水星 乙女

リケジョが鑑賞の感想をnote🗒️に綴ります。 たまに小説書いたりクリエイティブなことも…

水星 乙女

リケジョが鑑賞の感想をnote🗒️に綴ります。 たまに小説書いたりクリエイティブなことも ✴︎好きなこと|ドラマ(韓流多め)・映画・舞台・美術鑑賞、旅行、香り系、夜空、オタ活

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  • 鑑賞の感想

    舞台・映画・ドラマ・美術などに触れて見て、五感で受けた刺激を文字にして綴ります。

  • 乙女の日記

    「あ、これ書こう」と思ったことをゆるーく綴ります。

  • 短編小説『タバコと口紅』

    初めて小説というものを書きました。12年前の構想をやっと形に。 あらすじ 「生きやすい世の中ってどんな世界だろうか。 嬉しい、悔しい、悲しい、楽しい…。この世は感情で溢れている。 もし感情というものがこの世界からなくなれば、人は生きやすくなるのだろうか? 感情の海に溺れ、本当の自分を見失った女は、いつしか感情のない世界で生きたいと願うようになる。そして、ある男との出会いをきっかけに世界は一変するが…。 唯一、心を通わせ、感情を共有し合うことのできる女と男。無機質な世界での出来事を通じて、“この世のあるべき姿“を探しを始める」

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初めて短編小説を執筆してみて思ったこと

やってみるか! 職場でnoteを使ってブログのようなものを書いているのですが、そこで『創作大賞』の存在を知り、 「そういえば…」 と思ったわけです。 約12年前、小説を書こうと思い立ってキーボードを打ち始めたことを。 だけど当時は、継続することができませんでした…。 それで、お蔵入りさせていたのです。12年も(笑) で、奇跡的にデータが残っていたので、 「これは続きを書くしかない!」 となったわけです。 執筆中の出会い 大まかなストーリーは頭の中にありました。 でも

    • ロンドンまだ肌寒いですね。 せっかくだから何か舞台観て帰ろうかな。。

      • 今日からしばらく日本を離れて現実逃避します〜🇬🇧五感を鍛える旅です。

        • 鑑賞の感想 vol.2 | 舞台『あのよこのよ』

          これまた2ヵ月ほど前、舞台『あのよこのよ』を観てきました。 この舞台の時世は江戸幕末から明治初期なのですが、何か今世に通じるものがあったので、今回も感想を綴ってみようと思います。 作品の紹介HPリンクを貼っておりますので、あらすじやキャストさんなどはこちらをご覧ください。 感想今、どの世にいるんだっけ? 「“あの世”と“この世”って実は共存しているのかも知れない」 これが幕が降りて、最初に考えたことでした。 この舞台の主人公(浮世絵師)は、眼鏡をかけている時はあの世(

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          何だかいろんな方にフォローいただいて嬉しい限りです(´∀`) 口に出さなくても頭に湧き出てくる感情を自動的に文字起こししてくれる機械があったらいいのに…

          何だかいろんな方にフォローいただいて嬉しい限りです(´∀`) 口に出さなくても頭に湧き出てくる感情を自動的に文字起こししてくれる機械があったらいいのに…

          鑑賞の感想 vol.1 | 舞台『ハザカイキ』

          もう2ヶ月前になりますが、舞台『ハザカイキ』を観に行きました。 これまで色んな舞台を観てきましたが(と言っても、頻度はそんなに多くないですが…)、この舞台は見終わった後に思うことが色々あったので、感想を綴ってみようと思います。 作品の紹介HPリンクを貼っておりますので、あらすじやキャストさんなどはこちらをご覧ください。 感想“時代” 私が思うこの舞台のテーマは“時代”だったのかなと。 (端境期(ハザカイキ)というタイトルなので、時期のお話なんだな〜と言うのは何となく読み

          鑑賞の感想 vol.1 | 舞台『ハザカイキ』

          タバコと口紅(最終話)

          最終話日曜日の朝。 「快晴で良かった」 化粧室の鏡の前、今日塗る口紅の色は、彼が私に似合っていないと言ったあの色。 最寄り駅で待ち合わせ。 彼はタバコを片手に私を待っている。 すでに待ち合わせ時間は過ぎている。でも私は遠くから彼の姿を心に刻むことにした。 「お待たせ」 「おう」 彼はそう言って、タバコを吸い殻に捨てにいく。 彼は振り返って私の顔をみて、唇に目線を向ける。 「その口紅…まだ持ってたんだ」 「うん。でもこれも持ってる」 私はいつもの口紅をカバンから出して、彼

          タバコと口紅(最終話)

          タバコと口紅(第八話)

          第八話次の日曜日までの1週間、私たちは毎晩いつもの公園でビールとタバコを片手に何でもない会話を繰り返していた。 「ねえ、初めて私たちが出会った場所、あの無人駅があるところに行ってみない?」 「え、何で?」 「何となく…あそこで私たちが出会っていなければ、今頃どうなってたんだろうって思って…」 「後悔してる?俺と会ったこと」 私はただ笑って返事をした。 土曜日の朝。 テレビの中のお天気お姉さんは晴れの予報を伝えてくれている。 私は一人で電車に乗り、あの日と同じ路線であの場

          タバコと口紅(第八話)

          タバコと口紅(第七話)

          第七話家に上がると、男の母親は温かいコーヒーを私たちに出してくれた。 全員が椅子に座ってもすぐに会話は始まらなかった。 沈黙の中、時計の針の音だけが部屋に響く。時間は確かに進んでいる。けれど、男の時計だけは当時に遡っているのだろう。 「あ、私ちょっと外散歩してきます」 「いや、俺が」 男は私の腕を掴み、席を立った。 男との過去にあんなことがあって、それに見知らぬ女が目の前に一緒にいる。 本来なら門前払いも当然な状況なのに目の前にコーヒーがあるのは、私がこの世界を望んでしま

          タバコと口紅(第七話)

          タバコと口紅(第六話)

          第六話いつものベンチに、何も言わずに私の横にスッと座る男。 「もしかして、私忘れ物してなかった?」 「ああ、口紅?部屋に置いてある」 「そう…」 男はタバコを取り出して吸う。私はビールを一口。 「今日、実家に行った」 少しの沈黙の後、あの写真が頭に浮かんできた。 「母さん、母親に会った。というか、遠くから見ただけ」 「そっか…」 どうだった?とか、声かけなかったの?とか、そんなことを聞きたいとは思わなかった。感情のない世界に変わった今、本当が見えないと分かっていて声なんて

          タバコと口紅(第六話)

          タバコと口紅(第五話)

          第五話出所当日、俺を迎えにくる人なんて誰一人いない。 心を無にしてやり過ごした服役。これからこうやって生きていく、なんて決心は微塵もない。もちろん家に戻る資格もない。 こんな感情とは裏腹に燦々と輝く太陽。苛立ちに割く気力もない。 行く当てはないが、とりあえず電車に乗り込む。 周りの反応は様々だ。怪しい目線を送るおばさん、気づいていない振りをする男性、スマホに集中して気づきもしない女子。 そして、車内にいる人を一人ひとり見渡す女。その女と目が合う。 「俺は君にどう写っている

          タバコと口紅(第五話)

          タバコと口紅(第四話)

          第四話世界は一変した。 無機質で冷たくて、全てが自動化された世界。言い換えれば、便利でシンプルな世界だ。人間は全ての物事を淡々とこなし、生産性が高く、この上ない世界。 もちろんそこには、“感情“を持った人間はいない。あの男を除いては。 今日も起床して、いつものようにテレビをつけて身支度を始める。 「天気は…」 お天気お姉さんは今日も笑顔だ。笑顔は笑顔だけど、やっぱり何かが違う。 その振る舞いにいつもイラっとしていた私の姿はもうそこにはいない。 前も今も同じように原稿を読んで

          タバコと口紅(第四話)

          タバコと口紅(第三話)

          第三話喫茶店のテレビからは、いつものように悲惨なニュースが流れている。 「昨夜、⚪︎⚪︎区の住宅街で夫婦が殺害される事件が起きました。刃物で刺された形跡があることから、警察は殺人事件とみて捜査中で、犯人はまだ逃走中とのことです…」 考えてはいけないことを考えてしまう自分がいた。 男が喫煙から戻ってくる。 「まさかね…」 思わず私は口に出してしまった。男もテレビを見ている。たけど男の表情に変化はない。 「この事件の犯人、どんな人だと思う?家族かな…、親戚、はたまた赤の他人…」

          タバコと口紅(第三話)

          タバコと口紅(第二話)

          第二話今日も平凡な生活が始まる。 どんなにどす黒い感情も鮮やかに照らしてくれそうなほどの快晴。これぞ休日だ。 目覚ましを止め、テレビをつけて起き上がる。 「天気は晴れで、最高気温は…」とテレビから流れる天気予報を横目に、朝食の準備と着替え。テレビの中のお天気お姉さんは今日も笑顔だ。 「昨日都心は大雨に見舞われ、異常気象とも言える…」とニコニコしていたかと思えば、いかにも心配していましたと言わんばかりの表情にパッと切り替わり、続きの原稿を読み上げる。異常気象という言葉をよく耳

          タバコと口紅(第二話)

          タバコと口紅(第一話)

          あらすじ生きやすい世の中ってどんな世界だろうか。 嬉しい、悔しい、悲しい、楽しい…。この世は感情で溢れている。 もし感情というものがこの世界からなくなれば、人は生きやすくなるのだろうか? 感情の海に溺れ、本当の自分を見失った女は、いつしか感情のない世界で生きたいと願うようになる。そして、ある男との出会いをきっかけに世界は一変するが…。 唯一、心を通わせ、感情を共有し合うことのできる女と男。無機質な世界での出来事を通じて、“この世のあるべき姿“を探しを始める。 第一話今日

          タバコと口紅(第一話)

          noteで小説などを募集していると知ったので、12年前に書き始めてずっと放置していた小説を完成させようかなと…

          noteで小説などを募集していると知ったので、12年前に書き始めてずっと放置していた小説を完成させようかなと…