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ソーシャルゲームの運営とその闇 #9

前回の記事はこちら

多分今回で記事は最後になると思います。まぁソーシャルゲーム自体は現在進行系で進化しているのでまた記事にすることがあるかもしれませんが…

今後のあり方

ソーシャルゲームもコンシューマと同じくリアルでかつ戦略的が求められたことにより開発費は高騰しております。現状、下手なコンシューマゲームも作れるくらいの開発費となっております…

ただコンシューマゲームと異なるのは運営をアップデートにより続けることが出来るメリットがあります。メリットと言いましたが、それは売上がある程度見込みがあるのならば、のお話です。大人が何人も集まって考えているのですから、最初からこれは売れない(お金にならない)なんてものに対して開発費を充てがうことはないはずですが…

人が集まらなかった、離脱してしまったなんてことは常に最悪のパターンで想定すべきですが、重大なバグで1週間まともにアクセス出来ない状況になってしまったとか想像を超えた最悪のパターンも有り得るので、こればかりはどうしようもないですね…

ただ、当然開発費を回収するのが目的となってきますので、まずは長続きするようなゲーム設計が求められます。あわよくば次に繋げられるような資金を得られれば最高です。それを続ければ初めて会社として安定します。

そして今求められていること、それはガチャに頼らないゲーム設計と私は考えています。ユーザもガチャというシステムに疑心暗鬼ですし、先までに記事にしたようにガチャ前提のゲーム設計の舵取りは非常に難しいです。もうリリース時点からサービス終了までを想定してガチャの計画を練るくらいの気持ちで取り組まないといけないかもしれません。

運営の勘違い

これは意外と多いなと感じた点なのですが、コンシューマゲームとソーシャルゲームは違うということを理解していない人が多いです。

売り方も宣伝も運営方法も違うのは理解していると思いますが、所詮同じゲームでしょ、といったニュアンスでいる人が多いのも事実です。

スマートフォンなどで気軽に起動して遊ぶものと、腰を据えてさぁやるぞ!という気持ちで遊ぶもの、それぞれでどういう体験をして、どういう環境で行うかを考えるべきなのです。

乖離が起こる要因

ソーシャルゲームは若い集団によって制作・運営されています。20代〜40代で構成されている所が多いのではないでしょうか。

その人達はほとんどがSFCやPSのゲームを楽しんできた人達です。その時の面白さ、楽しさを再現しようとしています。ここで乖離が起きるのです。SFCやPSのようなグラフィックのゲームは確かに現代の技術を用いれば容易に制作可能です。ただし、当時はインターネットなどなく、友達の攻略情報が頼りで、友達同士であーでもない、こーでもないと議論したかと思います。今で言うクソゲーだったとしても友達間で広義の意味で楽しめるのであれば、それはクソゲーじゃなかったのです。

そしてSFCやPSのゲームはユーザに媚びるようなものではなく、開発者達の挑戦状のような存在であったと私は認識しています。さぁこんなゲームを作ってみた!クリアしてみろ!といった感じです(笑)

当時の開発者の意図を理解せずに、自身が面白いと感じたものを現代でゲーム内容として再現したとしても何の意味も持たないのです。真似事でしかありませんし、現代のユーザは良い意味でも悪い意味でも賢いのです。周辺環境も違いますし、ゲーム以外にも面白さを求められます。

そんな中でソーシャルゲームが求められるものは何なのか?

私の個人的な意見でしかありませんが、これは今も昔も変わらず挑戦状だと思っています。決して激ムズゲーを作ろうという意味ではなく、ユーザに媚びずゲーム開発者としてユーザへ挑戦状を叩きつけるのです。

さぁ今回のイベントは今までの編成ではクリア出来ないぞ!考えてみろ!といった具合です(実際はこんな口調は荒くないですよ?)

私はゲーム開発において企画・開発・検証・保守・ユーザ対応とやってきました。正直、嫌な意見もたくさん見ましたし、バグだって当然出してしまいました。でも本当に楽しい時間でした。

苦労してクリアしたユーザの喜び、ソーシャル性を利用したフレンドとのコミュニケーションによるお礼のやり取り、それが生み出すゲーム全体の盛り上がっている雰囲気、全てが私にとって代え難い経験です。

私はサービス終了してしまったとしても何年かして、ユーザがあの時、あのゲームで盛り上がったよな。面白かったよな。と話してもらえるようなゲーム運営を心掛けています。それは私自身が学生時代のゲームを懐かしむように。

最後になりますが、私はこれからもゲーム開発を続けていきます。プラットフォームは変わるかもしれません。映画や読書ではなく、ゲームでしか得られない経験があるのを知っています。その経験の立役者となれるのであれば、本望であると考えています。

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