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匿名批判を批判する人

インターネット社会の黎明期を過ぎたあたりから、しばしばテレビなどで取り沙汰されてきた話題である。
匿名の掲示板などが物議を醸すハシリ(古い?)たる存在だろう。

特にネットの投稿は「言い切り」「逃げ切り」が容易にできる。
自身の発言に対する反論が出てきたら画面を消せばよい。
都合が悪いと思った場合はすぐに逃げることが可能だ。
現実の会議では、自身の発言に責任を持って最後まで議論しなければならないが、SNSではそんな義務は無い。

人間は、誰かを攻撃したり蔑むことで、自分が相手より上であると錯覚し、安心することができる。
このような人にとっては簡単に気持ちよさを得られる道具なのだろう。

こういった状況を鑑みてか、利用者のマナー教育や匿名制自体の廃止など、匿名での誹謗中傷を無くすための様々な意見を耳にするようになってきた。

このことに僕は少し疑問を持っている。
例えば、誰もいない道で目の前にお金が落ちていたらどうするだろう。
マナー教育をしたら万人が交番に届けるだろうか。
他に人が歩いていたらバレずに拾う人はいないのだろうか。

ほとんどの人の答えは「NO」だと思う。
結局、僕たちはお金を落とさないように気をつけるしかないのだ。

仮に、システムなどで悪意のある投稿を無理やり制御しても、いたちごっこになるか、違う箇所に穴を空けられるだけだろう。
ポルノ作品を禁止すると性犯罪が増加するのと同じだ。

つまり、どうやって起こらないようにするのか、
ではなく、起こる前提で利用の仕方を身につける必要がある。
リスクを孕む装置を扱うなら、利用者自身も正しい知識を知っておくべきである。

勿論、無責任に他者を追い詰める人への厳罰は必須だが。

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