私も、おソノさんのように話そう
最近、「魔女の宅急便」のDVDを毎日観ています。
3歳の息子が気に入って、「女の子のやつ(魔女の宅急便)観る」と毎日言うためです。パトカーや消防車なども出てくるし、ほうきに乗って飛んだり、飛行船が出てきたり、3歳男子の好きな要素が意外とたくさんあるのです。(魔女の宅急便を観るにあたって、3歳児が選ぶ言語にも興味深いものがあるのですが、それはまた別のnoteで)
私にとっても、一番大好きな映画で、100回は観ているのではないでしょうか。
昔は、断然キキ目線で観ていたこの映画ですが、親になってから観ると、キキの両親に感情移入してしまい、大体キキがふるさとを飛び立つところで泣いてしまいます。
13歳の子供が、自分だけの力で、住む街を見つけて、独り立ちする…希望に目を輝かせているけれど、まだまだ危なっかしくて、きっと苦労もするだろう。初めて家族や友達と離れて暮らすから、寂しい気持ちにもなるだろう、と心配な気持ち。
でも、あなたならきっと出来る。乗り越えられるよ、と強く信じる気持ち。
色々な気持ちが、私にもやってきて、観ている間の感情はとても忙しいです。
私が特に好きなシーンがあります。
街の人は冷ややかな反応、泊まるところも見つからず、お巡りさんには追いかけられて、途方にくれたキキが、パン屋のオソノさんに出会って、お届けもののお礼にコーヒーをご馳走になる場面。
「この街の人は、あんまり魔女がお好きじゃないみたいですね」と言うキキに、オソノさんが返す言葉が、何度聞いても痺れるのです!
私だったら、こんな事を悲しそうに話す女の子に何て言うかしら…と考えると、「そんな事ないわよ」「元気出してね」とか、そんな感じかな。
でもね、オソノさんはこう言いました。
「大きな町だからね。いろんな人がいるさ」
「でも私はあんたが気に入ったよ」
これを聞いて、どんなにキキが嬉しかったか。オソノさんは社交辞令は言いません。そんなことないよ、なんて適当な慰めの言葉も言いません。だってそんなことあるんですから。少なくともキキはそう感じているのですから。
それでいて、「魔女が嫌い」とキキが感じた人たちの事も責めている訳ではありません。「いろんな人がいる」とありのままを過不足なく表現しただけです。それでも、マイナスでない共感に、キキはほっとしたでしょうね。
「でも私はあんたが気に入ったよ」
そして、最後に、オソノさんは、自分の気持ちをシンプルに伝えてくれます。
清々しい「I」メッセージで。しびれるわオソノさん。
IメッセージとYOUメッセージは、コーチングや心理学でよく使われる言葉です。アサーティブに気持ちが伝わりやすいのは、Iメッセージだと言われています。
オソノさんがコーチングの勉強をしたとは思えませんから、きっと生れながらにして、人の心を動かす話し方を知っている人なんだろうな、と思います。
たくさんの素敵なシーンがあるこの映画の中で、特別この場面に、私は心を動かされます。
だから、私が何か話す時も、オソノさんのように「自分」を主語にして話そう。
ジャッジせず、過不足なく、Iメッセージを伝えるんだ。
きっと、オソノさんの周りの人は、オソノさんの話す言葉に救われた事がたくさんあるはずだから。
私も、おソノさんのように話そう。
2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!