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仮面ライダーシリーズなどを踏まえて、『シン・仮面ライダー』の展開を予測する


 
 
 https://note.com/meta13c/n/n7575b6c0826b
この記事の注意点などを記しました。
ご指摘があれば、
@hg1543io5
のツイッターのアカウントでも、よろしくお願いします。
https://twitter.com/search?lang=ja&q=hg1543io5

 

注意


 
これらの重要な情報を明かします。
特に、『仮面ライダー THE NEXT』、『仮面ライダー THE FIRST』、『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』にご注意ください。
 

特撮映画

『シン・ゴジラ』
『シン・ウルトラマン』
『ガメラ 大怪獣空中決戦』
『ガメラ2 レギオン襲来』
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』
『ULTRAMAN』(2004)
『仮面ライダー THE FIRST』
『仮面ライダー THE NEXT』
 
特撮テレビドラマ
 
 
 
『ウルトラマン』
『ウルトラマンティガ』
『ウルトラマンガイア』
『ウルトラマンメビウス』
『ULTRASEVEN X』
『ウルトラマンジード』
『ウルトラマンデッカー』
 
 
 
特撮オリジナルビデオ
 
 
 
『ウルトラセブン』


 
アニメ映画
 
 
 
 
 
 
 
『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』
『銀魂 THE FINAL』
 
 
テレビドラマ
 
 
『相棒』
 
 
 
漫画
 
『ワールドトリガー』
『銀魂』
『絶園のテンペスト』
『虚構推理』
『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』
『新世紀エヴァンゲリオン』
 
 
テレビアニメ
 
『リコリス・リコイル』
『新世紀エヴァンゲリオン』
 
小説
 
 
『虚構推理』
『テュポーンの楽園』
『サイファイ・ムーン』
『二重螺旋の悪魔』
 
特撮テレビドラマ
 
『仮面ライダー』(1971)
『仮面ライダーW』
『仮面ライダーディケイド』
 
 
実写映画
 
 
『ターミネーター・ニュー・フェイト』
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
『GANTZ』
『GANTZ PERFECT ANSWER』
 
 

はじめに

 
 『シン・ゴジラ』、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、『シン・ウルトラマン』に続き、映画『シン・仮面ライダー』が公開されるので、その展開を漫画版などから予測しようと考えます。
 この映画がPG12指定なので、仮面ライダーシリーズで同じ指定を受けた『仮面ライダー THE NEXT』の過激な描写などにも言及します。ご注意ください。
 
 
 
 

ダブルライダーキック

 
 まず、『シン・仮面ライダー』は『新世紀エヴァンゲリオン』などのアニメ作品を手掛けた庵野秀明さんが監督で、様々な考察の余地があります。
 『エヴァ』はウルトラシリーズからの影響が多いという考察は様々にあり、仮面ライダーシリーズからの影響は、2人の仮面ライダーが放つダブルライダーキックからエヴァのイスラフェル戦に関わるというのも見た記憶があります。
 まずは、『シン・仮面ライダー』でも、ダブルライダーキックが重要だとみられます。
 https://note.com/meta13c/n/naacc03962e22

2023年3月15日閲覧
 
 
 

人類補完計画

 
 
 
 『エヴァ』のような組織が関わるならば、人類補完計画のように、人類を全て改造人間にして操り、平和にすると主張する計画が『シン・仮面ライダー』にもあるかもしれません。『仮面ライダーディケイド』における、ディケイドのライバルのようなディエンドの故郷の世界はそうなっていました。特に、洗脳されたふりをする人物もおり、人類補完計画でゲンドウだけが特別扱いされているように見えるところにも繋がります。
 『仮面ライダーW』では、『エヴァ』のセカンドインパクトを意識したような「ガイアインパクト」という現象があるようです。
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で登場した、左右で色の異なるエヴァンゲリオンは、私の知る限り、仮面ライダーダブルにも似ています。
 仮面ライダーは今回の映画で1号と第2号がいるらしく、ダブルのように何らかの合体に近い現象があるかもしれません。
 
 

『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』から『シン・仮面ライダー』へ


 
 『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』に共通する流れから『シン・仮面ライダー』を予測しますと、目線が細かくなること、生身の人間が直接戦うことが増えるとみられます。
 『シン・ゴジラ』での主人公達はあくまで自衛隊などの指揮をする集団の巨災対で、危険な現場に赴くことはあっても、放射線の危険は冒していても、直接戦ってはいません。会話した人間の死も一瞬で示されることが多いと言えます。『シン・ウルトラマン』でも主人公達は警視正の神永などの指揮官で、危険な場に行って作業や戦ったのは、浅見が神永を救出したときぐらいです。こちらでは、敵を含めても、会話する人物で明確に死んだ描写があるのはザラブと、生命の状態が曖昧な神永とウルトラマン以外ほとんどありません。
 通常のゴジラシリーズやウルトラシリーズが「制服組」の物語ならば、『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』は「背広組」の物語と言えます。ウルトラシリーズでは、『ウルトラマンジード』のゼナが近いかもしれませんが。
 しかし、ゴジラの熱線で焼死する人間や、ザラブに踏みつぶされた人間はいたはずであり、そのような描写を、人間の大きさである仮面ライダーの戦いでは注目するかもしれません。数少ない協力者の緑川ルリ子も、銃を構えるようですし。
 また、『シン・ゴジラ』で直接戦ってはいない男性と同じ顔の人間が『シン・仮面ライダー』に登場すること、『シン・ゴジラ』の赤坂と『シン・ウルトラマン』の「政府の男」が同じ顔であることから、『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』で直接危険な場所には向かったと言えない主要人物が『シン・仮面ライダー』では危機に陥るかもしれません。
 
 
 

危機に陥る主要人物


 
 
 
 『エヴァ』などに縁のある『ガメラ 大怪獣空中決戦』で、ガメラを敵だとみなして攻撃して、あとで別の怪獣から助けてもらおうとするのは「身勝手過ぎる」という批判が劇中にありましたが、そのガメラによる犠牲者の家族が『ガメラ3 イリス覚醒』では復讐を選んでいます。
 『シン・ウルトラマン』では、ウルトラマンがあえてザラブに捕らわれて、人口密集地で暴れさせてから正体を明るみにさらす作戦をしたようですが、その過程で犠牲者は出たはずであり、ウルトラマンが仲間1人を助けるためにザラブを蹴り飛ばしたことによる犠牲すらあったかもしれません。
ガメラやウルトラマンのような主人公の強大な力による犠牲に、目線の細かくなった仮面ライダーが注目するかもしれません。
 『シン・ゴジラ』ではゴジラ自身の熱の制御の限界を利用し、『シン・ウルトラマン』ではゼットンの膨大なエネルギーを利用して追放したようなので、『仮面ライダー』初期の爆風で本郷猛が変身したように、あえて爆発を起こして変身するというような強引な作戦をして、犠牲が出るかもしれません。
 
 
 

政府の扱い


 
 また、『シン・ゴジラ』では頼りなかったりしたたかだったりする総理大臣が、『シン・ウルトラマン』では強過ぎる敵に消極的ながらも混乱を抑えたり、「暴力は嫌悪するが自衛のための力はやむを得ない」という外星人の言葉に思わずうなずいたりしており、どちらかと言えば印象は良くなっていました。
 しかし『シン・仮面ライダー』で警察は登場するらしいものの、『仮面ライダー』初期で、『ウルトラマン』に比べればあまり当てにされていないらしいことから、総理大臣は頼れる存在には描かれないかもしれません。ゴジラが動物、ウルトラシリーズの外星人が人間でない知的生命であり、仮面ライダーの敵は改造人間となると、敵が政府を政治的に操る可能性もあります。
 ただ、個人的な願望として、特撮に関して、怪人だからこその希望もあるかもしれません。『空想法律読本』シリーズでは、「元人間である怪人や怪獣に人権を認める場合は、ほとんどの場合の戦いは人命を守るための正当防衛になるが、動けない相手にとどめを刺すと過剰防衛になる」という趣旨の説明があり、つまるところ怪人の動きを封じて警察に引き渡して刑罰を下すという概念が少ないのだとみられます。『仮面ライダーW』には、怪人が人間に戻れるので、そういった展開がありましたが。つまり、ゴジラや外星人には出来なかった、相手にとどめを刺さずに拘束して刑罰を行う展開は、元人間の怪人になら出来るかもしれません。内乱罪なら死刑なのかもしれませんが。
 小説『サイファイ・ムーン』では、超能力のような強さを手に入れた人間が、秘密主義の同じ人間達に捕らえられ、その能力を殺人に使った人間を突き止めたものの、拘束が難しく警察にも引き渡せないために殺害を選びました。『シン・仮面ライダー』ではどうなるか気になります。
 
 
 

漫画版を踏まえて


 
 ここからは、『シン・仮面ライダー』漫画版『真の安らぎはこの世になく』の展開も踏まえます。
 小学校での暴力、母親を言われなく殺されたことから、人類社会に科学技術で何らかの変化をもたらそうとするらしい緑川親子が軸になり、敵の組織のショッカーに所属するようです。
 父親が「親は自分の出来なかったことを子供に託す」という台詞など、考えさせられるところは多々あります。
 特に、ウルトラマンの光線と異なり、仮面ライダーのキックは子供でも真似ると周りに本当に有害であり、主人公が言われなき暴力としてキックを受けるのは、「子供はヒーローの真似をするな」というメッセージかもしれません。
 また、『シン・ゴジラ』でほとんど登場がみられず、『シン・ウルトラマン』で1人登場したものの顔も声もほとんど出ない子供が、『シン・仮面ライダー』では「純粋に守られるべき」とも限らない描写になると言えます。
 
 

現代日本の治安


 
 
 
 
 ただ、漫画版で母親が「今の子供の方がお行儀良い気がする」と言っているのは、私の知る限り、「現代日本は治安なら良くなっている。少年犯罪は特に減っている」という統計を見聞きするのを連想します。
 仮面ライダーシリーズを描いた白倉伸一郎さんの『ヒーローと正義』や、池上彰さんの『「日本の教育」がよくわかる本』、『これからの時代、経済より大切なこと』、原田隆之さんの『入門犯罪心理学』などです。
 物語では、現代日本の治安が悪くなっているような描写が多いようですが、『相棒』「オマエニツミハ」でも「少年犯罪は減っている」という主人公の刑事の台詞をジャーナリストが「正論です」とは言っています。『ワールドトリガー』でも、「日本人が悪い奴に優しいのは、悪い奴が少ないからだ」とあります。
 とすると、『シン・仮面ライダー』の日本は、『リコリス・リコイル』のように、「本当は犯罪が多発しているのを隠している」世界なのかもしれません。
 ただ、つまるところ校内の暴力に苦しむ小学生の一郎が、母親に「お母さんは小学生を勘違いしている」というのは、実は「逆に一郎こそ昔のさらに治安の悪かった時代を知らない」という意味が込められているかもしれません。
 『地球はウルトラマンの星』では、ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズを扱う切通理作さんが、『ウルトラマンティガ』の戦争の地球からなくなった世界は「平板化してドラマを作りにくい。実際の犯罪を描く東映ヒーローの世界とは対照的だ」とあります。
 切通さんは犯罪をこの2000年前後に頻発しているというように書いていますが、先述したように白倉さんは著書で、「少年犯罪は減っている」と書いており、作り手と視聴者で印象が離れているかもしれません。
 
 
 

現代日本の借金と税金


 

 
2023年3月15日閲覧
 
 なお、『シン・ウルトラマン』では兵器をアメリカから日本政府が買うのを気にする場面がありますが、『エヴァ』と異なり「税金の無駄遣い」とは言っていません。
 池上さんなどが近年ツイッターで批判されていますが、「現代日本の借金は内国債なので財政破綻は考えられず、低金利が続くので安全である」、「公共事業は景気を良くするために無駄な方が良い」という経済理論を私は最近知りました。『地球はウルトラマンの星』で「今の日本は赤字だらけで、大きな目線で考えなければならない」という趣旨のインタビューがありましたが、「税は財源ではない」、「政府の赤字は民間の黒字」という概念がやはりこの2000年も知られていなかったようです。
 それから20年以上不景気である日本の状況を、『シン・仮面ライダー』では扱うかもしれません。
 
 
 

PG12指定の作品


 
 
 
 さて、『シン・仮面ライダー』がPG12指定なのを私は気にしていますが、元々『エヴァ』の流れで特撮を描くならば無理はないか、とも考えていました。『シン・ウルトラマン』が流血すら見当たらず、残酷さをかなり抑えていた反動かもしれません。
 私はホラー小説を平気で読んでもホラー漫画や映画は苦手という偏ったところがあり、PG12指定でも『GANTZ』二部作でもかなり怖がっていました。
 他に同じ指定の映画では、喫煙が問題らしい『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や、元々ホラーとして例外的に見ていた『ターミネーター』シリーズの『ニュー・フェイト』、原作漫画で慣れていたアニメ映画『銀魂 THE FINAL』などが記憶にあります。
 そこで、備えるためにPG12指定の『仮面ライダー THE NEXT』、及びその前作でG指定の『仮面ライダー THE FIRST』を観ました。
 やはり『THE NEXT』は怖かったのですが、「顔に重傷を負ったアイドルが亡霊のようになって人間の顔を攻撃する」というところが以前から知っていた『虚構推理』を、「超小型ロボットで人間を改造するが、成功率が低い」というのが『二重螺旋の悪魔』を連想して、考えさせられる余地がありました。
 『THE FIRST』になく『THE NEXT』にあるものとして、怪人が刃物を用いることが残酷さを分けているようですが、『シン・仮面ライダー』でも戦闘員が槍のようなものを持っているので、これが残酷さの分かれ目かもしれません。
 ただ、『THE NEXT』でも『仮面ライダー』初期でも、戦闘員が上司の怪人によって悲惨なダメージを受けるところがあり、戦闘員同士が武器によってかえって負傷するかもしれません。
 そもそも『仮面ライダー』初期を観ると、途中でショッカーを裏切り情報を明かした戦闘員もおり、忠誠心や改造が中途半端なのかもしれません。
 
 
 

『ULTRAMAN』と『シン・ウルトラマン』と『仮面ライダー THE NEXT』から


 
 
 また、『THE NEXT』に近い時期で、『ウルトラマン』のリメイクの2004年の実写映画『ULTRAMAN』から対応させる予想も可能です。
 『ULTRAMAN』は、自衛隊員が息子の病気のために退官する直前に「ザ・ネクスト」と同化して、辞めたあとに戦うことになり、「俺は家族のために戦闘機を降りたある意味軟弱な普通の人間で、何で戦わなければならないんだ」と不満を言いましたが、最終的には「ザ・ネクスト」との会話で「運命」と受け入れています。
 『シン・ウルトラマン』では、ウルトラマンが自分の死なせた人間と同化して、それがきっかけで外星人に利用されて、人間を巨大化させる技術の兵器利用を止めようとしています。結果的に自衛隊員の一部も主人公達に協力して、日本の自衛隊員が巨大化するのを止めているわけです。
 前者が「人間がウルトラマンになるのを嫌がる」ならば、後者は「ウルトラマンが人間と同化するものの、他の人間にその能力を与えさせない」と言えます。共通点と相違点があります。
 どちらも、「自衛隊員がウルトラマンに直接ならない」ための物語かもしれません。
 『仮面ライダー THE NEXT』では、IT企業の社員がショッカーにより強制的にナノロボットで改造されて、社長とその秘書だけ生き残り、社長の風見志郎=V3がそれを誇らしいかのように主張して、妹が同じく改造されて激しく苦しんでいたことを知り、妹の友人に「自分の力では何も出来ていない」と批判されています。そして、V3の能力で「妹の悲しみを繰り返してはならない」と、日本人全体を改造しようとするショッカーに立ち向かいます。
 秘書が好戦的で、ショッカーとしての部下を負傷させても平然とする残忍な怪人になったのに対して、妹を大事に思う志郎は積極的にショッカーの裏切り者になりました。
 ここから、『ULTRAMAN』から『シン・ウルトラマン』への流れを『THE NEXT』から『シン・仮面ライダー』に対応させて予測しますと、『THE NEXT』が「怪人から裏切ったヒーローが、大勢の人間に自分達のようにさせない」物語ならば、『シン・仮面ライダー』は、「一般人が、主人公の警告により、怪人にならないことを自ら選ぶ」物語かもしれません。
 

 
2023年3月15日閲覧
 
 ウルトラシリーズでも、『エヴァ』の人類補完計画のような人類の一体化を行う存在はいますが、『ウルトラマンティガ』のイルドのように、一般人が拒絶するかもしれません。ただ、『ウルトラマンデッカー』では、スフィアとの同化を一般人ではなく主人公達が代表のように拒絶しており、あまり一般人の目線はありませんでした。『テュポーンの楽園』でも、似たようなところがあります。
 『シン・仮面ライダー』の一般人が、『ウルトラマンメビウス』のソリチュラのときのように自ら改造されるのを望むか、『ティガ』のイルドのときのように拒絶するかは分かりません。
 
 

隠密性の扱い


 また、『THE FIRST』と『THE NEXT』の怪人は、現場に着いたあとや顔を対象人物に見られたあとに仮面を装着して「変身」するらしく、基本的に目撃者は命を落とすか怪人になるかしているとはいえ、正体を隠す意欲がどこまであるか曖昧です。

 『仮面ライダー』初期のショッカーの怪人も、どこまで隠密性を重視していたのかよく分かりませんし。

 『シン・仮面ライダー』は、漫画版で一般人に活動を見られる場面が見当たらないのですが、どこまで隠せるのか、そもそも隠したいのかが映画の鍵になるかもしれません。
 戦闘員の仮面がネットで宣伝されていましたが、その戦闘員が漫画版でどうなっているかも、重要な皮肉かもしれません。

ルリ子はクローンなのか


 
 なお、漫画版と映画の予告で違和感として、漫画版には予告のルリ子の気配がないことがあります。
 もしかすると、ルリ子は『エヴァ』の主人公の母親の碇ユイの遺伝子を持ち、髪と眼の色以外はよく似た綾波レイのように、緑川一郎の母親のクローンなのかもしれません。それが、緑川の父親の妻をルリ子と同じ顔だと途中で判明するといった展開になるかもしれません。
 
 
 

部下の扱い


 
 
 また、『仮面ライダー』シリーズで気になるところとして、戦闘員などの部下が軽んじられている印象があります。
 初期の戦闘員は上司の怪人に殺されることもありますし、『THE NEXT』でも上司により重傷を負っても戦い続けています。
 また、『THE NEXT』の一部の戦闘員は、主人公達によって、上司の怪人よりも残酷な負傷をしている場面もみられます。怪人は爆発していますから。また、怪人の刃物に、主人公達より怪人の部下の方が重傷になっているとも取れます。
 また、『THE NEXT』の志郎=V3は、自分が途中までショッカーに従って、裏切ったあと、共に改造で生き残った元秘書が変化した怪人を平然と倒しており、説得もなければそもそも秘書の名前すら呼んでいません。さらに、志郎よりは優しそうな、妹の友人の女子高生の琴美や、主人公の本郷猛すら、社員が犠牲になったことへの怒りを見せている様子がみられませんでした。会社から出ようとして怪人に陰で殺された社員のことを、そもそも志郎が知っていたかも曖昧です。
 『GANTZ』劇場版では、無関係な人間を罠にかけて利用して死なせた人間に、憤る人間がいました。それが一般的な感覚だと考えています。
 戦闘員や、一般人の企業の特に悪いことをしていない社員など、仮面ライダーシリーズは、「家族」や「友人」に比べて「部下」への扱いが冷淡な印象があります。
 ウルトラシリーズでも黒系統の服を着た、リアルな制服を着た組織の人間は悪く言えば「やられ役」や「噛ませ犬」で、人間味が少なく描かれるかもしれませんが、『エヴァ』ではそうとも限らない描写がありました。たとえば、中学生同士の拳による仲直りを見て微笑む、上司のミサトを疑うのを「心苦しい」と言うなどです。『エヴァ』の流れから、『シン・仮面ライダー』の戦闘員が人間味のある存在として描かれるかも気になります。漫画版では顔も分からないまま顔に拳を受けて即死している戦闘員もいるようですし。
 『シン・仮面ライダー』の戦闘員が『エヴァ』旧劇場版『Air/まごころを、君に』のエヴァシリーズのように残酷に殺されるだけか、『シン・エヴァ』の敵のエヴァのような動揺などを見せるかも気になります。
 
 

『THE FIRST』と『THE NEXT』の一文字


 
 
 『THE NEXT』と『THE FIRST』を見て、一文字隼人が元々どのような人間なのか、何故ショッカーに洗脳されずに従っていたのか、洗脳された本郷を目撃して別の怪人に殺された克彦と何故瓜二つなのか、などがよく分からないままだったのは気になるので、再リメイク版の『シン・仮面ライダー』では本郷と一文字の出自が分かるか期待しています。『シン・ウルトラマン』の神永新二もよく分からないままで、『シン・エヴァ』の碇シンジと何か関係があるのかと思ったほどでしたが。
 また、『THE FIRST』でショッカーを裏切り、本郷と異なり血液交換なしに生きられない一文字が、『THE NEXT』で苦しみを紛らわすためにクラブで遊んでいたのは、「働くのも難しいのにそれだけの財産がどこにあるのか?」という印象があります。
 志郎がIT企業の社長として稼いでいたことも、結局、そのITの知識などを活かした様子がなく、仮面ライダーシリーズは「華やかな若者」がどう社会的地位や財産を得ているかの描写がいまひとつ分かりません。
 一文字と対比しやすい特撮の人物として、『ウルトラマンガイア』の藤宮は、科学者としての特許で稼いでいるので、その辺りは腑に落ちます。
 ただ、似ているようで、『ガイア』の藤宮は一見真面目で、酒場で殴られるなど合わない印象がありますが、環境のためだと人類を危険にさらす犯罪者で、『THE NEXT』の一文字は、いつ出血する発作が出るか分からないとはいえ、クラブで遊んでいるだけで、むしろ他に客のいないクラブで全員の女性を指名して高い酒を飲んで金銭を払うので、彼なりの軽薄そうな気遣いの可能性があります。
 『THE NEXT』の本郷は周りの苛烈さに比べて温厚過ぎる印象もありますが、一文字も一見軽薄で、実は第三者に悪いことをしているとは言えません。
 

無知な権力者


 
 
 なお、『THE NEXT』でアイドルに非人道的な行いをして、怪人の苦しみを増した芸能事務所の社長は、自分の関係者が不審な死を繰り返すのを、「狂信的なファンの仕業かもしれない」と言っていたので、アイドルの整形や隠蔽などは恨まれるのも仕方がないとはいえ、事情を知らなかったところもあります。
 すると、『シン・仮面ライダー』で日本の権力者として、総理大臣が登場する場合は、そもそも怪人のことを知らない、役に立たないが悪意もない、あるいは別の不正をする存在になるかもしれません。
 

医療機関の扱い


 
 
 些細なことかもしれませんが、『THE FIRST』や『THE NEXT』では救急車を呼ぶ描写はあるものの、いつの間にか病人が怪人になり、重傷を負った人間に、怪奇現象が起きたとはいえ救急車を呼ばない人間もおり、医療機関も軽んじられている印象があります。
 平成ウルトラシリーズで暗い印象のある『ULTRASEVEN X』でも、近未来の独特の状況とはいえ、記憶喪失の主人公がろくに医療機関に相談していない様子が奇妙に思えました。『ウルトラセブン』平成版のダンは記憶喪失でも、周りとの人間関係をある程度築く姿勢があるようでした。
 
 

「自分の力」


 
 ちなみに、『THE NEXT』のV3=志郎の妹の千春の友人の琴美は、志郎が「社長になって稼いでも満たされなかった心が改造されて充実した」と言ったのを、「自分の力じゃ何も出来なかった」と批判しています。少々不正確で情緒的にも感じますが、琴美はそれについては千春を救えなかった自分も同じだと、千春に殺されるかもしれないにもかかわらず接近して謝罪しました。序盤で同級生から「ノートを貸してやる」と言われても拒絶したのも、「自分の力」を重視しているのでしょう。
 この自分にブーメランを返すくだりは、考えさせるところがあります。
 そもそも、ウルトラシリーズでは「自分の力で戦う」ことが重視されますが、琴美の論理では本郷も一文字も、改造されて戦う以上は、「自分の力で戦う」と言えるか曖昧です。「自分の力」の定義が難しくなります。
 『シン・ウルトラマン』で、「ウルトラマンの能力を人類が持つか捨てるか」が重視され、先述した『虚構推理』と同じ原作者の『絶園のテンペスト』でも似たくだりがあります。また、『虚構推理』は「秩序」を重視しますが、それに基づき「危険な能力を捨てさせる」という意味合いもありそうです。
『シン・仮面ライダー』は、「人類が怪人や仮面ライダーの能力を捨てて自分の力で平和を勝ち取る」という意味合いがあるのかもしれません。
 なお、ルリ子は「私は用意周到なの」と言っていますが、『エヴァ』で優秀な扱いのリツコやナオコが自虐的なところ、『仮面ライダー THE NEXT』の琴美の発言から、「それが私の嫌なところでもある」と言うかもしれません。
 
 
 

まとめ


 
 取り留めのない予測になりましたが、これが何らかの役に立つかもしれません。
 
 
 
 
 

参考にした物語


 
特撮映画
 
 
庵野秀明(総監督・脚本),2016年7月29日(公開),『シン・ゴジラ』,東宝(提供)
樋口真嗣(監督),庵野秀明(脚本),2022,『シン・ウルトラマン』,東宝
金子修介(監督),伊藤和典(脚本),1995,『ガメラ 大怪獣空中決戦』,東宝(配給)
金子修介(監督),伊藤和典ほか(脚本),1996,『ガメラ2 レギオン襲来』,東宝(配給)
金子修介(監督),伊藤和典ほか(脚本),1999,『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』,東宝(配給)
小中和哉(監督),長谷川圭一(脚本),2004,『ULTRAMAN』,松竹(配給)
長石多可男(監督),井上敏樹(脚本),2005,『仮面ライダー THE FIRST』,東映
田﨑竜太(監督),井上敏樹(脚本),2007,『仮面ライダー THE NEXT』,東映
 
 
 
 
 
特撮テレビドラマ
 
 
 
樋口祐三ほか(監督),金城哲夫ほか(脚本),1966-1967,『ウルトラマン』,TBS系列(放映局)
村石宏實ほか(監督),長谷川圭一(脚本),1996 -1997,『ウルトラマンティガ』,TBS系列(放映局)
根本実樹ほか(監督),武上純希ほか(脚本),1998 -1999(放映期間),『ウルトラマンガイア』,TBS系列(放映局)
村石宏實ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2006 -2007 (放映期間),『ウルトラマンメビウス』,TBS系列(放映局)
八木毅ほか(監督),小林雄次ほか(脚本),2007,『ULTRASEVEN X』,TBS系列(放映局)
坂本浩一ほか(監督),安達寛高ほか(脚本) ,2017年7月8日-12月23日(放映期間),『ウルトラマンジード』,テレビ東京系列(放映局)
辻本貴則(監督),中野貴雄(脚本),2022-2023,『ウルトラマンデッカー』,テレビ東京系列(放映局)
 
 
 
特撮オリジナルビデオ
 
 
 
神澤信一ほか(監督),武上純希ほか(脚本),1998 -2002(発売日),『ウルトラセブン』,VAP(発売元)
 
 
 
アニメ映画
 
 
 
 
 
 
 
庵野秀明(総監督・脚本), GAINAX(原作),1997,『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』,東映(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2007,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2009,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2012,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),鶴巻和哉ほか(監督),2021,『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』,カラーほか(配給)
藤田陽一(監督),宮脇千鶴(脚本),2021,『銀魂 THE FINAL』,ワーナー・ブラザーズ
 
 
テレビドラマ
 
 
橋本一ほか(監督),真野勝成ほか(脚本),2000年6月3日-(放映期間,未完),『相棒』,テレビ朝日系列(放送)
 
 
 
漫画
 
葦原大介,2013-(未完),『ワールドトリガー』,集英社
空知英秋,2004-2019(発行期間),『銀魂』,集英社(出版社)
城平京(原作),左有秀(構成),彩崎廉(作画),2010-2013(発行期間),『絶園のテンペスト』,スクウェア・エニックス(出版社)
城平京(原作),片瀬茶柴(漫画),2015-(未完),『虚構推理』,講談社
山田胡瓜,藤村緋二,石ノ森章太郎,庵野秀明,八手三郎,2023-,『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』,集英社
カラー(原作),貞本義行(漫画),1995-2014,『新世紀エヴァンゲリオン』,角川書店
 
 
 
テレビアニメ
 
足立慎吾(監督),足立慎吾ほか(脚本),2022,『リコリス・リコイル』,BS11系列
庵野秀明(監督),薩川昭夫ほか(脚本),GAINAX(原作),1995-1996(放映期間),『新世紀エヴァンゲリオン』,テレビ東京系列(放映局)
 
小説
 
 
城平京,2015,『虚構推理』,講談社文庫
 
 
梅原克文,2018,『テュポーンの楽園』,KADOKAWA
梅原克文,2001,『サイファイ・ムーン』,集英社
梅原克文,1998,『二重螺旋の悪魔(上)』,角川ホラー文庫
梅原克文,1998,『二重螺旋の悪魔(下)』,角川ホラー文庫
梅原克文,1993,『二重螺旋の悪魔 上』,朝日ソノラマ
梅原克文,1993,『二重螺旋の悪魔 下』,朝日ソノラマ
 
特撮テレビドラマ
 
石森章太郎(原作),竹本弘一ほか(監督),伊上勝ほか(脚本),1971-1973,『仮面ライダー』,テレビ朝日
 
 
 
田﨑竜太ほか(監督),三条陸ほか(脚本),石ノ森章太郎(原作),2009-2010,『仮面ライダーW』,テレビ朝日系列(放映局)
 


 
 
 
石ノ森章太郎(原作),田﨑竜太ほか(監督),會川昇ほか(脚本),2009,『仮面ライダーディケイド』,テレビ朝日系列(放映局)
 
 
実写映画
 
 
ティム・ミラー(監督),デヴィット・S・ゴイヤーほか(脚本),2019,『ターミネーター・ニュー・フェイト』,パラマウント・ピクチャーズ
ロバート・ゼメキス(監督),ロバート・ゼメキスほか(脚本),1985,『バック・トゥ・ザ・フューチャー』,ユニバーサル・スタジオ
佐藤信介(監督),渡辺雄介(脚本),2011,『GANTZ』,東宝
佐藤信介(監督),渡辺雄介(脚本),2011,『GANTZ PERFECT ANSWER』,東宝
 
 
 
 

参考文献


 
 
池上彰,2013,『これからの日本、経済より大切なこと』,飛鳥新社
池上彰,2014,『池上彰の「日本の教育」がよくわかる本』,PHP研究所
原田隆之,2015,『入門犯罪心理学』,筑摩書房
切通理作,2000,『地球はウルトラマンの星』,ソニー・マガジンズ
白倉伸一郎,2004,『ヒーローと正義』,子どもの未来社
盛田栄一,2004,『空想法律読本』,メディアファクトリー
盛田栄一,2003,『空想法律読本2』,メディアファクトリー


https://www.eirin.jp/list/index.php?title=BACK+TO+THE+FUTURE

2023年3月16日閲覧

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