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恋愛とは、失ってその価値に気づくもの~『Jポップで考える哲学』戸谷洋志 ②

自分・恋愛・時間・死・人生を切り口に自分を問い直すための15曲 ♬

「私」と「他者」の共同性

限られたときの中で
どれだけのことができるのだろう
言葉にならないほどの思いを
どれだえあなたに伝えられるだろう

一人じゃないから
私が君を守るから

私たちの頭は、愛するもので占有されます。
その中でも愛する人への思いというのは、言葉にならない(説明しきれない)。それが特別な存在で、置き換えることができない
二人で一つの存在のような共同性を抱く。

失われた共同性

会いたくて
会いたくて
震える
君想うほど遠く感じて
もう一度二人に戻れたら

共同体であった恋人と離れ離れになり、二人で一つだったのに、相手の頭から自分が消え、自分の頭からも恋人が消えてしまう。存在が消えてしまう恐怖に震える。存在が当たり前になってしまい、失ってはじめて、相手の大切さに気付く

他者の他者性と向き合うこと

誰かの願いが叶うころ
あの子が泣いているよ
みんなの願いは同時にはかなわない

たとえ共同性をもっていたとしても、私はあなたではないし、あなたは私ではないから、互いの願望がいつも一致するとは限らない。共同性の限界。
一方で、相手を自分の思い通りにすると、共同性が時に暴力になる。レヴィナスは、他者は到達不能で、私を超えた存在といっている。

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