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渡邉美穂『恋のいばら』インタビュー③気になるシーン篇/シネマ・アディクト20230122

映画『恋のいばら』インタビュー、全4回の第3回です。

引き続き松本穂香さんと玉城ティナさんに、渡邉美穂さんがインタビューされています。

今回は気になるシーン篇ということで、美穂さんの深読みをお二人に質問する対談になっています。

前回の記事はこちらからどうぞ!

別々の人が同じシーンをする意味

美穂:まあ、内容とかについてもちょっと深く触れていくんですけども

穂香:はい

美穂:結構色々な要素が詰まって、掴みどころが難しい作品だったかなと思ってて、なんか私自身もこうやって色々俯瞰して観ちゃって、なんか深読みとか色々したくなっちゃったんですよ

穂香:はい(笑)

美穂:その中でも気になったとこ結構あって、なんか物語の中で、別々の人が同じ行為をするみたいなシーンが結構あるじゃないですか?

穂香:あー!

美穂:例えばしゃっくりが止まんなくなってちょっと驚かせてというその一連の流れが、最初は桃であったのが、最後はここの二人の間で同じやり取りがあったりとか、あとゾンビ映画見ながらビーフジャーキー食べるシーンとかも、かたや映画見ながらビーフジャーキー食べて、でもかたやクローゼットの中でぐわっと食べてとか、だからそういう同じ行動だけど違う人がやるみたいな

穂香:うんうん

美穂:なんか深い何か意味があるのかなとか思っちゃうんですよ

穂香:あー(笑)

美穂:ここってご自身で色々考えるのか、もしくは現場で監督とかだったり指示が入ったりするんですか?

ティナ:んー、なんか脚本としての印象付けっていうものはあるのかもしれないですよね。やっぱり二回行うことによって、よりこう印象深くしたりだとか、キャラクターが変わっても、同じことをしてるけど心情が全然違ったりとかっていうのを見ている方に伝えるみたいなことはあるのかもしれないですね

穂香:より寂しさが増すとか、情けなさ(笑)が増すとか

美穂:あー(笑)

穂香:あとはやっぱり観ている人のなんか……ザワザワ感もありますよね

美穂:確かに!

穂香:ちょっとエンタメ性(笑)っていうか、「あ!面白い!」みたいな、そういうとこで感じてもらえるし

ティナ:真似したとかは特になかったです、なんていうかその桃がこういうふうにしてるから、私もこのエッセンスをもらおうっていうようなところまでは特に

美穂:言われなかった?

ティナ:はい、意識はしてなかったんですけど、まあ各キャラクターだったらこういうふうに演じるかなってのはあったと思います

考察したくなる映画

美穂:なるほどー、まあでもほんとそれって受けて次第というか観る人にとってどう感じるかってところも委ねられてるなって感じは

穂香:うんうん

美穂:しますよねー、でもやっぱなんかこのタイトルという雰囲気的にもなんか色々考察したくなっちゃう

穂香:えー!

ティナ:でもそれはすごく嬉しいですよね

穂香:ねー、嬉しい

ティナ:うん

穂香:なんか自分たちの解釈とかを超えて楽しんでくれることって時々あるじゃないですか?

ティナ:はいはい

穂香:それってなんかすごい

ティナ:うん

穂香:すごい嬉しい事だなって思いますね

感想

美穂さんもかなり通な映画の見方をしていますね(笑)

プライベートでも映画をたくさん観て、演技の参考にしている美穂さんですから、深く映画を考察するのも納得です。

さて、同じ行動をするというのは脚本家・監督の指示かと思いますが、細かい演技は役者さんに委ねられる部分も多いと思いますし、それを踏まえて三人がお話されていました。

映画を作る上で意味のない演技はありませんし、二回繰り返すということは、観客の心になにかフック(引っ掛かり)を掛けたいという演出の意図があるでしょう。

そういった演出や、俳優の細かい演技によって、美穂さんが仰ったように、観客にいろいろ考えさせる、考察させる深みを与えているのだと思います。

演者の解釈を超えた受け取り方をしてもらえるのは俳優冥利に尽きますね。

次回に続く

次回はいよいよ最終回。

こうやって先輩女優とお話できるのは、美穂さんにとって素晴らしい機会です。

素晴らしい先輩女優お二方からいろんな事を吸収して、女優としてさらに成長してほしいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

(終)

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