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あとどんくらい笑えるのだろうか。

とある日の午後。買い物を終えた僕は、河川敷沿いの喫茶店に入った。眼下に広がる河川敷のグラウンドでは、ユニフォーム姿の野球少年たちが一生懸命に白球を追っている。

読みかけの小説を開く。数人の小学生が、ひと夏の大冒険をするといった、ベタな内容の小説だった。ただ、30歳をこえてもなおクソガキの僕にはクリティカルにヒットするテーマだ。

物語のなかの登場人物たちは、小学生というだけあって、とてもよく笑っていた。それこそ、ちょっとしたくだらないことですら大笑いしちゃったりさ。

そういえば、小学生時代の僕もよく笑っていたなあ。「うんこ」とか「ちんこ」とかっていう言葉を誰かが言っただけで、学校の廊下を笑い転げてたっけな。

さすがに、そんなくだらない下ネタで笑うようなことはなくなった、なんてことは全くなく、三十路を過ぎた今でさえも笑ってしまうんだな。これが、僕がまだまだクソガキである理由なり。

これからも、取るに足らないようなことでも笑っていたいもんだね。

再び僕は、野球少年たちに視線をうつす。練習が終盤にさしかかったのか、数十人が一列に並んでダッシュ練習をしていた。彼らが全力疾走するたびに砂埃が舞う。

しばらくしてダッシュ練習が終わった。両手に体重をあずけて地面に座り込み、談笑する野球少年たち。彼らはみな、冗談を交わしあいながら笑っていた。

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