小さな無垢さ。
小さな頃って、とっても無垢だ。なんせ世の中のことをよく知らないもんだから。今ではすっかり現実的な人間になってしまったこの僕も、昔はきっと無垢だった。そんな無垢さをあらわすエピソードがひとつある。
小学校低学年の頃まで、僕は映画で本当に人が死んでいると思っていた。死んでもいいと思っている人たちが映画に出ているのだと勘違いしていた。
アクション・犯罪・ホラー・ミステリー・ロマンス・SF・戦争…。さまざまな映画を見ているなかで人が亡くなるシーンが出てくると、
「ああ、この人も亡くなっちゃったんだな……」
と一人で勝手に悲しくなっていた。実際、そんなことはないのだが。その後、何かのきっかけでそんなことはないことを知った。その時は、心底ホッとしたっけな。
幼い頃は何も知らないぶん、考え方が柔軟。思考を規制する檻の類がないから、幅広く考えられるんだな。
いろんな知識・経験をするってことは、ある面では考え方の幅をせばめているのかもな。
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