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魂のおでかけ

人間が寝てる間、意識は何を見ているか。
無論、夢である。
その時、魂はおでかけをしている。
超物質的な世界で、夢の国を散歩しているのである。
男はその日、疲れていた。
どれだけ現実逃避しようと、迫ってくる現実から逃げられずにいた。
だから眠りについた。
できるだけ忘れられるように、遠くの世界に行きたいと思った。
魂は体を抜け散歩を始めた。
夢の国は実に愉快である。
あらゆるものに秩序がなく、とんでもなくふざけている。
甘すぎるお菓子のようである。
魂はそこで、断片的に生きる。
今日起こったことを分解して破壊する。
男の上司に怒られた記憶が分解され、上司の後ろにお化けが出てくる。
お化けが上司の肩に手を置いた時、意識は切り替わり次は別の記憶になる。
魂は皆の前で踊る。
謝った記憶は皆の前で踊った記憶にすり替わる。
魂はすっきりして男の体に戻った。
男は目覚めると気分は爽快だった。
魂にもたまのおでかけをさせると良いだろう。

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