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あなたに届けるため、僕たちは一瞬の刹那を駆け抜ける -生命体と夜空の星について-

この記事は、Finatextグループ10周年記念アドベントカレンダーの22日目です!昨日は岸さんが「入社エントリー: Finatextに入社して約1年が経ちました」という記事を公開していますので、そちらもぜひご覧ください。


2023年11月26日、チバユウスケ氏が永眠した。The Birthday、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、そしてROSSO。彼が奏でる音楽は、自分の青春そのものだった。ROSSOというバンドは活動期間はそこまで長くなかったものの、「シャロン」や「1000のタンバリン」など、聴いただけで胸が高鳴るような名曲たちが存在する。

私がチバ氏の歌声に出会ったのは1997年に発売された、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「バードメン」という曲である。当時、テレビ朝日で放送されていた「ぷらちなロンドンブーツ」というテレビ番組のオープニング曲であった。「バードメン」を初めて聴いた時はあまりの衝撃に、速攻でCDショップへCDを買いに行ったのを覚えている。当時中学生だった私はそこからミッシェルにハマり、誕生日に兄からもらったベースで曲をコピーした。

そこから2023年までずっと聴き続けてきたわけだが、今年、気温が上がったり下がったりして日本の四季折々が崩れかけようとしているこの地球で、宇宙で、たった一つの魂がいなくなった。驚きと悲しみに打ちひしがれた。そんな時に私は、「生と死」、そして生かされている自分ともう一度向き合うことを余儀なくされたのだった。

この小さい宇宙で、またひとつの

命が失われたのは、今年の夏だった。私のことを孫のように可愛がってくれていた親戚のおばさんが亡くなった。あまりに多くの記憶を思い出した。暑い夏休みに泊まりに行くと、お風呂場の浴槽に水を張って水遊びをさせてくれた。デパートのゲームセンターにも連れて行ってくれた。
何度も、何度も。
秋には庭にある柿の木に実がなり、それを分け与えてくれた。戦争の恐ろしさを語ってくれた。おばさんの家には黒電話があった、リリリン!と鳴る音は今でも思い出すことができる。ヨーグルトにバナナをトッピングして、蜂蜜をかけておやつにくれた。おばさんの家から自宅に帰る車の中で、私はいつも寂しくて涙していた。
幾度も、その季節が過ぎた。

「空気が揺れる瞬間をデザインして、」

なんて言ったら君は驚くだろうか。それでも私たちは酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を口から排出しているのだ。これは紛れもなく「空気が揺れる瞬間をデザインしている」と言えるのではないだろうか。私たちが体内に取り込んだものは確かに大気中に存在していたのだ。繰り返しくりかえし、あの人もこの人も、呼吸をしては空気の交換をしている。それは人間が空気が揺れる瞬間をデザインしては、壊して、取り入れて、また交換して。子供の髪に触れるお母さんの手、赤ちゃんがいるお腹に耳を当ててみるお父さん。小さく呼吸しては生を全うする保育器の中の新生児。「あなたに会いたかったよ」と涙して、その瞬間に流れる夜空の美しい星。

この世界の全てはデザインされてできている。質の良し悪しはあれど、私たちはデザインの中で息をしている。それを具現化して、あなたと一緒にこの世界で生きていくために、私はとあるおしごとをしている。
それは「母子保険はぐ」という妊娠保険の運用だ。

あたらしい命と、あなたらしい人生

「母子保険はぐ」は妊娠19週6日目までのお母さんが加入する妊娠保険で、私はFinatextで「母子保険はぐ」のグロース施策等を担当するサービスディレクターである。月々950円から入ることができ、スマホ完結で申し込みから保険金請求まですることが可能だ。

「母子保険はぐ」のLP
※20歳~44歳までの妊婦さんが加入できる。

かくいう私も、1児の母である。コロナ禍の妊娠・出産だったのもあり、孤独や不安の中、ネットでさまざまな情報を収集していたのを覚えている。私はこの「母子保険はぐ」を通じて、世の中の母親と父親を本気で応援していきたい。保険に入っていることで少しでも不安が解消されてほしい。「お守り代わりに加入した」とおっしゃってくださる方もいて、とても嬉しい。お守りのように、あなたに寄り添いたいのだ

「母子保険はぐ」については、弊社の保険事業責任者である河端さんがこちらの記事でも紹介しているので、ぜひご一読いただきたい。

上記の記事にある「保険の「金銭的補填」(マイナス→ゼロ)という役割を越えて、「母子保険はぐ」を暮らしに何かしらプラスの影響を与えられるような存在にしたい」という考えに、私は非常に共感しており、そのような存在にしたいと心から思う。画面の向こう側にいる一人の人が、今どのような体調や気分かどうかはこちらからはわからない。ただ、「あたらしい命を授かったあなたの、あなたらしい人生」を私たちは応援している。

そのためにサービスを届ける。届けるのは私たちの役目の一つだ。そのために何が出来るか、考えてはアクションし、そのように毎日を過ごす。

繰り返される毎日の中で星空を見つけに

私たちの会社では、Slackを通じてコミュニケーションする。言葉が言葉を超え、何かが生み出される。夕刻になれば、子供を保育園に迎えに行く。冬は日が暮れるのが早いから、あたりはもう真っ暗だ。冬の冷たい空気を纏いながら、2歳半の息子は星や月を探す。夜空を眺めては、私も一緒に探す。

気絶した人があると、水だ、オードコロンだ、ホフマン滴剤だ、と叫ばれる。しかし、絶望しかけている人があったら、可能性をもってこい、可能性をもってこい、可能性のみが唯一の救いだ、と叫ぶことが必要なのだ。

死に至る病(セーレン・キルケゴール)

キルケゴールの言う「可能性」とは神のことであるが、別の角度から、「可能性」について考えてみるのも良いかと思う。ヴィトゲンシュタインの言語ゲーム的に考えれば、この「可能性」は、この時の息子にとっては夜空に散りばめられた星々や、煌々と光り輝く三日月なのかもしれない

生きろ、

2023年は、「生と死」をより強く認識した年であった。これを書いているのは12月であるが、その現在も、強く認識し続けている。

息をしづらい世の中である。日本が、子供たちに晴れやかな未来を託せるような状態とは言えないことも事実だ。物心ついて、世界のことがわかるようになってきた子どもたちは、SNSやインターネットを通じて、よりそのように感じることもあるのではないだろうか。さらにコロナ禍もあり、生活の変化や制限などで交友関係もできにくいのだそうだ。

子供たちは、最初は誰しも、私たち大人が用意する環境の中で生きる。さらに、そこには感情が宿る。私は、子供にこれから何をしてあげられるだろうと思う。きっと、必ず、よりよい日本にしたいと願う。だからこそ私は今年、Finatextに入社できてよかった。

金融がもっと暮らしに寄り添う世の中にする

Finatext Group Vision

来年も、Finatextグループの破片(もしかするとそれは、星のかけらかもしれない)として、前に進み、生きていきたいと思う。

そして生まれてきたことが楽しくて嬉しくて仕方ないという大人と子供を少しでも増やしたい。生命力を根差せるような人になれたなら。進んでいこう、生きていこう、私らしい人生で。生きていけ、あなたらしい言葉で。そうしてこの世界で、巡り会おうよ。

あとがき

「死ぬな 研ぎ澄ませ」と星野源は言う。


明日は高橋さんの「Inspireのダッシュボード機能実装について」です!引き続きお楽しみください。

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