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自分を信じるための方程式

あらゆるものに根拠を求めていた。この料理が美味しいのはこれが入っているから。このお店が繁盛しているのはこれが素晴らしいから。その逆もしかり。そして何よりも、僕はこれが出来ないから自分には自信がない。そう決め込んでいた。自信とは文字通り自分を信じられるかどうかです。そして、私のように多くの人が根拠が必要だと思い込んでいます。「結果」⇒「良い評価」⇒「自信になる」という方程式が元になっているということでしょう。それには、大きな落とし穴があるのです。

結果で自信を持つのではなく

僕の人生においても自分を信じる方法を間違ってしまったために、いくら能力を上げても結果を出しても、自分を信じることが出来ないでいた経験があります。
このお店で3年間働けば、きっと凄い自信になる。料理人だった僕の職場選びはこんな考えからだった。そこで、結果を残しそれなりのポジションを獲得していくことが出来れば、周りからも認められる。あの人に評価されれば自分の自信になる。あの人より技術があれあば、あの人が出来ないことが出来れば。そうやってひとつひとつ自信を積み重ねていきました。それが、夢であった自分のお店を持つための自信につながるものなんだと。そうやって、僕は人生のステップを踏んでいったのです。そして、10年以上有名店を渡り歩いて苦労して修行した自分には確かな自信があると思えた。そして、あるレストランをシェフとして任された時、その自信は大きく揺らぐものになりました。僕の就任早々、赤字続きになりました。僕はたちまち自信を無くしてしまい、どんどん行動が起こせなくなってしまいました。当時は、もうこれで僕の人生は終わりだ。そう思っていました。周りの視線も冷たく感じ、自分自身の無力さを嘆き、最期はもう自分はダメだと夢や希望まで捨ててしまったのでした。
この僕の体験から、成績優秀であること、お金持ちであること、人気者であること、人脈がすばらしいこと。そういった自信の根拠となる物差しを他人の評価から求めてしまうことは、どんなに積み上げたとしても簡単に崩れてしまうのです。そして、「自信がない」だから「○○する」それが出来たら「自信になる」自分を信じる方程式が、最初の段階は良いものの、次第に空回りになってしまうこと。一度の挫折や失敗でも簡単に崩れてしまうものになってしまうのです。

自信なんてなくていい

それからというもの、僕は今でも全く自信がありません。でも楽しんでいます。自信がないことが悪いことじゃないと思えたからです。結果を求めてしまう自信は、自信が持てているうちは、モチベーションも高く意欲的にも行動できるのですが、自信を少しでも失ってしまったときはおろおろしてしまいます。そして、自信も持つこに意識し過ぎると、どうしても人と比べてしまいがちになるのです。そこで、自分よりも出来るひとや優秀な人がちょっと現れてしまうと、自信はすぐにゆらゆらと揺れて不安になります。僕の体験からも言えるように自信を持つと、その自信が崩れた途端にクヨクヨして自分なんかダメだとそういう劣等感に繋がってしまうのです。そして、自信を持つことで生きることが息苦しくなってしまうと感じました。そういう意味で自信なんてなくていいと思ったのです。

自分の気持ちを信じてみる

もう一度言います。自信は文字通り自分を信じられるかどうかなのです。自信をつける目的は自分を信じるためなのです。自分を信じることができれば、結果を求めたり、誰かと比べたりする必要はないということです。そこから抜け出せたのは、信じるものを変えること。つまり、出た結果で自信を持とうとするのではなく、やってみたい自分を信じてあげる。自分の気持ちを信じて最善を尽くし挑戦する。これが、揺るがない自信に繋がっていくのです。自信は結果の積み重ねで築いていけます。でも、積み上げた自信は一度崩れると雪崩のように崩れてしまう。そして、積み上げたものだから、いつか崩れてしまう。だからこそできることは、自分の根底の部分を認めて信じていくんです。どんな自分も素晴らしいと思えた時、それが揺るぎない自信になっていくんです。書きながら、熱くなってしまいました!出た結果で自信や満足を得る生き方から、自分の気持ち。自分そのものを信じる生き方に変えられたとき。本当の人生が拓けてきます。考え方の根本を見直してみませんか?

最期まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー

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