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鑑賞の感想 vol.2 | 舞台『あのよこのよ』

これまた2ヵ月ほど前、舞台『あのよこのよ』を観てきました。
この舞台の時世は江戸幕末から明治初期なのですが、何か今世に通じるものがあったので、今回も感想を綴ってみようと思います。

作品の紹介

HPリンクを貼っておりますので、あらすじやキャストさんなどはこちらをご覧ください。

感想

今、どの世にいるんだっけ?

「“あの世”と“この世”って実は共存しているのかも知れない」
これが幕が降りて、最初に考えたことでした。

この舞台の主人公(浮世絵師)は、眼鏡をかけている時はあの世(死んだ人・幽霊)が見えるという設定だったのですが、もし自分もそんなことができたら…って考えたらちょっと面白くないですか?(笑)

この世に未練があってあの世に行けない、幽霊。
この世にいながらもあの世を生きているかも知れない、人間。
この両者が共存している世界があるかも知れないわけです。

いつも挨拶しているあの人が、いつも一緒に仕事しているあの人がもし幽霊だったら…というか幽霊かも知れない…って考えてしまったんです。
本当はそんなことはあり得ないんですが、そんなことを考えているうちにだんだん「あれっ、私って今この世にいるんだっけ?あの世にいるんだっけ?」っ自分がどこにいるのかわからなくなってきて…。

「あの世」「この世」というパラレルワールド

ふと、“パラレルワールド”というワードが浮かんできました。
文字通り、現実世界とは異なるところで同時進行している別世界…を示すワードだと思いますが、これ最近よく耳にしませんか?
(私が占星術とかスピリチュアルに興味があるからかも知れませんが…(^◇^;))

前回の投稿で最近「時代の境界線」や「ルールの制限」がなくなってきた…なんて内容を綴ったのですが、今ってどこか地に足が着いてそうで着いてなさそうな、突風が吹いたらあっという間に飛ばされてしまいそうな、すごく曖昧な時代を過ごしている感覚があるんです。

こう聞くと「ダメだしっかり現実を見ないと!」って思うかも知れませんが、この舞台は涙あり笑ありの痛快時代劇だったんですよ。
なんだか「そんな真面目に生きなくても良いじゃん」「時にはあの世で生きてる感覚でこの世を楽しんでみたら良いじゃん」って言ってくれているような、そんな気がしたんです。

「この世の横はあの世〜、あの世の横はこの世〜」
これは、劇中で度々主人公が口遊んでいた歌です。
もしかすると私たちも、日々この世とあの世というパラレルワールドを行き来して生きているのかも知れませんね…。

とはいえ!私たち人間は肉体がありますから、2つの世界をピョンっとワープできるわけではありません。つまりこれは、自らの“意識”次第で世界を変えることができるということ、私はそう解釈させていただきました。

もし“あの世スイッチ”を入れたくなったら、私も主人公みたいに眼鏡でもかけてみようかな♪

率直な感想

舞台のステージはそんなに大きい方ではなかったと思いますが、キャストの皆様お一人お一人の演技がとてもダイナミックで、物足りないとは全く感じなかったです。

主演を務めたのは安田章大さん。とても細い方なのに、パワフルな演技に終始目が釘付けでした。これを何公演もこなすなんてすんごい体力だなと、驚きでした!

最後に

こんな感じで舞台『あのよこのよ』を観た感想を綴ってみました。

後日、安田さんがテレビ番組で、数年前に大きなご病気をされて「死んでいたかも知れない…、生きなければならない…」というお話をされていたのを知りました。何だか舞台を通じて安田さんの人生を覗き見してしまったような、すごいものを観させていただいたんだな…と不思議な感覚になりました。
そして、改めて今自分がこうして生きていることに感謝しなきゃなと。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

展示されていた舞台の模型

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