step.3 【シノプシス1Pで魅せる文章の書き方】:3つの鉄則と5つの基本
ヘミングウェイの言葉です。
前回ログラインは企画を売るための
キーワードのような物とお伝えしました。
ではシノプシスは何のためにあるのでしょうか?
ログラインがアイディアを売るためのきっかけであるとしたら、シノプシスは映画の大まかな全体構成と世界観を伝える物です。
大事なのは簡潔であること。そこに映画の全体像が表現されている事です。
ログラインを聞いたプロデューサーは次にもっと詳しい内容を知りたくなります。その為に用意するのが1Pで書かれた概要であるシノプシスです。
1Pで書くにあたって重要なのが3ACTです。起承転結で慣れている日本人には少しわかりにくいと思いますが、詳しく説明していきたいと思います。
3ACTとはハリウッド、又は世界中の映画で主流になっている
冒頭、途中、結末の3段階に分けた物語構成のことです。
1ACT : 全体の20%
2ACT: 全体の60%
3ACT: 全体の20%
一般的に、脚本ではこのような割合で構成されています。
各ACTには以下の情報が含まれていることが条件となります。
AKT1は基本的な映画の世界観を観客に提示することが目的です。
いつ、どこで、誰がを中心にこの映画のテーマと次のACTに引き込むためのサスペンス要素(次に何が起こるのかを興味深く見せる)を主体に構成していきます。
AKT2は主人公の具体的な困難と問題のさらなる深堀、そしてラストへつながる伏線をメインに構成します。
ゴールの提示はテーマの提示と勘違いされがちですが、テーマが友情とすれば主人公達が望む目的(友人を助ける)がゴールとなります。
さらなる詳しい解説は脚本の書き方の方で解説予定なので今回は省きます。
AKT3はラストを彩る物語の最も盛り上がる部分となります。
最後の窮地から始まり登場人物の最後の戦いを示し、その末のラストまでを提示します。
大まかに3AKTを理解したら今度はシノプシスを書く際に必要な5つの基本を見ていきましょう。
一人称は私。
二人称はあなた。
3人称は彼、彼女、その他の名前が主語となります。
過去に起きたバックグラウンドの説明以外は全て現在形の動詞で書きます。
脚本では3ACTでの比率は以下のような配分でした。
1ACT : 全体の20%
2ACT: 全体の60%
3ACT: 全体の20%
しかし、シノピシスではより主人公に焦点を当てつつ、結末をドラマティックに仕上げていきます。
特に冒頭、脚本上、中盤で明らかになることであっても、観客を惹きつけるような物語に直接関連する主人公のバックグラウンドや過去がある場合はつかみとして書きます。
また、脚本では2ACTが一番長くなりますが、それよりも顛末をしっかり伝えます。
シノピシスの比率は書き方にもよりますが大体以下の感じと捉えてください。
1ACT : 全体の30%
2ACT: 全体の40%
3ACT: 全体の30%
シノピシスでは読者がより具体的に登場人物を想像できるように名前、年齢はもちろん身体的特徴や性格なども簡潔に書いていきます。ログラインよりもより具体的にキャラクター達が求めていることを提示していきます。
基本的には脚本のような台詞の書き方はNGです。
しかし、アクセントや映画の象徴となり得るセリフは積極的に取り入れてもOKです。
ただし、あまりにも多くセリフを文章に取り入れると1Pでは収まりきりません。ですので、厳選された決め台詞を効果的に取り入れましょう。
さて、すでに3ACTを説明しているので皆さんもお分かりだとは思いますが、シノピシスは結末をきちんと書く必要があります。
シノピシスで最も多い勘違いは映画データーサイトなどで見るような結末を示さないあらすじのように書いてしまうことです。
ここでの目的はプロデューサーに結末まで提示した上であなたのアイディアが面白いかどうかを判断してもらうことです。
映画は途中まで面白くてもダメです。全体が面白くて初めて完成と言えます。そのため、どんな仕掛けがあろうと、その仕掛けをきっちりこの1Pに書き込む必要があります。
次回は今回の記事を基本として、より魅力的なシノピシスを書くためのヒントをご紹介していきます。
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