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アリババクラウドがスポーツイベントをデジタルシフト

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』のテーマは、アリババのクラウドです。

アリババは、2020年9月17日、「Alibaba Cloud Digitalizes Sports Events with More AI Solutions(アリババクラウドがAIソリューションでスポーツ・イベントをデジタル化する)」とプレスリリースしました。

プレスリリースによると、スポーツイベントを主催者がオーガナイズして、メディアが編集・放送して、観客が楽しむ方法をアリババクラウドのAIソリューションがデジタルシフトすることで、主催者やメディアはより効率的かつ効果的なスポーツイベントの運営が可能となり、観客はスポーツイベントによりパーソナル&よりインタラクティブにエンゲージできるとしています。(関連動画参照)

具体的には、イベント主催者向けに会場の運営レイアウトを最適化したり観客がベストなエンゲージメント体験したりするシミュレーション環境を提供する「イベント・シミュレーション・サービス」。イベント関連情報が組み込まれ、イベントへのアクセスを制御したりアクセスパスの偽造リスクを軽減する「デジタル・バッジ・システム」。メディアカバレッジや取材/記事作成の効率を高める「プレスカンファレンス・オン・クラウド」。そして、観客・ファンをより臨場感をもってスポーツイベントに近づける「ファン・ビデオ・ハブ」。

アリババクラウドは、スポーツイベントにかかわる一連の流れをデジタル化して、スポーツの”観せ方”と”観方”を一気に変革するというわけです。

ところで、第32回で言及した「eスポーツ市場」は、スポンサーシップ、放映権、チケッティング、物販、コンテンツ、広告など多くのビジネスが絡んできます。もちろん、このスポーツイベントのデジタル化とも深く関係してくるはず。IaaS(Infrastructure as a Service)プロバイダーとして世界トップレベルに位置するアリババクラウドは、その売上高はアリババ全体の約8%を占め、アリババの4事業セグメントの中で伸び率もトップ。一方で営業利益は依然赤字、今後の事業展開に注目したいと思います。

田中道昭

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