる

ワーク・エンゲージメントの概念を提唱したオランダのユトレヒト大学では、上記の3要素が揃っている状態だとしています。

「ワーク・エンゲージメントが高い職場とはどのような職場をイメージしますか?」と松岡さんが参加者のみなさんに呼びかけると、

・明るい職場
・職場全体に活気がある
・チームワークが良い
・目標とする人がたくさんいる
・成長が実感できる

などなど、さまざまなイメージがチャット欄に書き込まれました。ポジティブなイメージの言葉ばかりですね。
ワーク・エンゲージメントが高い職場で働いている人が、やりがいを感じやすい理由がわかる気がします。

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1人ひとりのワーク・エンゲージメントが高まれば、職場全体のモチベーションが上がり、さらにそれが個人にフィードバックされていっそうワーク・エンゲージメントが高まる…という好循環が生まれます。

それは、働く個人にとっても喜ばしいことですが、労働生産性があがったり、イノベーションが起こりやすい環境になるなど、企業側にとってもたくさんのメリットがうまれるのです。


施策は打っているのに効果がない、その理由は…?

気になるのは「どうすればメンバーのワーク・エンゲージメントは高まるのか?」ということ。

ちょっと乱暴な言い方ですが、手っ取り早いのはワーク・エンゲージメントが高いワーカーの特徴を知り、その労働環境やマインドセットをなぞらえてみることです。

《ワーク・エンゲージメントが高い労働者の特徴》
○強みを活かせる環境であること
○適切な評価やフィードバックがあること
○働きやすい環境や制度があること
●仕事を通じた成長が実感できること
●自分の仕事観にあう職場であること
◇将来のキャリア展望が明確であること
◇仕事への能力があり自信が持てること

※出典「労働経済の分析」令和元年版


ワーク・エンゲージメントが高いワーカーには、上記のような特徴があるのことがわかっています。それぞれの特徴がどこからもたらされるのか?を分析すると、以下のように分けられると思います。

○ ……外的要因(組織や会社の環境や制度等)に由来する
◇ ……内的要因(働く人個人の考え方や価値観等)に由来する
● ……外的要因と内的要因双方に由来する

ワーク・エンゲージメントは、どれか1つの要因があれば高まるものではなく、複数の要因が揃うことで相乗効果的に発生していきます。ですから、個人のモチベーションが高くても環境が整わなければあがりにくいですし、逆もまたしかり。

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「会社組織としてできることは十分にやっている。制度も整えているし、働きやすい環境作りにも力を入れているのに」

・組織が活性化しない
・生産性が上がらない
・人間関係のトラブルが多い
・メンタル不調者が出てしまう

……といった悩みを抱えている人事担当や経営サイドの方は、行っている施策が本当に従業員のワーク・エンゲージメントスイッチにつながるものなのか? 日頃の労働環境の中にメンバーのモチベーションを下げてしまう要因があるのではないか? 等を改めてチェックしてみる必要があるかもしれません。

キャリアコンサルタントの伴走で見えてくる「働くの未来」

ただ、ワーク・エンゲージメントを高めるための個人にひもづく要因(内的要因=◇)は、1人ひとりの価値観や考え方、興味関心に左右される部分もあるため、組織や企業ではカバーしきれない側面もあるでしょう。

そこで、注目してほしいのがキャリアコンサルタントの存在です。

例えば、先に挙げた内的要因(◇)のうち「将来のキャリア展望が明確である」状態にするには、

・ これまでやってきた仕事を振り返り
↓ 今、自分ができることを棚卸しし
↓ 自分の得意や強みを理解して
↓ それを仕事でどう活かして行くか
・ するとどのような可能性が開けるのか

……と考えるプロセスを持つことが理想的です。

けれど、こういうのってきっと多くの人が「うん、大事なのはわかるけど、なかなかね…(^ ^;)」という感じだと思うのです。

結構時間もかかることですし、自分と向き合うのってなかなかしんどい作業だという人もいます。「そもそもやり方がわからない」「どういう問いを自分に向けたらいいのだろう」という人もいるでしょう。

そういった戸惑いや疑問を受け止めて伴走役を引き受け、将来のキャリアや個人の“働く(価値観)”について考える機会を、上手に提供してくれるプロがキャリアコンサルタントです。

キャリアコンサルタントの活用は個人にも組織にもメリットが

働く個人のワーク・エンゲージメントを高めるためにキャリアコンサルタントを活用するメリットは他にもあります。

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例えば、キャリアコンサルタントは、相談者を評価したり否定したりすることはありません。中立的な立ち位置にある社外の人間でもあるため、仕事の話も仕事以外の話も安心してありのままに話すことができます。

そのため、自分の内面にフォーカスしやすくなり、日常ではなかなか得られない気づきがもたらされることも少なくありません。このような経験は、これからの人生100年時代、とくに強く求められるようになる“内省力”を鍛えることにもつながります。

一方、組織や会社にとってキャリアコンサルタントによる面談を導入することは、まず労働安全衛生の観点から安全配慮義務の遂行や従業員のメンタルケアにつながります

また、上司や人事が行う面談では話しにくい本音をすくい上げることができるので、組織の正確な“イマ”の姿や課題の把握に役立つでしょう。

キャリアコンサルタントには守秘義務があるため、1人ひとりが話した詳細な内容について会社側に報告することはありません。ただし、メンタル不調等で緊急性が高いと判断されたメンバーに関しては、プライバシーに配慮した上で対応する場合があります。

ポスト・コロナ時代の今だからこそ

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新型コロナウイルスの感染拡大によって、すべての働く人が大なり小なりこれまでとは違う働き方をすることとなり、慣れ親しんできた生活習慣を変える必要に迫られています。

さまざまな不安を感じながら、新しい生活様式で暮らして行かなければいけない今だからこそ、社員一人ひとりに的確なサポートを行い、組織と個人のつながりを強める施策が求められていると感じます。

ワーク・エンゲージメントという概念に注目が集まっているのも、そういった背景があるのだと思います。

セミナーでは、テレワークが導入後の企業で松岡さんが行ったオンラインキャリア面談の事例も話されましたが、個々人の価値観や生活環境によって実にさまざまな本音が聞かれ、またポスト・コロナの時代に求められる新しい人材像なども見えてきたといいます。

ここで詳細は割愛しますが、経営層や人事部門は、コロナ前までの“当たり前”で今後の施策や戦略を計画すると、大きくマトを外す可能性も出てきそうです。コロナ後の自社の“ニューノーマル”を考えるとき、先ず行うべきは、キャリアコンサルタントを活用した、本当の意味での自社の現状把握かもしれません。

参加者のみなさんからは、

「新しい知識やアプローチ方法を知ることができ、大変勉強になりました」
「途中で“問い”をはさんでいただいたことで、ワーク・エンゲージメントの概念が良くわかりました。また弊社には、キャリア面談を導入する必要性があると感じました」
「弊社は自己実現がしやすい職場だと思っていましたが、人材の質の向上に取り組み続けることが事業継続のカギだと実感しました」
「キャリアコンサルタントについて理解が深まりました」

といった感想が多数寄せられ、充実した2時間だったことを物語っていました。

松岡澄江さん、お疲れさまでした!

(構成・文/mezame公式note編集長 阿部志穂)


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さんぎょうい株式会社では、キャリアコンサルタントによるオンライン面談サービスを行っています。

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