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世界初!VRバンジージャンプ装置ができるまで

脱サラしてつくった『VRバンジージャンプ装置』が
どうやって誕生したかについて紹介をしたいと思います。
サービス名は『どこでもバンジーVR』と言います。

「え?こいつ誰?」と思ってくれた方は下記も是非ご参照ください。

【自己紹介】初めまして、独立してVRバンジージャンプを作っている野々村です。

僕がラジオ局を脱サラしてからVRのバンジージャンプをはじめるまで

「こんなのバンジージャンプじゃない!」という強い想い

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他社製のVRバンジージャンプを体験したことがありました。
その全てが『椅子に座ったまま、VRゴーグルの中で景色が落下するのみ』という内容でした。

しかし、僕のバンジージャンプへのリスペクトポイントは
『死ぬくらいこわい想像以上の恐怖に立ち向かい能動的に自分の意志で体全体で真っ逆さまに飛び込むという点』にあり、正直「コレじゃない…」という強い想いがありました。

僕は、自分が心の奥底から「イイ!最高!ヤバい!」と感じているものの良さや可能性を信じています。
逆に、おこがましい話ですが、「イイ!」と思っているものが評価されていなかったり、「イイ!」と思わないものが過大に評価されていたりすると、割とすさまじい悔しさと葛藤を感じます。

ただ、そういった悔しさや葛藤に対して、酒を飲みながら「俺はこう思うんだよねぇ〜」と愚痴るようなダサいこともしたくない。
愚痴るくらいなら「じゃあ自分でつくれよ」と自分自身で思うんです。

「つくってみて、上手くいかなかった」ということもあるとは思いますが、
僕は会社を辞めてバンジーの道を選んだくらいですから、
「とりあえず自分やってみるか!」と決め、
能動的に体全体で真っ逆さまに飛び込むタイプの
VRバンジーづくりが始まりました。

VRのつくり方を知らないけど、つくる

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(↑画像は仲間をヘッドハントしたゲーム開発者の集まるイベントの写真)

体験装置をつくる前に、そもそもVRのつくり方が分かりませんでした。どんなプログラミング言語やツールでつくられているんだろうと思い調べてみると、「Unity」あるいは「Unreal Engine」というゲームエンジンでつくることができると分かりました。
Unityは無料でインストールできるので試しに触ってみました。

「難しいなぁ、自分ではできないなぁ」と思いつつも「Unityもくもく会」という「皆で集まってそれぞれの作業をもくもくやろうぜ」というイベントに足を運びました。
そこで勉強しながら周りにVRバンジーをつくりたい話をしてみると、吉祥寺のPico Pico Cafeという場所で「Picotachi-ピコたち」というゲームクリエイターの集まるイベントがあることを教えてもらいました。

早速「ピコたち」の主催者に連絡をとり、次回のイベントでVRバンジーをつくる仲間募集のプレゼンをさせてもらうことになりました。
そうすると、会場で「丁度そういうのをつくりたかったんだよね」と言ってくれるフリーランスのゲームディレクターと出会い、実装活動がスタートしました。

「VRをつくるぞ」と思い立ってから、運良くわずか1週間で仲間に出会えたのです。
ドラクエ4で、ホイミンを仲間に出来た時と同じくらい嬉しい瞬間でした。

デモVR体験から体験装置の試作へ

「VRゴーグルをつけながら、自分の意志で能動的に飛び込む」という体験が僕のつくりたかった体験です。
仲間がすぐさまデモプログラムをつくってくれ、それを「クッションに倒れ込む」という形でテストしました。

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ゴーグルを付け、40mの3Dのタワーの上で地面を見下ろすと・・・・
「え?ホントにここに飛び込むの?嘘でしょ??」と、本物のバンジージャンプさながらの『現実なのに現実でないような感覚』を得ることが出来ました。

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写真はジャンプ台から見下ろした映像のキャプチャー。
VRゴーグルで覗いて見ると、バカに出来ないくらいの臨場感があります。

そして、いざ勇気を出して倒れ込むと、VRでも真っ逆さまに落下。この感覚も本物のバンジージャンプさながら。
「これは行けるぞ」と確信した瞬間でした。

しかし、このデモ版の時点では、「足元にあるクッション」と「地面」をどうしても意識してしまいますし、何より体験を一様に届けることはできません。
そこで、体験装置づくりをスタート。2ヶ月で3タイプの体験装置を、一番グレートなアイデアを2ヶ月半掛けて試作。「VRを用いた体験をつくる」ということの知見を短期間で積み重ねながらつくりあげました。

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やってみて分かった、VR体験の作り方

ゴーグル型(HMD)のVRは、脳を錯覚させて<今ここ>の空間認識をハックする技術です。

そして、VR空間への没入感をより高める為には、
ゴーグルで得られる視覚情報や聴覚情報だけでなく、
それ以外の感覚情報をどのように与えて脳の錯覚を加速させるか
という体験装置サイドのアプローチが重要となります。

今回の『バンジージャンプのVR化』といったように
「実体験の再現」が目的となるVR体験の場合、重要になるポイントが2点あります。
1つ目は、再現したい体験の「コアな要素」を装置等によっていかに感覚&認知させるか。
2つ目は、一連のVR体験から、再現したい体験にとって「不要な要素」をいかに排除するか。

僕はリアルのバンジージャンプのコアな要素は
「圧倒的な高所の恐怖を感じながら、嘘のように現実に迫る死を想像しながら、自らの意志で体全体で頭から飛び込んでいくこと」だと考えました。

なので、体験装置をつくっていく際には、
「自らの意志で頭から飛び込む」という点はもちろん、
「死を想像してしまうくらい怖い体験装置」をつくるという点にもとてもこだわりました。

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VR体験の作り方(上記の画像は開発時のメモ)

その後、会社をつくり、様々な会社に協力してもらいながら
どこでもバンジーVRが商業的に成立するようにサービスローンチします。
その辺りは、後編ということで別記事で書こうと思います。

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