見出し画像

「自分にとって大切なヒトやモノがわかった」 ストイック世代の本領発揮。 ‐U25女子が自粛期間中に見つけた価値観‐

多くの人の生活がガラリと変わったステイホーム期間。その時、MERY世代の女子たちは家でどのように過ごし、何を感じていたのか。7月15日~20日の間に、MERYのアプリ内で実施した「外出自粛期間中の興味関心に関するアンケート」に寄せられたリアルな声を紹介するとともに、その根底にあるMERY世代の女子たちの価値観を考察する。

宅トレ、美容、勉強──ステイホーム期間にMERY世代の女子が夢中になったもの

今回のアンケートでは、中学生38人、高校生91人、大学生・専門学生94人、会社員・公務員116人と、計339人の女性たちから回答が集まりました。

「外出自粛期間に時間を多く費やしたことをすべて教えてください」という質問をしたところ、動画や映像コンテンツの視聴という回答が多くを占めていました。その一方で、「トレーニング」が51.6%、「美容に力を入れる」が50.2%と、2人に1人は自分磨きに励んでいたという回答が。さらに、「勉強をする」「お部屋作り」「料理をする」という回答が、それぞれ40%程度で続いています。

Q:外出自粛期間に多く時間を費やしたことをすべて教えてください(n:339)

画像1

以上の結果から、多くのMERY世代の女子たちは、外出自粛期間中に自分を磨くことに時間を使っていたということがわかりました。

MERYでも自粛期間であった4月~5月にかけて、「今こそ、オンナを高める自分磨きを♡一人でお家でできちゃう、女子力向上14Lesson」 や「快適な生活を送りたい。有意義で素敵なおうち時間を過ごすための5つのヒント」といった記事を公開。多くの閲覧数を得られており、若い女の子たちが女子力を向上させたいと思っていたことが裏付けられています。

家から出られなくなったことで、メイクやファッションの手を抜いたり、運動不足に陥る人も多い中、MERY世代の女子たちは、なぜ自分磨きに時間をかけるのでしょうか。これには、現代の若者は常にSNSで友人や知人、同世代の人気インスタグラマーのキラキラした日常を見ていることが少なからず影響しているのかもしれません。

アライドアーキテクツ株式会社が2020年4月に実施した「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う消費者のSNS利用実態調査」によると、外出自粛期間中のSNS利用時間について、34.5%が「すごく増えた」「増えた」と回答しています。

つまり、ステイホーム期間中のSNS利用時間の増加に伴い、さらにキラキラした日常を目にする機会が増え、「自分も素敵な女性になりたい!」と目覚めた結果が、自分磨きにつながったのではないかとMERYでは考えています。憧れの人物と自分を比較し、必要な情報を収集して、それを自分に当てはめていくという、現代の女の子たちの真面目さがうかがえる結果ともいえるでしょう。

自分に向き合い努力することを惜しまない現代の女の子たち

そんな、自分磨きに余念のない女の子たちに対し、「外出自粛期間に感じたことや考えたことを自由に教えてください」という質問もしてみました。

今までの生活様式と大きく変わったことにより、寂しさや不安、ストレスを感じたという声がある一方で、MERYが意外だと感じたのは、この異例な毎日をポジティブにとらえている声が多く寄せられたことでした。

「スキンケアにお金と時間を費やすようになり、自分の肌質やタイプを見極めるようになって、メイクやオシャレが楽しくなりました」(会社員)
「家族や友人とは今までのように頻繁には話せなくなったが、知っている人に会えない期間を利用して頑張っている人たちをSNS等で見て、前向きに過ごすことができた」(大学生)
「今まではあまり自分自身にお金も時間もかけていませんでした。でも、自粛期間のおかげで家にいることが多くなったことで自分磨きにお金をかけるようになりました。洗顔などのスキンケアを変えたり、化粧品を変えたりなど。運動やストレッチをするようにもなって前より健康的になったとおもいました」(大学生)
「今までよりもゆとりを持った生活ができたおかげで、モチベーションがいつもより高くなって毎日を少しおしゃれにできた」(高校生)
「自分で1日の計画を立てて行動できるようになった」(中学生)

これらの回答から、MERY世代の女子たちはステイホーム中の時間を無駄にせず、自分自身を成長させるため、時間を有効に使っている傾向が見受けられます。「スマホネイティブの女の子たちが、アナログノートの虜になる理由」、「働く意欲高く、上昇志向強く、利他的? MERY調査で見えた現代女性の仕事観」などの、以前の記事でもお伝えしてきたような、MERY世代の女子たちが持つ真面目さや誠実さ、ストイックさが、今回のアンケートにも垣間見られた結果といえそうです。

画像2

もう一つ注目したいのは、自分に対する評価に変化があったという回答です。

「人と比べる事がなくなり、とっても楽になった」(会社員)
「他人と比較することがなく、自己肯定感が上がった」(高校生)

現代の日本は競争社会です。企業では年功序列制度が廃止され、成果に応じた業績連動給などが定着してきています。学校にいたっても、国民の多くが学力中心の教育観に縛られており、良い学校に行って、学業で良い成績を収め、良い企業に就職するというのが良しとされる風潮はまだまだ根強く残っています。そのため、常に自分と周りを比較し、争わなければならない環境の中でストレスにさらされている人も多いはずです。

そんな中、外出自粛という一見ネガティブなイベントが反対に好機となり、自分を内観する時間をたっぷりと持てたことで、これまで自分が成し遂げたことや乗り越えてきたことを思い返すことができるようになったのではないでしょうか。その結果、他人との比較で自分の価値を決めるのではなく、過去の自分と比較して少しでも成長していれば、それも人生の成功の一つなのだということに気づいたのかもしれません。

“モノやヒトの真の価値を見極める”という発想

「外出自粛期間に感じたことや考えたこと」に対する回答の中で、若者たちの「価値観の変化」も見逃せません。

「人と会えること、行きたいことに行けること、当たり前の日々だったことが当たり前にならなくなった事によって人への大切さを考えさせられた」(会社員)
「家族や友人、大切な人との関わり方やコミュニケーションの取り方、楽しみ方を考えることが多かったです」(会社員)
「なんでもないと思っていた人でも、会わないと少し寂しくて、自分にとってその人と会う時間も大切だったんだなと気付いた」(大学生)


現代の若者たちの付き合いや人間関係のつながりは、SNSを通して構築されているといっても過言ではありません。しかし、外出自粛の影響でSNSの利用時間が増加した中でも、寂しさを感じたり、大切な人との関わり方を考えたという点は非常に興味深い結果といえるでしょう。SNS社会の中で生きる彼女たちが、身近にいる人の大切さに改めて気づいたことが、今後どのような変化をもたらすのか、注視していきたいところです。

自分にとって本当に大切なモノやヒトがわかったという声も多く見られました。

「その場のノリで遊びに行くことがなくなった。本当に会いたい人と会うために時間とお金を使うようになった」(大学生)
「お金の使い方を考えた。外食や遊びではなく、自分の生活を豊かにするための物、本などに使おうと思った」(大学生)
「部活に塾に学校に忙しくてつらい!と言ってた毎日が実はかなり充実していて楽しかったんだなあとすごく思います、、、」(高校生)
「今まで友達が全てだったけど、1人で何事もこなしていく力が必要だなと思った」(高校生)

たくさんのモノが溢れかえっていて、欲しいと思えば何でも手軽に手に入れることが可能な現代。MERY世代の女子たちは、デジタルネイティブ、スマホネイティブとも呼ばれ、大量の情報やコンテンツも、安価に、場合によっては無料でも楽しめることが小さい頃から当たり前でした。1995年以降に生まれた若者では、1コンテンツに対する平均消費時間は8秒、言い換えれば8秒で見切りをつけて次を探しに行くともいわれています。(次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーション Z」-米国における世代(Generations)について-JETRO中沢潔より引用)

画像3

選択肢が多く、便利さにも慣れ、高い情報リテラシーを持って商品やコンテンツを素早く評価する……。そんな価値観は、ずっと以前から彼女たちの根底に存在していたのだと思われますが、今回の外出自粛期間を経たことで、身近なモノやヒトにも適用されるようになったのではないかと考えられます。

以上のように、ステイホーム期間中のMERY世代の女子たちの間では、自分磨きに目覚めた、ポジティブな気持ちの変化があった、自分にとって大切なヒトやモノがわかったという前向きな傾向が見て取れました。

ただし、こうした前向きな結果が得られたのは、空いた時間を無駄にせず、冷静に自身を分析し、努力することができる現代の女の子たち故ではないでしょうか。

そんな冷静さや真面目さを持ち合わせた若い女の子たちのこれからの新しい生活様式の軸には、“モノやヒト、ひいては自分自身の真の価値を見極める”という価値観が、より一層確立されていくのかもしません。

本コラムはMERY LabがForbesJAPANに寄稿したものです。
https://forbesjapan.com/articles/detail/36505/1/1/1


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?