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【おすすめ本】法人顧客を獲得するための基本がわかる 『事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践』

マーケティング関連の本を初心者でもわかりやすく紹介していくブログの第2弾。Kindle unlimitedでも読めるものを選書し、手に取りやすく、なるべく身になるポイントを紹介していこうと思います。今回は栗原康太さんの初の著書『事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践』を紹介します。本書は、BtoBマーケティングに関わる方やこれから行いたい方々にとっても役立つ内容です。

■本の詳細


『事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践』
著者:栗原康太
出版社:すばる舎
初版:2020/11/22
ページ数:208ページ

■著者プロフィール 


栗原康太さんはIT系上場企業に入社し、BtoB支援事業を立ち上げ、その後事業部長、経営会議メンバーとなり、2016年に独立。「才能を流通させる」ことをミッションに掲げる株式会社才流を設立。代表取締役となり、BtoBマーケティングのスペシャリストとして活躍中です。

■1章のポイント 
BtoBでのソリューション営業は終わった

 スマホやインターネットが隆盛な時代。消費者行動にとって、インターネットは欠かせません。その動きはBtoBでも起きています。BtoBの場合、インターネット普及以前はチャネルが少ない分、郵送やDM、業界紙への広告などのPRが一般的でした。そのためマーケティングも必要ないと断られたこともあったそうです。
 しかし現在ではBtoBでも見込み客の多くが企業の営業からの受動的な情報取得ではなく、顧客自らソリューションを能動的に探している状況が起きているといいます。
 本書によれば購買プロセスの57%がすでに営業担当者に会う前に終わっているそうです。ソリューション営業が終わったとはこのことで、営業担当者に会う前に課題解決の方法を顧客自らが決めているのが当たり前の時代になっています。
栗原さんが書かれている通り、今後BtoB企業において「デジタル」や「マーケティング」はすでになくてはならない状況になっています。
 当社でも従来型の提案だけではなく、アートディレクターや
映像プロデューサー、編集やライターといったそれぞれのスペシャリストが時代の変化を捉えた企画を立案し提案を行うだけでなく、業務内容を日々変化させています。なぜならすでに顧客のほとんどがソリューションについて自ら調べており、積極的に改善策を見出していることが多いからです。その顧客のニーズに対応するためにも格段とスピード感を意識して業務を行うことが重要になってるからです。

■2章のポイント 
BtoBにおける情報非対称性

 2章では、BtoCとBtoBのマーケティングの違いについて記されています。その違いについて栗原さんは情報の非対称性について注目されています。BtoCよりもBtoB向けの情報というのはインターネット上でも少ない傾向にあり、顧客は少ない情報の中から取捨選択をすることになります。それが情報の非対称ということです。
 逆に考えると、顧客が求めるコンテンツをより多くすることができれば、ハードルを低くすることにつながり、新規顧客を獲得しやすくなると栗原さんは解説しています。
 マーケターとしては顧客のニーズに沿った調査や分析、提案だけではなく、トレンドや時代の流れを把握し、常に先回りで物事を考える必要があります。その視点がなければ、マーケターは、あっという間に淘汰される時代になっているのを肌で感じています。


■3章のポイント 
つねに念頭に置くのはLTVと4P

 3章ではLTVについて言及されています。詳しくは本書を読んでいただきたいので割愛しますがLTV(顧客精算価値)÷CAC(顧客獲得コスト)が健全な数値であれば、収益性のあるビジネスモデルになることが書かれています。マーケティングよりもLTVを高めることが大切だと栗原さんが説くように、どの業界、どのサービスを対象にするかによってLTVはほぼ決まってしまうことをしっかりと意識することが大切です。
 ランチェスター戦略のように業界の状況、顧客、規模によって戦い方は異なります。BtoBマーケターは、1顧客あたりの取引価値を高めることが重要になってくるでしょう。マーケティングの基本は4P(Product、Price、Place、Promotion )であると私もその認識でおりますが、栗原さんは、マーケターは、ProductやPriceの比重が軽くなりがちだと言います。強い売れる仕組みをつくるには、4Pをしっかりと意識することが必要だということは、とても同感できる言葉です。

■4章~8章のポイント
 ロジカルに説明するポイント

 4章からは栗原さんが関わった成功事例が施策とともに紹介されています。オウンドメディアのCVポイント(コンバージョンポイント。お客様がこちらの目標に対する行動をしてくれるための導線)を変えてCV率が4倍になった事例。3年でリード(見込み客)数が30倍なり業界2位になった方法。MA(マーケティング)ツールを導入したが活用できてないことへの改善案など、それぞれの課題解決の方法が書かれているので、非常に具体的で明快です。
 当社では、広告制作においてBtoB案件を多く手掛けていますが、クライアントの課題は多種多様です。ブランド訴求・製品PRから戦略・立案まで、それらを解決するためにはクライアントの課題を理解し、改善点を把握し、ロジカルに説明・提案しなくてはなりません。
 それには、市場のことや商品、または競合他社についてクライアントより詳しくなることが必要です。専門分野において、スペシャリストになることで、クライアントとのリスペクトの関係が生じ、効率よく仕事を進められることになるでしょう。

■9~16章のポイント
 前向きな失敗を許容することが成功の要

 9章から16章も課題解決に至る施策について詳細に書かれています。リード数が増えても受注につながらない。コンテンツマーケティングの投資方法を知りたい。レッドオーシャン市場での戦い方といったことが書かれており、同様の案件があった場合、役に立つヒントが多くあります。
 その中で印象的だったのは、コンテンツマーケティングにおいての記述です。コンテンツマーケティングは、成果ができるまでに時間がかかることが多くあります。効果がないからと早急に縮小し、そのまま立ち消えになることが多くありますが、継続することさえできれば他社との差を大きく広げるチャンスでもあります。
 トライ&エラーはどんな施策にもつきものです。マイクロソフトでさえ、1万件の企画のうち、成功したのはわずか1/3なのだそうです。成功するためには、前向きな失敗を許容する会社の体質が必要だと本書にも書かれています。当社では常にさまざまな提案・施策を行っていますが、PDCAを迅速に回しながら、前向きな失敗については常に許容をし、改善を繰り返すようにしています。

■まとめ

最後にまとめです。
・BtoBマーケティングの概念がわかる
・ケーススタディから成功事例の施策が理解できる
・BtoBマーケティングの型が身につく
スポーツでもビジネスでも、どのような分野であれ、しっかりとした「型」を身につけることは、非常に重要です。栗原さんが「おわりに」で書いているように、本書では栗原さんが実践・体験する中で培ったBtoBマーケティングの必ず押さえておきたい型を紹介しています。この型を身につけることができれば、マーケターとしての基本が身につくことでしょう。
BtoBマーケターは顧客に知ってもらい受注にいたるまでの段階をつくれるかが最も重要だと言います。
そのプロセスについても本書でつまびらかに書かれています。BtoBマーケティングに携わる方々にとっては、何度も読み返したくなるようなおすすめの良書です。

 当社はBtoBマーケティングに強く、プロダクトブックから事例取材をもとにした事例集、映像制作などの販促ツールの制作を得意としております。よろしければ下記もご確認ください!

株式会社メッセ
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