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寝たきりが初めて人に勝てる事ができた日

僕は脊髄性筋萎縮症という難病。

病気の進み具合で動ける範囲は変われど歩いた事もなければ運動をした事もない。

輝いてる努力を見るのが苦手だった

僕は昔から人と競ったり何かを努力した事がありませんでした。だから子供の頃は頑張ってる人を見るのがあまり得意ではありませんでした。

もともとスポーツを見るのが好きだったけど甲子園でガムシャラに頑張る球児や24時間テレビで目標に向かう人を見ると感動はするとともに自分が頑張ってない事をより感じる気がして毎回複雑な気持ちになっていました。

何かをやろうと思い立つことはあるものの何一つ長続きしない。三日坊主ならぬ1日坊主ばかりでした😂

最初はなんとなくで始めた

そんな学生生活を送っていた中
中学生になった時ある部活の顧問に誘われます。

「将棋部に興味ないかい?」

元々父に教わっていたのでルールは分かるもののそこまで興味なかった。でもやる事もないしいいかと思って入部しました。

まず部活の顧問と初めて対局をした時(ハンデなし)まあ何回かやってたら勝つだろう…と思ってたら何回やっても勝てない。

そりゃそうです。当時の顧問はアマチュア三段、今現在僕も三段から四段の棋力はあるのですが初心者にどれだけ手を抜こうがまず負ける事はない。

そこから負けず嫌いが発動して何がなんでも勝ってやろうとやり始めました。

やればやるほど山が大きくなる

将棋にはハンデ戦というものがあります。
(将棋の解説をしたいわけじゃないので深くは書きませんが強い側が駒を減らすやり方です)

そんなハンデ戦を一年半毎週やっていました。
今思えばひたすら一年半負け続けてよくモチベーションが続いたなと思います。

一年半経ってようやく勝つ事ができました。
もうこの時には何かに打ち込む楽しさは感じていたものの自分の中でようやく何か形になった気がしてとても嬉しかったのを覚えています。

ちなみにこの一年半の間父とも毎週やっていたのですが一年少し経ったあたりに父に初めて勝ちました。その日から一回も父は将棋をしてくれません(笑)

余談はさておき、そんな日々を過ごしながら僕は少しずつではあるけど将棋強くなっていきました。

そんなある日顧問の先生が学生が参加できる練習会の案内を持ってきてくれました。

高校生になると学生が学校の部として出れる大会があります。その大会の前に練習会と言って肩慣らしだったり大会に出る人たちの顔合わせのような集まりがあります。

当時中3だった僕は大会には出られないものの練習会にも出てもいいと言ってもらえたので参加しました。

初めて知ってる人以外と対局をする事になって通用するのかという不安もあったしそれと、自分の手で指すことが出来ないので口で棋譜を言ってそれを師匠が代わりに指すという形でやりました。

結果は様々でしたがその日一日手応えを感じた日になりました。

この日から僕は高校生になった時の大会に向けて本格的に将棋にのめり込むことになります。

将棋で強くなるという事は対局ばかりではなくそのほかに様々な勉強があります。

時には楽しくない勉強も多くあります。
暗記する量も膨大なのでなかなか大変です。

今までただ楽しむためだけにやっていた将棋ですがここからは勝つ為に、強くなる為に本気で取り組んでいました。

いざ高校将棋の世界へ

高校生になり、小中高がある養護学校だったので高校に入っても同じ部活の同じ部活の顧問と部活動を続けていました。

高校生になって割と間も無く大会がありました。初めて学校の名前を背負って出る大会。

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